アンスティー・クリストファー
外国勢が保有する米国債の残高は9兆1600億ドル、英国など保有拡大
- 中国は257億ドル減少し7307億ドル、日本は1.15兆ドルで外国勢首位

米財務省が18日に発表したデータによると、7月末時点で外国勢による米国債保有残高は9兆1600億ドル(約1360兆円)と、過去最高を更新した。中国の保有が減少したが、英国などによる保有拡大が総額を押し上げた。
外国勢の保有残高は6月に比べて319億ドル増加した。
保有額は、国債の売買や価格変動によって影響を受ける。ブルームバーグ米国債指数は6月の上昇後、7月は下落した。取引データによれば、民間部門と公的部門の投資家はともに7月に中長期債で買い越しとなった。一方、短期国債では、民間投資家は売り越し、公的投資家は買い越した。
外国勢の保有額で3位の中国は、7月に257億ドル減少し7307億ドルと、2009年以来の低水準。市場関係者によると、中国のカストディ口座を含むとされるベルギーも、保有額を52億ドル減らして4282億ドルとなった。
外国勢で最大の保有国である日本は、38億ドル増の1兆1500億ドル。2位の英国は413億ドル増の8993億ドルとなり、過去最高を記録した。
カナダは571億ドル減の3814億ドルとなり、4月以来の低水準に落ち込んだ。
トランプ米大統領が輸入関税を引き上げたことを背景に、外国勢の米国債需要動向に懸念が強まる中、保有残高データは注目されている。一部の民間指標では、米国資産に対する需要の弱まりが示唆されている。
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原題:Foreign Holdings of Treasuries Reach Record Even as China Sells(抜粋)
