▽「政界の119番」林芳正氏が出馬表明、緊急時にたびたび後任起用…「経験と実績」に強み<読売新聞オンライン>2025/09/19 06:47

自民党総裁選出馬を表明する記者会見で色紙を手にする林官房長官(18日、国会内で)=米山要撮影

山口真史

 自民党総裁選への立候補を表明した林芳正官房長官(64)は、外相など六つの閣僚ポストを歴任した実績を強みに、少数与党下の難局のかじ取りに意欲を示した。参院選で支持が離れたとされる保守層の奪還に向け、党綱領を改正する考えも打ち出し、支持拡大につなげる考えだ。(山口真史)

自民党総裁選出馬を表明する記者会見で色紙を手にする林官房長官(18日、国会内で)=米山要撮影

 「岸田政権、石破政権の流れを受け継ぎながら、さらに新しいものを付け加えていく」

 林氏は18日の記者会見でこう述べ、両政権の路線を継承する姿勢を強調した。

 林氏は2008年に福田改造内閣の防衛相で初入閣後、文部科学相、外相などを歴任し、手堅い実務能力に定評がある。閣僚更迭など緊急時にたびたび後任に起用されてきたことから「政界の119番」の異名を持ち、政策通として知られる。

 政策では「林プラン」と銘打ち、1%程度の実質賃金上昇の定着を掲げ、「実質賃金がプラスなのは当たり前だという状況にしたい」と訴えた。社会保障では低・中所得世帯向けに、所得に応じた支援を実施する「日本版ユニバーサル・クレジット」の創設を打ち出した。

【一覧】林氏が掲げた主な政策や主張

 国土 強靱きょうじん 化の推進や、医療・介護・福祉人材の処遇改善、需要に応じたコメの安定供給なども掲げた。それぞれ有力な団体票を抱える業界を意識したとみられる。選挙制度改革にも意欲を見せ、長年の持論だった衆院選への中選挙区制の導入も主張した。

 政策と並ぶ優先事項として党改革も掲げた。保守層の支持離れを念頭に「我が党が保守政党であることをもう一度しっかり打ち出す」と述べ、党綱領の改正を訴えた。

 独自の野党人脈も林氏のアピール材料だ。日本維新の会の遠藤敬国会対策委員長と関係が深く、今月9日には同党の馬場伸幸・前代表とも会食した。ただ、記者会見では、具体的な連携先について「総裁選で議論するべきではない」と明らかにしなかった。「現時点で選択肢は狭めないほうが得策だ」(陣営幹部)との思惑がある。

 もっとも、岸田、石破両政権で「番頭役」の官房長官を務めてきたことについて、党内では「いずれの政権も支えきれなかった」と厳しい評価も根強い。陣営内からも「内閣の一員として『喪に服す』期間が必要ではないか」と早期の出馬表明をいさめる意見も上がったという。旧岸田派を中心とした陣営の結束を固めつつ、党内での支持拡大が図れるかが課題となる。

▽高市早苗氏、自民総裁選に出馬表明 「危機克服へ強い政治示す」<毎日新聞>2025/9/18 13:51

自民党総裁選に関して出馬表明をする高市早苗前経済安全保障担当相=衆院第1議員会館で2025年9月18日午後1時9分、平田明浩撮影
自民党総裁選に関して出馬表明をする高市早苗前経済安全保障担当相=衆院第1議員会館で2025年9月18日午後1時9分、平田明浩撮影

 高市早苗前経済安全保障担当相(64)は18日、石破茂首相の退陣表明に伴う自民党総裁選への立候補を正式に表明した。高市氏は「今、必要なのは暮らしや未来への不安を夢や希望に変える政治だ。日本が直面するクライシス(危機)を克服するための強い政治、方向性を示す政治でもある。命懸けで頑張ってまいりたい」と述べた。国会内で記者団に語った。

 これに先立ち、高市氏は国会内で麻生太郎元首相と面会し、出馬の意向を伝えた。19日に記者会見を開き、公約などを発表する。

▽河野太郎氏、自民党総裁選に出馬せず…小泉進次郎氏を支持<読売新聞オンライン>2025/09/19 07:10

河野太郎・前デジタル相(7月3日)

 自民党の河野太郎・前デジタル相は18日、党総裁選への出馬意向を表明している小泉進次郎農相と国会内で面会し、自らは総裁選に出馬せず、小泉氏を支持する考えを伝えた。関係者が明らかにした。河野氏は前回と前々回の総裁選に立候補した。

▽石破首相、コメ増産「巻き戻らぬように」 小泉氏、総裁選出馬を報告<毎日新聞>2025/9/17 15:42

石破茂首相と面会後、報道陣の取材に応じる小泉進次郎農相=首相官邸で2025年9月17日午後1時58分、平田明浩撮影
石破茂首相と面会後、報道陣の取材に応じる小泉進次郎農相=首相官邸で2025年9月17日午後1時58分、平田明浩撮影

 小泉進次郎農相は17日、首相官邸で石破茂首相と面会し、首相の退陣表明に伴う自民党総裁選(22日告示、10月4日投開票)に出馬する意向を伝えた。面会後、記者団に「首相が引き継いでもらいたいと(退陣表明の)記者会見で話したものをしっかり引き継ぎたい」と述べ、石破政権が看板政策に掲げる地方創生などの取り組みを引き継いでいく考えを示した。

 首相は面会で「地方のことを頼む」と述べたほか、コメ増産に転じる方針を示した農政について「決して巻き戻ることがないように、不可逆的な形にしっかりと持っていってもらいたい」と小泉氏に伝えたという。

 小泉氏は記者団に「政治がなかなか課題を前に進めることができない。今の現状に対する危機感だ。自民党が体制をしっかり立て直すことが先決だ」と、出馬を決意した理由を説明。衆院選に初当選した当時、野党自民党の谷垣禎一総裁が党の一体感を作るために苦労した姿を見たことが「今の私の(出馬の)決断にもつながっている」としたうえで、「あの時の経験を持っている強みを生かして、ここから再スタートだと思ってもらえるような訴えを届けたい」と語った。【神山恵】

河野太郎・前デジタル相(7月3日)