Ryan Vlastelica

  • モメンタムがいかに崩れたかを示している-テクニカルアナリスト
  • 4月安値からなお80%余り上回る水準、時価総額世界最大は維持
The Nvidia headquarters in Santa Clara, California.
The Nvidia headquarters in Santa Clara, California. Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

人工知能(AI)向け半導体メーカー大手の米エヌビディアの株価は2日の米国株式市場で2%安の170.74ドルと4日続落し、重要なテクニカル水準として意識される50日移動平均線(171.06ドル)を下回った。この水準を割り込む動きは、短期的なモメンタムの弱さを示すサインと受け止められている。 

  キングスビュー・パートナーズのチーフ・テクニカルアナリスト、バフ・ドーマイヤー氏は50日移動平均線を割り込んだことについて「モメンタムがいかに崩れたかを示しており、短期的な株価動向に懸念を抱かせるものだ」と語った。

  同氏は、エヌビディア株の次の下値支持線を160ドル、その下は145ドルとみている。「145ドルを割り込めば、先行きに強い懸念を抱かざるを得ない」と付け加えた。

  エヌビディア株は4営業日で6%余り下落し、時価総額にして2860億ドル(約42兆4300億円)超が失われた。ただ、4月の安値からは依然として80%余り高い水準にあり、時価総額では4兆1000億ドル超と、2位のマイクロソフト(3兆7500億ドル)を大きく引き離して世界最大の座を維持している。 

  ドーマイヤー氏は「長期的には依然として伸びしろがあるものの、短期から中期にかけてはピークを迎えたように見える」と述べた。

原題:Nvidia’s $286 Billion Rout Takes Stock Below Key Level (1)(抜粋)