▽ウクライナ「賠償ローン」最大1300億ユーロ EU当局者、ロ凍結資産活用<ロイター日本語版>2025年9月25日午前 4:21 GMT+9

ウクライナ「賠償ローン」最大1300億ユーロ EU当局者、ロ凍結資産活用

[ブリュッセル 24日 ロイター] – 欧州連合(EU)が検討しているロシア凍結資産を裏付けとしたウクライナへの「賠償ローン」が、最大1300億ユーロの規模となる見込みだと、EU当局者3人が明らかにした。

「賠償ローン」の構想は、フォンデアライエン欧州委員長が今月10日に提案。凍結されているロシア資産の現金残高を使って、ロシアとの戦闘を続けるウクライナの資金調達を支援する狙いがある。主要7カ国(G7)各国がこの枠組みに入るとの見通しを示している。

欧州における約2100億ユーロ相当のロシア資産の大半は、ベルギーの証券預託機関ユーロクリアが保管している。当局者によると、ユーロクリア内の資産のうち1750億ユーロがすでに満期を迎えて現金化されており、「賠償ローン」の基盤になるという。ただEUは昨年合意された450億ユーロ(500億ドル)のG7による融資に関する返済を優先したい意向といい、「賠償ローン」に充てられる現金残高は約1300億ユーロとなる見込み。

ウクライナが戦争で生じた損害に対する賠償をロシアから受け取った場合に限り、この融資を返済する。最終的な規模は、国際通貨基金(IMF)によるウクライナの2026―27年の資金需要評価後に確定する見通し。

多くのEU加盟国や欧州中央銀行(ECB)がレッドライン(越えられない一線)とみなす凍結資産自体の没収までは踏み込まない方向で検討されている。

▽ロシアによる侵攻「危険な軍拡競争誘発」、ゼレンスキー氏が国連演説で警鐘<ロイター日本語版>2025年9月25日午前 4:17 GMT+9

ロシアによる侵攻「危険な軍拡競争誘発」、ゼレンスキー氏が国連演説で警鐘

[国連 24日 ロイター] – ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、国連総会の一般討論演説で、ロシアによるウクライナ侵攻で危険な軍拡競争が誘発されていると警告し、各国に対し戦争を止めるための支援を呼びかけた。

ゼレンスキー氏は、ドローン(小型無人機)の軍事利用が急速に進む中、人工知能(AI)の登場によって軍拡競争が人類史上「最も破壊的」なものになったと言及し、兵器へのAIの利用を制限するための国際ルールを策定する必要があると指摘。ロシアのプーチン大統領はウクライナを越えて戦闘を拡大させようとしていると非難した上で、「いまロシアを止める方が、誰が最初に核弾頭搭載可能なドローンを開発するか頭を悩ませるよりも、はるかにコストは低い」と語った。

ゼレンスキー氏は北大西洋条約機構(NATO)に加盟するポーランドエストニアへのロシアによる領空侵犯に言及し、プーチン大統領はウクライナでの戦争で新たな限界を試していると指摘。「ロシアのドローンはすでに欧州全域に飛来し、ロシアの作戦は各国に広がっている」とし、「プーチン大統領はこの戦争を拡大することによって継続させたいと考えている。誰も安全を実感することはできない」と述べた。

ゼレンスキー氏は23日に国連総会に出席したトランプ米大統領とニューヨークで会談トランプ氏は同日、ロシアの侵攻以降に奪われた領土をウクライナは全て取り戻せると確信していると述べ、それまでの立場を転換した。

▽スペイン国防相搭乗機、GPS妨害受ける ロシア飛び地付近で<ロイター日本語版>2025年9月24日午後 8:17 GMT+9

スペイン国防相搭乗機、GPS妨害受ける ロシア飛び地付近で

[マドリード 24日 ロイター] – スペイン国防省によると、ロブレス国防相が搭乗したスペイン軍用機が24日午前、リトアニアに向かう途中、ロシアの飛び地カリーニングラード付近を飛行中にGPS(全地球測位システム)の「妨害」を受けた。詳細は明らかにしていない。

