所得に応じて給付や所得税の控除を行う「給付付き税額控除」をめぐり、自民・公明両党と立憲民主党の幹事長らが協議し、制度設計上の課題などについて来週、政策責任者どうしで具体的な議論を行うことを確認しました。
25日午後、国会内で行われた協議には、自民党の森山幹事長、公明党の西田幹事長、立憲民主党の安住幹事長のほか、3党の政策責任者が出席しました。
この中では、子育て世代や低所得世帯も含めた公平な税制や給付を実施するため「給付付き税額控除」の制度設計上の課題などについて、来週30日に3党の政策責任者どうしで具体的な議論を行うことを確認しました。
また、立憲民主党は協議の内容などを自民党の次の総裁に引き継ぐよう求めました。
このほか、ガソリン税の暫定税率の廃止については、与野党の実務者協議で結論を得られるよう検討を進めていく方針で一致しました。
一方、25日は3党の政治改革の責任者による協議も行われ、企業・団体献金の取り扱いについて、与野党の協議会で、政治資金をチェックする第三者機関の設置の議論と並行して検討を行い、再来年1月1日を見据えて結論を得ることで合意しました。
自民 森山幹事長「新総裁にも議論引き継いでもらえるのでは」

自民党の森山幹事長は記者団に対し「自民党の事情で総裁選挙が行われているが、日本の政治全体にできるだけ支障がないように必要なことをしている。新しい総裁にも議論を引き継いでいただけるのではないか」と述べました。
立民 安住幹事長「何とか制度設計を実現したい」

立憲民主党の安住幹事長は記者団に対し、「自民党の総裁選挙がある中、石破政権下でこういうことをやるのはどうかという意見もあったが、生活に苦しい人の『痛税感』を解消するため、何とか『給付付き税額控除』の制度設計を実現したい」と述べました。
「給付付き税額控除」とは
「給付付き税額控除」は、所得税から一定の額を控除するとともに、所得が低く控除しきれない人に、その分を現金などで給付する制度です。
たとえば、所得税から10万円を控除する場合、20万円を納税している人は、税負担が10万円となりますが、納税額が8万円の人の場合は、控除額より少ないため、控除しきれない2万円分を給付で補うというものです。
一方、立憲民主党内では、物価高対策などの目的で先に現金を一律に給付し、あとから所得に応じて課税するという案も検討されています。
具体的な制度設計はこれから議論される見通しですが、仕組みによっては、所得や資産を正確に把握する必要もあり、実施には時間がかかるという見方があります。
また、必要な財源をどのように確保するかも課題となります。
