▽米のウクライナへのトマホーク供与の公算小=関係筋<ロイター日本語版>2025年10月3日午前 6:05 GMT+9

By Mike Stone

米のウクライナへのトマホーク供与の公算小=関係筋

[ワシントン 2日 ロイター] – トランプ米政権は長射程の巡航ミサイル「トマホーク」のウクライナへの供与を望んでいるものの、現在、在庫は米海軍などに充てられていることから実現する可能性は低いとみられる。米当局者および関係筋3人が明らかにした。

米当局者は、「トマホーク」は在庫不足にはないと強調した上で、ウクライナにはより射程が短い他の兵器を供給できるとの考えを示唆。米国は欧州同盟国による他の長距離兵器の購入およびウクライナへの供給許可を検討する可能性はあるが、トマホークを供与する公算は小さいと述べた。

バンス米副大統領は28日、長射程の巡航ミサイル「トマホーク」の入手を求めるウクライナの要請を検討していると明らかにしていた。

また、 ロシアのペスコフ大統領報道官は2日、米国がウクライナに「トマホーク」を供与し、ウクライナによるロシア領内への長距離攻撃を可能にすれば、ロシアと西側諸国間の危険な緊張の高まりは新たな局面を迎えると警告した。

▽プーチン氏「原発周辺への攻撃」を非難、ウクライナ原発への報復示唆<ロイター日本語版>2025年10月3日午前 3:24 GMT+9

[ソチ(ロシア) 2日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領は2日、 ロシアが占拠する ウクライナ南部のザポリージャ原子力発電所について、 ウクライナが同原発 付近を攻撃するのは危険な行為だとし、 ウクライナが管理する原発に対しロシアが報復する可能性を示唆した。

ザポリージャ原発では1週間以上にわたり外部電源の供給が停止。ウクライナとロシアは電力供給停止と周辺地域への攻撃について相互に非難し合っている。

プーチン大統領は、 ザポリージャ原 発周辺の状況はおおむね制御下にあると指摘。ロ シアが管理下に置いている原発に対する攻撃をロシアによるものとするのは 愚かしいと述べた。

ザポリージャ原発についてウクライナのシビハ外相はこの日、 ロシアが外部電源を意図的に遮断し、自国の送電網に接続する準備を進めていると指摘。 ウクライナのゼレンスキー大統領は前日、ロシアは 原子力事故のリスクをつくり出そうとしていると非難している。

▽西側との対立、冷戦でなく「激しい」戦い ロシア外務省報道官<ロイター日本語版>2025年10月3日午前 3:19 GMT+9

西側との対立、冷戦でなく「激しい」戦い ロシア外務省報道官

[モスクワ 2日 ロイター] – ウクライナ紛争の長期化や、ロシアによるとみられる領空侵犯が相次ぐ中、西側諸国とロシアの関係は、旧ソ連時代の1962年に起きたキューバ危機以来、最悪の状態にある。ロシア外務省のザハロワ報道官は2日、こうした状況を踏まえ、西側とは冷戦ではなく、「激しい」戦いにあるとの見解を示した。欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)が軍事支出を正当化するため、ロシアによる妨害工作疑惑に関して虚偽の主張をしているとして、非難した。

欧州で「鉄のカーテン」のような「ドローンの壁」が構築されようとしており、新たな冷戦ではないかとの記者からの質問に対し、ザハロワ氏は「冷戦との比較には同意しない」とした上で、「すでに別の形の戦いに陥っている。すでに火が燃えている」と応じた。

米ロ首脳会談が8月に米アラスカ州で実施されたものの、ロシア軍はウクライナへの侵攻を継続し、ロシアのドローン(無人機)がNATO加盟国の領空を侵犯したとされる事件が発生。トランプ米政権が直接的な関与に言及するなど、和平への気運は遠のいている。

NATO領空侵入や妨害工作を巡る欧州の非難に関してザハロワ氏は、根拠がなく、EUとNATOはロシアを「挑発」することで、軍事予算を正当化しようとしていると主張した。

ロシアとウクライナの戦闘による死者数は第2次世界大戦以降の欧州で最悪となっている。西欧諸国の首脳らは、ウクライナ侵攻を帝国主義的な領土侵略とみなす一方、ロシアのプーチン大統領は、ソ連崩壊後にNATOが拡大しているほか、ウクライナやジョージアなどへの西側の影響力が拡大していると非難している。

▽スウェーデン首相、ウクライナ大統領と戦闘機供与巡り協議<ロイター日本語版>2025年10月3日午前 3:17 GMT+9

スウェーデン首相、ウクライナ大統領と戦闘機供与巡り協議

[コペンハーゲン 2日 ロイター] – スウェーデンのクリステション首相は2日、コペンハーゲンで開催された欧州連合(EU)首脳会議でウクライナのゼレンスキー大統領と、スウェーデンの軍需品メーカー・サーブ(SAAB)(SAABb.ST), opens new tabの戦闘機「グリペン」について協議したと明らかにした。

クリステション首相はXへの投稿で「われわれは、防空を含むウクライナの今後の防衛力の発展を巡る継続的協力と、「グリペン」に対するウクライナの関心について話し合った」と述べた。

