▽英首相、ガザ情勢に「強い懸念」表明 イスラエル大統領と会談<ロイター日本語版>2025年9月11日午前 5:53 GMT+9

英首相、ガザ情勢に「強い懸念」表明 イスラエル大統領と会談

[ロンドン 10日 ロイター] – スターマー英首相は10日、イスラエルのヘルツォグ大統領とロンドンで会談し、パレスチナ自治区ガザ情勢に対する「強い懸念」を改めて表明した上で、イスラエルに方針転換を求めた。

英首相官邸によると、スターマー氏はヘルツォグ氏に対し、イスラエルは「人為的な飢餓の深刻化を防ぐため、支援物資の搬入を認め、攻勢作戦を停止しなければならない」と伝えた。

その上で、英国とイスラエルは長年の同盟国だとし、「イスラエル人とパレスチナ人双方にとって恒久的な平和とより良い未来の実現に向け、取り組みを続ける」と述べた。

スターマー氏はイスラエルが9日に実施したカタールの首都ドーハでイスラム組織ハマス指導部を狙った空爆についても言及。「重要なパートナーの主権を公然と侵害するもので、われわれが切望する和平の実現に向けて何も寄与しない」とし、こうした攻撃は「到底受け入れられない」と非難した。

ヘルツォグ大統領は会談後、双方の国の「最近の振る舞い」を巡る対立を含む厳しいやり取りがあったと言及。スターマー氏のパレスチナ国家構想やガザ地区での人道支援に関する見解が対立の根源にあったとし、「厳しく強い言葉が交わされた」と述べた。その上で、英国に対し実態を把握するためにイスラエルに調査団を派遣するよう求めたと明らかにした。

スターマー氏は8日、訪英したパレスチナ自治政府のアッバス議長と会談。将来のパレスチナ国家の統治にイスラム組織ハマスの関与を一切認めないことで一致した。

英国はイスラエルがガザ地区での戦闘終結や支援拡大などを含む4点の条件を満たさない場合、パレスチナ国家を承認する方針を表明。イスラエルは反発している。

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