▽クック理事に圧力強まる、住宅ローン巡り新たな疑惑-パルト氏が指摘
Josh Wingrove
- マサチューセッツ州のマンション、セカンドハウスと申告-のちに賃貸
- クック氏はトランプ氏による解任の動きを「違法」として提訴
クック米連邦準備制度理事会(FRB)理事への圧力が28日、さらに強まった。住宅ローン申請に絡む新たな不正を、パルト米連邦住宅金融局(FHFA)局長が指摘した。
パルト氏はボンディ司法長官宛ての書簡で、クック氏がマサチューセッツ州ケンブリッジのマンションについて住宅ローン契約を結ぶ際、セカンドハウスとして申請していたが、その8カ月後には同物件から賃料収入を得て投資物件だと申告したと主張している。
これに先立ちパルト氏は、クック氏が2021年に住宅ローンを取得する際、ミシガン州とジョージア州の住宅を双方とも「主たる住居」と申告したとして告発していた。通常、主たる住居とすることでより有利な条件でローンを組むことができる。
クック氏の弁護士は取材の申し入れに対し、現時点でコメントを出していない。FRBもコメントを控えている。

トランプ米大統領は、最初の告発を受けてクック氏の解任に動いている。クック氏はこの動きに対抗し、28日に連邦地裁に提訴。大統領による解任の試みを「違法」と位置付け、FRBの掌握を狙ったものだと主張した。
また、クック氏の弁護士らは、パルト氏が指摘した最初の疑惑について、意図せぬ「事務上の手違い」が原因だったと示唆した。司法省は既に、最初の告発について調査を進める意向を示している。
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パルト氏は今回の書簡で、当初問題となったミシガン州とジョージア州の物件に関しても新たな懸念を示した。また、クック氏が「FRB理事という地位の獲得および維持」を含む目的で、「さらなる法律違反および重大な虚偽申告」を行っていた可能性についても調査するよう司法省に求めた。
連邦地裁のコッブ判事は、クック氏が職務にとどまることを求めて申し立てた一時差し止め命令について、29日に審理を開く予定。
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原題:Pulte Ups Cook Scrutiny With Criminal Referral on Third Mortgage(抜粋)
