▽連立入り絶対条件の副首都法案、維新「大阪都」に布石 国民民主は「特別市」制度化で対抗<産経ニュース>2025/10/1 06:00

日本維新の会が開いた副首都法案PT会議であいさつする吉村洋文代表=9月30日午前、大阪市中央区(山田耕一撮影)
日本維新の会が開いた副首都法案PT会議であいさつする吉村洋文代表=9月30日午前、大阪市中央区(山田耕一撮影)

日本維新の会が9月30日、「副首都構想」法案の骨子をまとめた。政令指定都市(政令市)と道府県の「二重行政」解消を要件に設定したのは、看板政策「大阪都構想」の住民投票実施につなげる狙いがある。維新が副首都構想を連立参加の絶対条件とする中、与野党との法案協議においては、過去2回否決された都構想の中核である政令市廃止と特別区設置の必要性を含め、丁寧な議論が求められる。

「副首都は日本の将来に絶対必要。こうした統治機構改革をできるのは日本維新の会しかない。われわれがリードしていく」

大阪市内でこの日開かれたプロジェクトチーム(PT)の会議冒頭、吉村洋文代表(大阪府知事)はこう強調した。

要件に二重行政解消

東京一極集中の是正を「一丁目一番地」とする維新は法案骨子で、副首都の指定要件の一つに二重行政の解消を盛り込んだ。令和5年に国会に提出し、廃案となった「副首都機能整備法案」にはなかった項目だ。

指定対象は、大都市地域特別区設置法(大都市法)に基づき、政令市を廃止して特別区を設置した道府県だ。維新は大阪市を廃止して特別区に再編する都構想の3度目の挑戦に向けて制度案の設計を進めており、副首都構想は看板政策の延長線上に位置付けられる。

PTメンバーはこれまで党の国会議員団や大阪府議団、大阪市議団などに法案の狙いや趣旨を説明し、意見を聴取した。党幹部によると、議員側からは、大阪が副首都を目指すことを法案の議論で打ち出し、実現後は道州制による地方分権を進めるべきだといった意見が出た。

特別区は議論の余地

ただ、副首都の要件として、特別区設置が必要なのかどうかは議論の余地がある。

関係者によると、9月22日に行われたPTメンバーと府議団の意見交換で、府議からは「副首都になるには、なぜ特別区を設置する必要があるのか。ここをかなりしっかり説明しないと、恣意(しい)的な議論になってしまう」との懸念が示された。

斎藤アレックス政調会長は30日のPT会議後、記者団に「現状、二重行政を廃止する枠組みは大都市法しかない」と説明し「他の大都市でも目指すことはできることを前提にしながら、法律の成立に向けて理解を求めていく」と述べた。

連立入りに慎重論

公約実現を重視する吉村氏は連立入りに関し、副首都構想を絶対条件として「選択肢から除外しない」との立場だが、党内には慎重論もある。

府内の地方議員は「維新は大阪では改革を進めて支持を確立したが、府外では道半ばだ。与党に批判的な保守層から支持を得ている府外の議員にとっては、連立入りすれば維新にとどまる意味を失い、全国政党化は遠ざかる」と危惧している。

元維新議員が主導

維新とは異なる形で首都機能代替や大都市制度を検討しているのが、国民民主党だ。党内に地方制度調査会を立ち上げ、二重行政解消の新たな選択肢として、政令市の権限を拡張し道府県から独立させる「特別自治市(特別市)」の制度化を目指す。元維新議員が主導しており、維新と自民、公明両党の接近に対抗する思惑も透ける。

特別市では、道府県が担っている事務や政令市の事務を統合する。道府県から独立する形の新たな自治体で、横浜市や神戸市など政令市が加盟する指定都市市長会が法整備を要請している。

国民民主の地方制度調査会の会長は元維新衆院議員の足立康史参院議員=比例代表。9月25日の準備会合で国会等移転法や大都市制度などを巡る議論の現状を確認。10月8日に初会合を開き、党内議論を本格化させる。

