▽自民党総裁選 5候補、物価高受け速やかな経済対策を表明 首相「政策引き継ぐ人」に期待<産経ニュース>2025/9/23 20:40

自民党は23日、党総裁選(10月4日投開票)の5候補による共同記者会見を党本部で開いた。いずれも物価高に対応するため、首相に就任した場合は経済対策を速やかに策定すると表明した。派閥の政治資金パーティー収支報告書不記載事件の関係議員の要職起用も否定しなかった。選択的夫婦別姓の導入に関しては5候補とも慎重な姿勢を示した。
物価高対策を巡り、小林鷹之元経済安全保障担当相は「首相就任後、速やかに指示を出す」と言明。茂木敏充前幹事長は「早期に総合経済対策を立てて、補正予算を成立させたい」と述べた。林芳正官房長官は参院選公約に掲げた一律現金給付を土台として「与野党で成案を得る努力をしたい」と話した。また、財政政策に関連し、高市早苗前経済安保担当相は積極的な成長戦略のためには赤字国債の増発もやむを得ないと言及した。
不記載議員の要職起用では、茂木氏は「一度失敗したから駄目という形ではない」と説明。小泉進次郎農林水産相は「地方組織や地元の有権者から信任を得ていることが大前提だ」とした。
また、この日は党青年局・女性局主催の公開討論会も開かれた。治安の悪化を含む外国人問題について5候補はいずれも違法やルールを守らない外国人には厳しい措置で臨む姿勢を打ち出した。小泉氏は「政府の司令塔機能を強化し、年内にアクションプランを作りたい」と述べた。林氏も「違法や不公平なものはなくす」と説明した。
憲法改正に関して高市氏は「憲法9条改正を最優先する」と強調。小林氏も「どんなことがあっても国民の命を守り抜く最高法規を作らなければいけない」と語った。
一方、石破茂首相(党総裁)は党総裁選に関し「1年間政権でともに汗をかき、基本的な政策を引き継いでくれる方が結果として選ばれればいい」と公邸で記者団に述べた。具体名は挙げなかったが、閣僚の林氏と小泉氏が念頭にあるとみられる。
▽5候補全員が自公以外との連立拡大目指すと表明 自民総裁選記者会見<毎日新聞>2025/9/23 11:11

自民党総裁選(10月4日投開票)に立候補した5氏は23日午前、党本部で共同記者会見に臨んだ。少数与党の現状を打開するための方策として、5氏はいずれも自民、公明両党以外にも連立の拡大を目指すべきだとの考えを示した。高市早苗前経済安全保障担当相は総裁に選出されれば、「首相指名選挙までにできるよう精いっぱい努力したい」と言明した。
一方、小泉進次郎農相は「物価高対策などで政党間協議を呼びかけ、丁寧なやりとりの中で信頼関係を構築する。政策、基本理念の一致が見える中でその先が出てくる」と指摘。「連立の枠組みを決めるのは期限を区切るものではない」とした。Advertisement
小林鷹之元経済安保担当相は「憲法、皇統、安全保障など基本的な考え方ができるだけ共有できる政党と最終的に合意するということだ」とし、「スケジュールありきでも、特定の政党ありきでもない。ただ、最大限急ぐ」と語った。
茂木敏充前幹事長は「目指すのは安定政権の確立だと思っている。高度な交渉力で基本政策、外交安保、憲法などが一致する政党と連立枠組みの拡大を目指していきたい。スケジュールは相手があるので今の段階で申し上げられない」と述べた。
林芳正官房長官は「正に安定した政権を築くという意味で、連立拡大は目指すべき方向だと思っている」とした。【森口沙織】
▽首相指名、野党結集困難に 維・国、独自路線へ傾斜<時事ドットコム>9/24(水) 7:03
自民党総裁選(10月4日投開票)を受けた国会の首相指名選挙に向け、立憲民主党の野田佳彦代表が呼び掛ける野党統一行動が難しい情勢となってきた。
連立政権入りも取り沙汰される日本維新の会、国民民主党は独自路線に傾斜。3野党の足並みがそろわなければ、比較第1党である自民の新総裁が首相に選出される公算が大きい。
「首相指名で勝てれば政権交代が実現できる。チャンスをうかがうのは当然だ」。野田氏は19日に国会内で記者団にこう強調。野党連携に改めて意欲を示した。
衆院選後の昨年11月に行われた首相指名選挙に際し、野田氏は各野党に対して上位2人の決選投票では自身に投票するよう要請。共産党は応じたが、維・国議員はそれぞれの党首の名前を書き、無効とされた。結果的に石破茂首相が再指名された。
この反省から立民は今回、野田氏への投票に必ずしもこだわらず、まずは野党間の共同歩調を確認したい考え。野田氏は「『誰』を決めるより、野党でまとまると合意できるかだ」と語る。
だが、同調の動きは広がらない。維新幹部は今回も決選投票にもつれ込むとみて、「1回目も2回目も藤田文武共同代表の名前を書く」と言明。国民の玉木雄一郎代表は、首相指名を巡る協力には「基本政策の一致が不可欠」との立場を示し、原発や安全保障政策で隔たりのある立民との共闘に否定的だ。
自民総裁選は維・国を念頭に置いた連立拡大が主要テーマ。新体制が決まれば、直ちに協力呼び掛けに移る構えだ。
維・国とすれば、「政策実現」で存在感を発揮する勝負時を迎えたと言える。参院選比例代表の得票で野党3番手に沈んだ立民が主導する連携には、「メリットが皆無」(維新幹部)と突き放す向きが多い。
立民内からは「首相指名は『玉木雄一郎』でいい。配慮する姿勢を見せるべきだ」(中堅)との声も漏れる。ただ、そうなれば「結党時からのリベラル系支持層が離れる」(党重鎮)との懸念も根強く、実現性は低い。維・国との人脈は細る一方で、水面下の接触もほぼないもようだ。
野田氏は23日、代表に就いてから1年を迎えた。就任時、「本気で政権を取りにいく」と宣言したが、その糸口はなお見えない。「政権を取る構えだけは見せないと」。ある立民関係者は苦しい胸の内をこう語った。
▽国民・玉木氏、自公維連立をけん制<YAHOOニュース>9/23(火) 22:07


