Steven T. Dennis
- トランプ氏、FRB理事会の「多数派」確保し利下げ進める考え
- 共和党議員、中銀の独立性指示とトランプ氏への忠誠心でジレンマ
米上院銀行委員会は4日、トランプ米大統領が連邦準備制度(FRB)理事に指名したミラン米大統領経済諮問委員会(CEA)委員長の指名承認公聴会を開く。トランプ氏が目指すFRB再編の取り組みが加速する見通しだ。

銀行委員会によるミラン氏の任命審査は、著名な共和党上院議員らが、独立した中央銀行を長年支持してきた立場と、トランプ氏への忠誠心との間でどう折り合いをつけるかを問われる最初の機会となる。トランプ氏は、FRB理事会で「ごく近いうちに多数派を確保する」と公言し、金利を引き下げる意向を示している。
ミラン氏はFRBの独立性を守る意向であることを、共和党上院議員らに公式・非公式の場で強調している。
同氏は4日の公聴会で「中央銀行の最も重要な任務は、大恐慌やハイパーインフレを回避することだ。金融政策の独立性は、その実現に欠かせない要素だ」と証言する。「私はその独立性を守り、米国民に全力で奉仕する意向だ」としている。上院銀行委員会が3日に証言原稿を公表した。
共和党の上院議員は現時点では、ミラン氏の人事に反対し、トランプ氏との関係に亀裂を生じさせるような態度は見せていない。
民主党は、委員会の審議日程では承認投票の実施を十分に遅らせることはできず、9月中旬に行われる連邦公開市場委員会(FOMC)へのミラン氏の参加を阻止できないと非公式に認めている。この会合では、FRBが昨年12月以来となる利下げに踏み切ると予想されている。
ミラン氏は、8月8日付で早期退任したクーグラー元理事の空席を埋めるため、FRB理事の座に指名された。同氏を巡る委員会での論戦は、トランプ氏がクック理事の解任を図る動きと並行して進むことになる。クック氏は先週、トランプ氏による辞任要求についての司法判断を求め、提訴した。
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ミラン氏は、トランプ政権の関税がインフレを再燃させる恐れがあるとの一部FRB当局者の懸念を退け、大統領の意向に沿って利下げを求めてきた。2024年の論文では、FRBの独立性を損ないかねない、より急進的な改革案も提示している。論文では、理事の任期短縮や「米大統領の意のままに」理事を従わせる規定、FRB予算を議会の承認下に置くことなどが含まれていた。
原題:Trump Drive to Shape Fed Progresses With Rapid Miran Hearing (1)、
Miran Intends to Preserve FOMC Independence If Confirmed to Fed(抜粋)
