▽ロシア海軍艦艇、デンマーク海域で度重なる挑発 米「重大事案」と懸念表明<ロイター日本語版>2025年10月4日午前 5:59 GMT+9

[コペンハーゲン 3日 ロイター] – ロシア海軍艦艇がバルト海と北海を結ぶ海峡で衝突の恐れがある航路をたびたび航行しているほか、デンマーク海軍の艦艇に兵器を向けたり、航行システムを妨害したりする行為を繰り返していることがデンマーク防衛情報機関の報告で分かった。現時点で直接的な軍事脅威はないものの、不測の事態につながる恐れがあると警告している。
デンマーク防衛情報局長によると、同海峡でデンマーク空軍のヘリコプターや海軍艦艇がロシア軍艦の追尾レーダーで照準されたり、実際に武器を向けられたりする事案が複数報告されているほか、ロシア軍艦が海峡通過中にデンマーク艦艇と衝突するような航路を取ったケースもあった。
このほか、ロシア軍艦がデンマーク領海内に1週間以上にわたり停泊しているとも報告。ソナーや妨害装置を搭載したロシア艦艇が海峡を通過した事例も確認されており、少なくとも1回、デンマーク国内で広範なGPS障害が引き起こされた可能性が極めて高いとの見方を示した。
米ホワイトハウスのレビット報道官はこの日の記者会見で、ロシア海軍によるデンマークに対する挑発行為は重大な事案との認識を示し、「政権として極めて重く受け止めており、絶えず監視している」と言及。ホワイトハウスの国家安全保障会議(NSC)は北大西洋条約機構(NATO)加盟国と常に連携しており、トランプ大統領も多くの首脳と連絡を取り合っていると述べた。
▽ロシア、ウクライナのエネルギー施設に大規模攻撃 ポルタワ州などで停電<ロイター日本語版>2025年10月4日午前 4:06 GMT+9
[キーウ 3日 ロイター] – ウクライナの東部ハリキウ州と中部ポルタワ州にある主要なガス生産施設が3日、ロシアによる大規模な攻撃を受けた。ウクライナ当局者によると、暖房需要が高まる冬季を前に一部の施設が大きく損傷した。
ウクライナ国営ガス会社ナフトガスのコレツキー最高経営責任者(CEO)によると、ロシアは夜間にミサイル35発とドローン(無人機)60機を投入し、ハリキウ州とポルタワ州にあるナフトガスの施設を攻撃した。
コレツキー氏によると、ナフトガスの施設を標的とした攻撃としては全面侵攻開始以降で最大規模。ナフトガスの施設の相当部分が損傷し、一部の施設は致命的な被害を受けたという。こうした攻撃には「軍事的な目的や合理性は一切ない」と述べた。
ウクライナのゼレンスキー大統領は恒例の夜の演説で「暖房が必要な季節を目前に、ロシアはウクライナ国民に一段と大きな被害を及ぼす手段を探っている」と非難。ゼレンスキー氏によると、ロシアが発射したミサイルのうち撃墜できたのは半数程度だった。
今回の攻撃を受け、ウクライナの電力大手DTEKはポルタワ州にある複数のガス関連施設の操業停止を余儀なくされた。ポルタワ州知事によると、州内で8000件を超える停電が発生。東部ドネツク州の一部でも停電が発生している。
ロシア国防省は、夜間にウクライナのエネルギーインフラに対する大規模な攻撃を実施したほか、軍需産業関連施設も攻撃したと表明した。
ウクライナ空軍によると、24州のうち6州が標的となり、ドローン381機とミサイル35発が投入された。
全面侵攻開始後の4回目の冬を目前にロシアはウクライナのエネルギーインフラへの攻撃を強めており、すでに複数の地域で長期の停電が発生。こうした中、ウクライナ軍はロシアの製油所などに対する攻撃を実施しており、ウクライナ軍ドローン部隊の司令官によると、9月だけでロシア本土とロシアが占領するウクライナ各地の石油施設19カ所を攻撃。3日にはカザフスタンとの国境に近いロシアのオルスク市にある製油所をドローンで攻撃した。
▽台湾、ロシアエネルギー制裁強化に協力表明 NGOの批判受け<ロイター日本語版>2025年10月3日午後 12:46 GMT+9

[台北 2日 ロイター] – 台湾政府は2日、「国際社会のパートナー国」がロシア産エネルギーの輸入に追加制限措置を講じた場合、協力する立場を表明した。複数の非政府組織(NGO)がロシアとの貿易継続を批判したことを受けたもの。
台湾は、2022年のロシアによるウクライナ侵攻後、米国など西側主要国と共に広範な制裁を発動したが、ロシアの主要な外貨獲得源であるエネルギーの輸入については明確には禁止しなかった。
台湾外交部(外務省)は1日、ロシア産ナフサの輸入継続を巡るNGOの批判に対し、政府は米国、欧州連合(EU)、その他の民主主義国と緊密に連携していくと説明。「国際社会のパートナー国がロシアのエネルギー製品その他の品目に追加制限を課せば、積極的に協力して侵略への断固たる反対を示し、国際秩序を擁護する」と言明した。
エネルギー政策を所管する台湾経済部(経済省)は別の声明で、「台湾企業にはEU規制に準拠した石油製品の調達を促している」と述べた。
▽「ウクライナ敗北は中国の攻撃姿勢強める」 台湾軍幹部がポーランドで演説<ロイター日本語版>2025年10月3日午前 10:10 GMT+920時間前更新

[台北 2日 ロイター] – 台湾国防部参謀本部で情報参謀次長を務める謝日升氏は9月30日にポーランド首都ワルシャワで開催された安全保障フォーラムに出席し、ロシアとウクライナの戦争について「ウクライナの敗北は中国に台湾への攻撃的姿勢を強められるというシグナルになる」と指摘し、台湾としてはウクライナの勝利を願っているとする演説を行った。ウクライナからは、台湾の即応態勢を高められる多くの教訓も得られたとしている。
ロシアによるウクライナ侵攻後、中東欧地域では差し迫る脅威を抱えるという面で立場が似ている台湾への同情論が広がりつつあるが、ほぼ全ての欧州諸国は台湾と外交関係を築いていない。こうした中で台湾の軍人が欧州を公式に訪れるのは極めて異例だ。
謝氏は「中国が台湾へ侵攻し、ロシアがウクライナで攻勢を拡大すれば、世界は2つの地政学的危機に直面しかねない」と警告。欧州が台湾を支援してくれれば、インド太平洋で戦争が起きる可能性を防ぐことができると訴えた。
また、台湾と欧州は相互に学ぶことが可能だと強調した上で「われわれは何年もの間、中国によるグレーゾーン活動(武力攻撃に至らない圧迫・挑発など)に対処している。われわれには偽情報対策で欧州側と共有可能で、双方にメリットをもたらし得る多大な(経験量)がある」と説明した。
一方中国外務省は、台湾が「注目を集めるために話題性のある問題を利用しようとしている」と反発。ロイターに「台湾問題は純粋に中国の国内問題であり、本質的にウクライナ危機とは異なる」と主張した。