同機にはロブレス氏のほか、ポーランドが領空侵犯したドローンを撃墜したのを受け、今月発足したNATO(北大西洋条約機構)の東部国境防衛任務に参加しているスペイン空軍兵士の親族も搭乗していた。

スペイン国防省が24日発表した声明によると、リトアニア語でオオカミを意味する「ビルカス」任務として知られるスペインの部隊は先週、バルト海上空を飛行するロシア軍機8機に対処した。

スペイン政府によると、ロブレス氏は24日午前、リトアニアのシャカリエネ国防相と2国間会談を行うことになっていた。

8月31日には、欧州委員会のフォンデアライエン委員長が搭乗した航空機のGPSシステムが、ブルガリアに向かう途中に妨害されている。

▽ロシア、トランプ氏の「張り子の虎」発言に反論 経済安定と説明<ロイター日本語版>2025年9月24日午後 7:20 GMT+9

By Andrew Osborn

ロシア、トランプ氏の「張り子の虎」発言に反論 経済安定と説明

[モスクワ 24日 ロイター] – ロシアは24日、ウクライナ戦争を巡り、ロシアが経済的困難にあるなどとしたトランプ米大統領の発言に反発した。

トランプ氏は23日、ウクライナはロシアの侵攻で奪われた領土を全て取り戻せると確信していると述べた。戦争終結のために領土一部割譲に言及していた従来の姿勢を転換し、「プーチン大統領とロシアは深刻な経済的困難に直面しており、今こそウクライナが行動を起こす時だ」などとした。 もっと見る

ペスコフ大統領報道官は、RBCラジオに対し、トランプ氏の発言がウクライナ寄りに急変したことを認めた上で、それはニューヨークでウクライナのゼレンスキー大統領と会談したばかりだったためだと指摘した。

「もちろんトランプ大統領はゼレンスキー氏の説明を聞いた。現時点で、その説明がわれわれが聞いた評価の根拠となっている」と述べた。

トランプ氏がロシアを「張り子の虎」と表現したことについては、「ロシアは虎ではなく、熊に近い」と述べ、「張り子の熊など存在しない」とした。

ロシアが経済的苦境にあるとの指摘に対しては「ロシアは回復力を維持している。マクロ経済の安定を維持している」と反論。「確かに経済のさまざまな分野で一定の緊張と問題を抱えている。それは、世界的な経済混乱の中でわれわれが直面している数々の経済制限や制裁などと必然的に結びついている。制裁だけの問題ではない」と説明した。

ウクライナ戦争については、最近、ウクライナ軍の断固かつ機略に優れた防衛に対しロシア軍の突破口を開けていないといった指摘が西側の専門家から出ている。

ペスコフ氏は、ロシア軍は戦果を挙げていると主張。「大統領も繰り返し述べているように、損失を最小限に抑え、攻撃力を損なわないように、非常に慎重に前進している。非常に意図的な行動だ」と説明した。「繰り返すが、この状況は、今交渉に応じない側の立場があす、あさってにさらに悪化することを示す」と指摘した。

▽ロシア財務省、付加価値税引き上げを提案 ウクライナ戦費確保<ロイター日本語版>2025年9月24日午後 5:53 GMT+9

ロシア財務省、付加価値税引き上げを提案 ウクライナ戦費確保

[モスクワ 24日 ロイター] – ロシア財務省は24日、ウクライナ戦争4年目となる2026年の軍事費を賄うため、付加価値税(VAT)の税率を20%から22%に引き上げる案を示した。

プーチン大統領は先週、米国がベトナム戦争や朝鮮戦争の際に富裕層に対する増税を行ったことに触れ、戦時財政をやりくりするため一定の増税を容認する姿勢を示した。

財務省は、増税は「主に国防と安全保障のための資金調達が目的」と説明し、ギャンブル事業者などへの増税も提案するとした。

「戦略的優先順位は、国の防衛と安全保障のニーズに対する財政支援と、特別軍事作戦参加者の家族に対する社会支援である」と表明。

「予算で計画された財源によって、軍への必要な武器・装備品の配備、軍人への給与支払い、軍人家族への支援、防衛企業の近代化が可能になる」と述べた。

26年予算案は「均衡し持続可能」と説明した。