▽イスラエル軍「ガザ市40%掌握」、退去命令に抵抗の住民孤立<ロイター日本語版>2025年9月5日午前 5:13 GMT+9

[カイロ 4日 ロイター] – イスラエル軍の爆撃が続くパレスチナ自治区ガザで、多くの住民が自宅からの避難を余儀なくされる一方、数千人の住民がイスラエルの退去命令に抵抗し、イスラエル軍の進軍経路上にある廃墟に取り残された格好となっている。
ガザ保健当局は、4日のイスラエル軍の攻撃により少なくとも53人が死亡したと発表した。そのほとんどはガザ市内での死者とされている。イスラエル軍は郊外を通って進軍し、現在は市中心部から数キロの地点にいるとみられる。
こうした中、イスラエル軍報道官のエフィー・デフリン准将は記者会見で、「現在、われわれはガザ市の面積の40%を掌握している」とし、同軍がイスラム組織ハマスのインフラに損害を与え続けていると説明。「作戦は今後数日間にわたって拡大し、激化し続けるだろう」とした上で、イスラエルの残りの人質が返還されるまでハマスを追跡し続けると述べた。
イスラエルは8月10日にガザ市への攻撃を開始した。この作戦は、深刻な人道危機を理由に国際的な批判を招いたほか、イスラエル国内でも、一部の軍司令官と政治指導者の間で戦略を巡る緊張が高まるなど、異例の事態を引き起こした。
同地区民間緊急サービスの広報担当者は「イスラエル軍が退去命令を発しても、民間人を収容できる場所はなく、人々が行くべき代替の場所はない」と指摘した。
これらの報道について、イスラエル側のコメントは得られていない。
パレスチナ非政府組織(NGO)ネットワークの代表は、今回の避難により、栄養失調に苦しむ子どもなど最も弱い立場にある人々がさらに危険にさらされる可能性があるとの懸念を表明。
「これは戦闘勃発以降、最も危険な避難となるだろう」とし、「爆撃や殺害の危険がある中で人々が退去を拒否しているのは、彼らが気力を失っていることの表れだ」と述べた。
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▽ローマ教皇、イスラエル大統領と面会 ガザ恒久停戦呼びかけ<ロイター日本語版>2025年9月5日午前 12:14 GMT+9

[バチカン市国 4日 ロイター] – ローマ教皇レオ14世は4日、イスラエルのヘルツォグ大統領と面会し、パレスチナ自治区ガザの「悲惨な状況」について話し合うとともに、ガザ地区での恒久的な停戦を求めた。バチカン(ローマ教皇庁)が明らかにした。
声明によると、教皇はイスラム組織ハマスに拘束されている残りの人質の解放を求めたほか、イスラエル・パレスチナ紛争における2国家解決への支持を改めて表明。恒久的停戦の早急な実現に向け交渉の速やかな再開を望むとした。
ヘルツォグ大統領はXへの投稿で、レオ教皇に謝意を表明。「宗教指導者および平和の道筋を選ぶ全ての人は、地域全体のより良い未来に向けた最初の重要な一歩として、人質の即時解放に向けて団結しなければならない」と述べた。
