By Katharine Jackson, Phil Stewart

[ワシントン 20日 ロイター] – トランプ米大統領は20日、アフガニスタンがバグラム空軍基地の管理権を米国に返還しない場合、「悪いことが起こる」と自身の交流サイト(SNS)に投稿した。奪還のために軍を派遣する可能性を否定しなかった。
「もしアフガニスタンがバグラム空軍基地を建設した米国に返還しなければ、悪いことが起こるだろう」と投稿した。
トランプ氏は18日、バグラム基地を「取り戻したい」と述べた。19日にはこの件についてアフガニスタンのタリバン暫定政権と話をしていると記者団に語った。 もっと見る
20日、ホワイトハウスで、基地を取り戻すために米軍を派遣するか尋ねられたトランプ氏は、「それについては話さない」と直接回答を控えた。
その上で「現在、アフガニスタンと話し合っている。そして、もし彼らがそれをしないなら、私が何をするつもりなのか、あなた方は知ることになるだろう」と述べた。
バグラム空軍基地は、2001年9月11日の米同時多発テロを実行したイスラム過激組織アルカイダの掃討作戦の拠点となり、21年の米軍全面撤退まで20年間にわたり使用された。
タリバン暫定政権側は、取引に応じるつもりはないと述べている。専門家は、仮にタリバンがトランプ氏の要求に応じたとしても、広大な同基地は警備や運用維持には膨大な人手が必要となると専門家は指摘する。アフガニスタン国内の武装組織の脅威にさらされるほか、6月にカタールの米軍基地を攻撃したイランのミサイルの射程にも入る。
▽タリバンが旧米軍基地返還を拒否、トランプ氏の「威圧」恐れずと表明<bloomberg日本語版>2025年9月21日 23:11 JST
Kasia Klimasinska、Eltaf Najafizada
- 応じなければ「悪いこと」起きる、トランプ氏がSNSに投稿
- バグラム空軍基地、今は米軍装備品の展示場所-タリバン勝利の象徴

アフガニスタンのイスラム主義組織タリバンの最高軍司令官は、バグラム空軍基地を米国の支配下に戻したいとするトランプ米大統領の要求を却下した。敵対的な行為があれば「最強の」行動をもって対応すると警告した。
「アフガニスタンは完全に独立した国家として、自国民が統治しており、いかなる外国勢力にも依存していない」とフィトラト参謀総長は21日、国営テレビが報じたカブールのイベントで述べた。「われわれはどんな威圧や侵略も恐れない」と表明した。
トランプ氏は18日、スターマー英首相との共同会見でバグラム空軍基地の返還を求めていると明らかにした。21日にはトゥルース・ソーシャルへの投稿で、要求に従わなければアフガニスタンにとって「悪いこと」が起こると脅した。
トランプ氏はこれまで、アフガニスタンからの混乱した米軍撤退を引き合いにたびたびバイデン前大統領を批判してきた。米軍の武器やバグラム空軍基地を含む軍事資産が、タリバンの手に渡ったと述べていた。
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バグラム空軍基地はかつてアフガニスタンで最大の米軍基地だった。米軍が交渉による合意に基づいて撤退すると、タリバンが再び政権を掌握し、同空軍基地はそれ以降、タリバンの支配下にある。
現在では米軍が残した車両や武器など装備品を展示するために、同空軍基地は利用されている。タリバン勝利の象徴として、要人の訪問や軍事パレードのたびに公開されている。
原題:Taliban Rejects Trump’s Demand to Return Bagram Air Base to US(抜粋)