両首脳は2023年、ウクライナの防空強化に向けた「グリペン」供与に関する協議を開始。スウェーデンは戦闘機供与の可能性を排除していない。 もっと見る

▽米がウクライナにトマホーク供与なら「相応に対応」=ロシア大統領府<ロイター日本語版>2025年10月3日午前 2:06 GMT+9

米がウクライナにトマホーク供与なら「相応に対応」=ロシア大統領府

[モスクワ  2日 ロイター] – ロシアのペスコフ大統領報道官は2日、米国がウクライナに巡航ミサイル「トマホーク」を供与し、ウクライナによるロシア領内への長距離攻撃を可能にすれば、ロシアと西側諸国間の危険な緊張の高まりは新たな局面を迎えると警告した。

ペスコフ報道官は国営メディアの大統領府担当ジャーナリスト、パーベル・ザルビン氏に対し、ウクライナへのトマホーク供与が検討されているという報道を承知しているとし、実際に供与されれば「緊張状態が深刻化する局面に入り、ロシアは相応に対応しなければならない」と述べた。

同時に、ウクライナにとって「特効薬や魔法の兵器」は存在しないとも指摘。「いかなる兵器も事態の流れを根本的に変えることはできない」と語った。

また、米アラスカ州で行われた米ロ首脳会談から1カ月半が経過したものの、世界は平和に近づいていないと指摘。ロシアとの戦争を継続するために欧州がウクライナに交渉を放棄するよう促しているとも述べた。

米国の バンス副大統領は先週、ウクライナにトマホークの供与を検討していると表明。 トマホークの射程は2500キロメートルで、ウクライナから発射された場合、モスクワを含むロシアの欧州側の広い地域が射程に入る。

▽プーチン氏、ロは「張り子の虎」に反発 欧州が挑発なら迅速に対応<ロイター日本語版>2025年10月3日午前 5:08 GMT+9

プーチン大統領「NATO攻撃の意図ない」、欧州が挑発なら迅速に対応  

[ソチ(ロシア南部) 2日 ロイター] – ロシアのプーチン大統領は2日、ロシアを「張り子の虎」と呼んだトランプ米大統領の発言に反発し、欧州がロシアを挑発していると判断すれば、速やかに対応すると警告した。また、米国がウクライナに巡航ミサイル「トマホーク」を供与すれば危険なエスカレーションにつながるとの懸念を示した。

プーチン大統領は黒海沿岸のロシア南部ソチで開かれた「バルダイ討論クラブ」で、米国主導の北大西洋条約機構(NATO)同盟国のほぼ全てが現在、ウクライナを巡り「ロシアと戦っている」という認識を示した。

ロシア軍はウクライナの全戦線で前進していると指摘した上で、「この張り子の虎に対処してみればよい」とし、「ロシアが張り子の虎であるのなら、NATOは何なのか」と反発。軍事分野でなおロシアと競おうという者がいるなら、試してみればよい」とし、「ロシアは間を置かずに対抗措置を講じる」と警告した。

また、NATO諸国は、ロシアがNATO加盟国を攻撃する計画があるというヒステリーをあおっていると非難。「冷静になり、自分自身の問題の解決に当たってもらいたい。欧州の都市で何が起きているか、考えてみてほしい」と述べた。

ウクライナでの戦争が継続している責任は欧州にあるとも指摘。和平への取り組みを続けるBRICS諸国やアラブ諸国に謝意を示すと同時に、北朝鮮とベラルーシにも感謝の意を示した。

米国がウクライナにトマホークを供与する可能性については、「トマホークは米軍要員の直接的な関与なしに使用することはできない」とした上で、「ロシアと米国の関係を含め、全く新たな性質を持つエスカレーションを意味する」と警告。トマホークはロシアに損害をもたらすことはできるとしながらも、ロシアは撃墜し、自国の防空体制を強化するだけだと述べた。

米国はこれまでのところ、ウクライナへのトマホーク供与に関する決定は発表していない。

プーチン氏は、米国との関係を全面的に回復することを目指しているとも表明。ロシアと米国との間に大きな相違が存在するものの、こうした見解の相違は大国の間では自然なことだと述べた。8月にトランプ米大統領と米アラスカ州で行った会談で、ウクライナでの戦争の解決策に加え、米ロ関係の再建についても協議したとし、トランプ氏は「人の話をよく聞く人物」だと感じたと語った。

▽外部電源喪失のザポリージャ原発、発電機の修理完了 状況管理とロ担当者<ロイター日本語版>2025年10月2日午後 6:20 GMT+9

外部電源喪失のザポリージャ原発、発電機の修理完了 状況管理とロ担当者

[モスクワ 2日 ロイター] – 外部電源による電力供給が1週間余りにわたって停止しているウクライナ南部ザポリージャ原子力発電所のロシア側の管理者は2日、非常用ディーゼル発電機2台の修理が完了し、数時間以内に稼働再開するとの見通しを示した。

同原発は9月23日の戦闘で唯一生きていた送電線が損傷し外部電源が断たれた。

ロシア国営タス通信によると、ロシア側の管理者は、外部電源喪失は原発の安全性にとって脅威だが、状況は完全に管理下にあり、全ての安全機能が稼働していると述べた。