国民民主党の玉木雄一郎代表は23日のBS日テレ番組で、日本維新の会の自公連立政権への参加が取り沙汰されていることに関し、「国民の思いやニーズに合致しているか厳格に問われる」とけん制した。
「選挙で負けたり(議席を)伸ばせなかったりした者同士が組むことは、民意を反映した権力構造になっているのか」とも述べた。
▽「裏金議員」の要職起用、総裁選5候補とも否定せず 表現に濃淡も<毎日新聞>2025/9/23 18:20

自民党が23日に開いた党総裁選候補による共同記者会見では、5候補とも派閥裏金事件に関与した議員の要職起用を否定せず、党内融和を優先する考えを強調した。だが、起用に向けた表現ぶりには濃淡がある。各候補とも幅広い議員票の獲得を狙う一方、陣営に「裏金議員」を抱えるかどうかで差が出たようだ。
起用に最も前向きな姿勢を示したのは、高市早苗前経済安全保障担当相だった。昨年4月に党が離党勧告を含む処分を決定し、昨秋の衆院選ではさらに非公認などとしたことを念頭に「たくさんの処分も行われ、選挙の審判を受けている。全員活躍、力を総結集し、適材適所で力を発揮してもらいたい」と語った。
高市氏は安倍晋三元首相の全面的な後ろ盾を受け、2021年総裁選に初出馬した。3度目の挑戦となる今回も、陣営には裏金事件で最大の震源地となった旧安倍派の議員を多く抱える。
茂木敏充前幹事長も「一度失敗したから、もう二度と駄目ということではない」と強調。「活躍によって国民の負託に応えていくことが重要だ」と積極起用の姿勢を打ち出した。
一方、起用に含みを残しながら、慎重さもにじませたのは小泉進次郎農相だった。人事は「徹底した実力主義」とした上で、起用の判断基準として説明責任を十分に果たしたかなど3条件を挙げた。「自民党の対応に納得できないと考えている国民がいることも重く受け止めながら、適切に判断していく」とも語った。
小泉氏の陣営は、菅義偉元首相に近い議員や旧岸田派、麻生派の議員が中核で、現状では旧安倍派は数人にとどまる。最大のライバルと目される高市氏が、旧安倍派に配慮せざるを得ないことを踏まえ、差別化を図った可能性がある。
林芳正官房長官と小林鷹之元経済安全保障担当相も、党の処分や選挙を経たことを強調し「人事は適材適所」と起用の可能性をにじませた。
ただ、自民が国民からの信頼を失い衆参の国政選挙で連敗した主な理由が裏金事件だったが、党再生にどのように取り組むかとの問いに対し、事件の実態解明や繰り返される「政治とカネ」の問題の根絶を挙げる候補はいなかった。
一方、昨秋の総裁選で争点となった選択的夫婦別姓制度の導入は、5氏とも慎重姿勢で足並みをそろえた。
前回総裁選で制度導入を改革メニューの柱に据えた小泉氏は「思いは変わらない」としつつ、党内や野党間でも議論がまとまっていないとして「国民的理解、与野党のコンセンサスを得る努力が必要ではないか」と、さらなる議論が必要との考えを示した。
林氏も前回は「個人的にはあってもいい」と賛意をにじませていたが、慎重姿勢を明確にした。理由について、制度導入に賛成・反対に加え、旧姓の通称使用拡大を入れた三つの選択肢で世論調査を実施した場合は「通称使用拡大が最も多い」と説明した。他の3候補は前回から慎重か反対の立場で、小林氏は「保守という考え方は秩序の中に進歩を求める。社会の基盤に関わる話だから、世論の合意形成が極めて大事だ」と改めて指摘した。【内田帆ノ佳】
