Brody Ford

  • データセンター容量供給契約、当初65億ドルだったのが224億ドルに
  • 「ネオクラウド」の台頭と巨額マネーの投下、先端性競争を浮き彫り
CoreWeave signage during the company's IPO at the Nasdaq MarketSite in New York on March 28.
CoreWeave signage during the company’s IPO at the Nasdaq MarketSite in New York on March 28. Photographer: Michael Nagle/Bloomberg

人工知能(AI)向けクラウドサービスを手がける米コアウィーブは、OpenAIにデータセンター容量を供給する契約を224億ドル(約3兆3500億円)に拡大した。これまでの規模を65億ドル上回る。AI計算能力の需要が膨大になっている状況が、改めて鮮明になった。

  コアウィーブが25日に発表した資料によると、契約はOpenAIによる「最新鋭次世代モデル」の学習を支えるもの。コアウィーブは3月にOpenAIとの契約を最大119億ドルと発表していたが、5月にはさらに40億ドル相当の契約を追加していた。

  コアウィーブは「ネオクラウド(次世代型クラウド事業者)」と呼ばれる新興企業の一つで、最新のAIチップへのアクセスを貸し出している。競合するネビウスエヌスケールのうち、後者はこの日11億ドルの資金を調達したと発表。エヌスケールはこれに先立ち、英国でエヌビディア、OpenAIと提携している。ネオクラウドの台頭と、そこに集まる巨額のマネーは、AIインフラの需要が依然として強いことを裏付ける。ハイテク大手は先端AIシステムの構築と運用を競っている。

  25日の米株式市場でコアウィーブはこのニュースを受けて一時下げたが、午前11時頃には3%余り上昇。同社の株式時価総額は3月の新規株式公開(IPO)以来、3倍を超えて膨らんでいる。

  コアウィーブはOpenAIとの関係強化によって、これまでマイクロソフトを最大顧客としていたビジネスを分散させやすくなる。4-6月期のコアウィーブ売上高のうち、マイクロソフトとの事業は71%を占めていた。

  コアウィーブ幹部のピーター・ホーシェル氏は「OpenAIが展開するより大規模なインフラプラットフォームにおいて、当社は重要なパートナー企業になった」と発表文書で述べた。OpenAIは4.5ギガワットの計算能力をめぐって今年、オラクルと契約を締結。これは原子炉4基の発電出力に相当する。OpenAIはまた、マイクロソフトのクラウド事業「アジュール」の大口顧客でもある。

原題:CoreWeave Expands OpenAI Deals to as Much as $22.4 Billion (1)(抜粋)