辞表を提出したと報じられたロシアのコザク大統領府副長官=2022年2月、モスクワ(露大統領府サイトから)
辞表を提出したと報じられたロシアのコザク大統領府副長官=2022年2月、モスクワ(露大統領府サイトから)

ロシアの経済紙RBKは17日、消息筋2人の話として、プーチン大統領の側近として知られるコザク大統領府副長官(66)が辞表を提出したと伝えた。コザク氏を巡っては米紙ニューヨーク・タイムズが8月上旬、非公式な場でウクライナ侵略に批判的な言動を続けてきた結果、プーチン氏を失望させたと報道。露メディアも同月、コザク氏が政権内で権限を剝奪されつつあると伝えていた。

これらの報道が事実であれば、コザク氏は政権内で居場所を失って辞職を決めた可能性がある。実際、プーチン氏は8月末、コザク氏がそれまで責任者を務めてきた大統領府内の2部局を廃止すると定める大統領令に署名していた。

RBKが伝えた消息筋の話によると、コザク氏には現在、ビジネス界への転出を勧める複数の提案が来ている。辞表提出は「本人の意思」だとした。

コザク氏はプーチン氏が露北西部サンクトペテルブルクの副市長を務めていた1990年代からプーチン氏を補佐。2000年にプーチン氏が大統領に就任すると側近として累進し、政権の要職を歴任した。20年からは大統領府副長官を務めていた。(小野田雄一)