自民党の総裁選挙がきょう(22日)告示された。小泉、高市両氏を軸に林、小林、茂木の5人が立候補した。想定通りの顔ぶれ。意外性もなければ驚きもない。自公連立政権が衆参両院で過半数割れしている。比較第1党の党内選挙であるが、原則論で言えば自民党の新総裁が内閣総理大臣になるわけではない。にもかかわらず主要メディアはまるで新総理を選ぶかのような勢いで、連日この選挙に関連した党内の動きを報道している。まるで予定調和のような扱いぶりだ。もっと驚くのは自民党の長老と主要メディアが“勝ち馬づくり”で一致団結していることだ。勝ち馬は誰か。言うまでもないだろう。若干44歳、政治家としての実力はともかく、国民的な人気がある小泉だ。長老たちの狙いはただ一つ、この人の人気だ。小沢一郎はかつて総裁選挙に関連して次のような発言をした。「担ぐ神輿は軽くてパーがいい」。総裁選報道を見ながらこの言葉を思い出した。

今回の総裁選挙に関連して不可思議な動きがある。あの河野太郎がいち早く小泉支持を表明した。神奈川県出身の政治家同士。2021年の総裁選では「小石河連合」と呼ばるほどの改革派だった。そんな経緯もあるだろう。もう一人いる。前回総裁選挙に出馬した加藤勝信財務大臣だ。小泉選対の選対本部長に就任した。総裁選立候補者が選対本部長を引き受ける。これも異例だ。加藤財務大臣は安倍元総理が全面的に信頼を寄せた人。義父は清和会の有力者だった。小泉氏は所得税制の見直しとガソリンの暫定税率廃止を選挙公約に掲げた。加藤財務大臣はこれを受け入れた?財務省の了解は得たのだろうか。石破総理は自民党総裁に就任した途端に手のひらを返した。選挙公約を無視して衆議院を即解散し敗北した。小泉は早期解散を否定している。同じことは起こらないのか。

もっと奇妙な人たちがいる。麻生、菅、岸田の3人の総理経験者だ。過去の経緯から菅が小泉を支援するのは理解できる。麻生と岸田は支持者を明確にしていない。そして5人の候補者は老害とも言うべき長老への気配りに余念がない。これこそが水面下で“勝ち馬”づくりが進行している証拠だ。目指すは高市潰し。これにマスゴミが連動している。一例を挙げればジャーナリスト田崎史郎。13日のテレ朝の「ワイド!スクランブル サタデー」に出演。「石破総理は高市氏を呼び捨てにしている」と発言した。これに松尾アナが噛みついた。総裁選と呼び捨てに何の関係もない。要するにこれはジャーナリストと称する田崎が「高市潰し」に協力、印象操作を行なっているのだ。こういう事例は数えたらキリがない。総裁選という権力争いに加担するマスゴミ。呉越同舟の国会議員は無理としても、90万人強いる党員・党友はこの現実を見抜けるか・・・。