法制化「反対しない」

一方、9月26日には大阪市議会委員会で市幹部が特別市の法制化に「反対しない」と答弁した。横山英幸市長(維新副代表)もXで、大阪市と他市は《課題が違う》として《各都市が最適解を選べばいい》と投稿した。

足立氏は、大阪都構想が2回否決された経緯を念頭に「大阪市を残して別の道を探るべきだという市民の意思の表れ。特別市も制度化しなければ不公平だ。大都市制度と副首都構想は本来別物であり、落ち着いて議論したほうがいい」と語った。

自民総裁選でも論点に

副首都法案とその柱である首都機能の代替は、自民党総裁選(10月4日投開票)でも論点の一つになっており、新総裁選出後に議論が加速するかが焦点になりそうだ。

小泉進次郎農林水産相はこれまでに副首都構想への賛否を記者団に問われた際、吉村氏から「改革を進める希少な政治家」と評価されたことに言及。「反対する人を改革の人とは紹介しない。そこはお互いに分かっている」と述べた。高市早苗前経済安全保障担当相は「首都機能のバックアップ体制を構築する」と主張する。

副首都構想について、茂木敏充前幹事長は「基本的には一致できる」と語り、林芳正官房長官は「防災という観点からも非常に重要な提案だ」と述べた。小林鷹之元経済安保担当相は、東京一極集中の是正は必要との認識を示している。(山本考志、清宮真一)

▽《衝撃スクープ》小泉進次郎の地元・神奈川県で高市派自民党員が離党させられていた「826人が勝手に…」前衆院議員が実名告白<YAHOOニュース>9/30(火) 21:12

ステマメール問題に揺れる小泉陣営 ©︎時事通信社

〈【小泉陣営も事実認める】小泉進次郎陣営が「ニコニコ動画」で“ステマ指示” 「石破さんを説得できたのスゴい」など24のコメント例、高市氏への中傷も…〉 から続く

【画像】「826人が勝手に…」選管から出された選挙人数訂正発表

“ステマメール”問題に揺れる小泉進次郎陣営。そのお膝元の神奈川県の自民党員826人が、勝手に離党させられていたことが「 週刊文春 」の取材でわかった。

 9月27日、党本部総裁選挙管理委員会名義で「党員投票選挙人数の訂正について」という発表がなされた。神奈川県の選挙人数が57344人ではなく、58170人だったというもの。理由は「一部党員の継続に関し、齟齬があったため」とされているが、実は党員の意思を確認することなく離党させられていたのだ。

 神奈川県連関係者が明かす。

「神奈川9区の支部長を務めていた中山展宏前衆院議員が勧誘した多くの党員に、投票用紙が届いていなかったのです」

大量の高市派党員を“勝手に離党”

 一体、何が起きたのか。中山氏に聞いた。

「9月26日、投票用紙が届いていない党員から連絡がありました。驚いて県連に確認すると、私がこの1年の間にお願いして党員になってもらった約1000人のうち826人が、今年6月に勝手に離党させられていたことが発覚したのです」

 該当者には9月26日夕方、速達で投票用紙が郵送され、翌日には総裁選管理委員会が選挙人数の訂正を発表した。中山氏が続ける。

「私は昨年の総裁選では高市早苗議員を支持し、離党させられた党員の9割超が高市議員に投票した。今年は小林鷹之議員に入れる党員が多いようです」

 つまり、大量の高市派党員が勝手に離党させられていたのだ。では、いったい誰がこのようなことをしたのか――。

 配信中の「 週刊文春 電子版 」では、離党指示を出していた人物が何者なのか、大量離党についての神奈川県連の回答、石破茂首相退陣表明10日前に小泉氏が参加していた選対メンバーとの“極秘会食”、高市氏の立会演説会での“鹿蹴りスピーチ”を監修したスピーチライターなどについて報じている。