▽ベッセント財務長官、FRBにクック理事の疑惑巡る内部調査要求
Lauren Dezenski
- 住宅ローン巡る問題、「FRBへの信頼損なう」
- 9月にFRB議長候補者と面談、トランプ氏に3-4人推薦へ
米国のベッセント財務長官は27日、米FOXビジネスのインタビューで、連邦準備制度理事会(FRB)のクック理事が住宅ローン申請で不正を働いたとの疑惑を、調査すべき事例として挙げ、パウエル議長に対し内部調査の実施を改めて求めた。
ベッセント氏は「外部による調査が始まる前に、パウエル議長に内部で調査を行うよう促してきた」と述べ、クック氏に関する問題について「まさに取り組むべきことだ」と強調した。
トランプ米大統領は25日、クック氏が住宅ローン申請書類を巡り不正を働いたとする大統領側近の指摘を受け、クック理事を即時解任する意向を表明した。クック氏の弁護士は、この措置を不服として訴訟を起こす方針だ。
ベッセント氏は「クック氏から『私はやっていない』という言葉は聞いていない。ただ『大統領には私を解任する権限がない』と言い続けているだけだ」と述べた。また、「もしFRBの当局者が住宅ローン詐欺を犯したのであれば、米国の主要な金融規制当局の一員であるべきではない。FRBは責任を負わない組織だ。米国民との関係は、高度な信頼によるもので、こうした事例はその信頼を損なう」とも語った。
トランプ氏がクック氏解任に動いたのは、FRB理事会で自身が指名した人物による多数派を確保する狙いではないかとの質問に対し、ベッセント氏は「すべてのFRB理事は独立している」と答えた。
投票権
現在のFRB理事会には、トランプ氏が1期目の際に指名したウォラー理事とボウマン副議長がいる。トランプ氏は7人で構成する理事会の空席に、大統領経済諮問委員会(CEA)委員長を指名している。
ベッセント氏はウォラー氏とボウマン氏について「彼らに『こう投票せよ』とメモを送るようなことはしていない」と語った。両氏は、7月の政策決定で反対票を投じ、据え置きを選んだ他の理事たちとは異なり利下げを支持した。
ベッセント氏によると、5月に任期が終了するパウエル議長の後任選びについて、9月1日のレイバーデーの休暇以降に候補者と面接し、その後、政権幹部らとともに3-4人の名前をトランプ氏に推薦する。ベッセント氏は、トランプ氏による指名は「確実に秋には」明らかになるとの見通しを示した。
また、ベッセント氏は、2008年の金融危機以降、FRBは「本来の使命である金融政策から逸脱した。FRBは本来の使命に立ち返る必要がある」と強調した。
原題:Bessent Repeats Call for Fed Review After Lisa Cook Incident(抜粋)
