▽自民総裁選 1回目の投票結果は午後2時10分、決選になれば午後3時20分に新総裁誕生<産経ニュース>2025/10/4 07:00

石破茂首相(自民党総裁)の退陣表明を受け、「ポスト石破」を決める自民総裁選は4日、投開票が行われる。党所属の国会議員(衆参両院議長を除いた295票)と同数が割り振られた党員・党友が投票する計590票での「フルスペック」方式で争われる。1回目の投票で過半数を得た候補者がいない場合には上位2人による決選投票が行われる。その場合は午後3時20分ごろに決着する見通しだ。一体、誰が新総裁に選出されるのか。
総裁選は9月22日に告示され、届け出順に小林鷹之元経済安全保障担当相、茂木敏充前幹事長、林芳正官房長官、高市早苗前経済安保担当相、小泉進次郎農林水産相の5人で争ってきた。
4日は、昼ごろに各陣営で「決起大会」などが行われた後、国会議員らは東京・永田町の自民党本部に移動し、8階のホールで午後1時から始まる総裁選に臨む。議員は、衆院のあいうえお順、参院のあいうえお順で氏名を呼ばれ、壇上に進んで投票していく。午後1時半ごろまでに投票は終わり、開票作業へと移る。
午後2時10分ごろには国会議員票と党員票を合わせた1回目の投票結果が発表される。そこで過半数を得た候補者がいなければ上位2人での決選投票となる。
この決選投票の前に、上位2人がそれぞれ5分間ずつ最後の支持を訴える。この順番は1回目の投票結果が2位の候補が先となる。
決選投票では党員票数を47票に「圧縮」
その後、再び国会議員が上位2人のうちいずれかを選ぶ投票を行う。決選投票の基準は1回目とは変わってくる。党員・党友票数は都道府県連に1票ずつの計47票に「圧縮」される。それだけ、国会議員票の重みが増すことになる。各都道府県連は、決選に進んだ2人のうち、1回目に獲得した票数が多かった方の候補者に票を入れるという形になる。今度は295票の議員票と合わせ、計342票で雌雄を決することになる。決選投票の結果は午後3時20分ごろに発表される。新総裁は午後6時に同ホールで記者会見を行う予定だ。
▽党勢回復狙うフルスペック総裁選 外国人問題、物価高… 論戦低迷、専門家「支持戻らず」<産経ニュース>2025/10/4 07:00

4日投開票の自民党総裁選は、国会議員に加えて全国の党員・党友も投票する正規の「フルスペック」方式で行われる。この方式を任期途中で退任する総裁の後任選びに適用した前例はなく、7月の参院選で外国人対策や物価高対策を強気に押し出した新興政党に奪われた支持を取り戻したい思惑がある。ただ、論戦は盛り上がりに欠け、党勢低迷を打破するのは容易ではなさそうだ。
《自民党が国民を大切にしないから》
藤井聡・京都大大学院教授の研究室が9月に調査したところ、参院選で自民支持をやめたという有権者の半数が、その理由をこう答えた。
調査は令和元年の参院選以降、国政選挙で「一度でも自民党に投票したことがある」とする2千人が対象。49・8%が国民民主党や参政党などに投票したと回答した。
7月の参院選で自民は支持を、労働者受け入れなどの外国人対策で参政に、手取り増や減税といった経済政策で国民民主にさらわれた。藤井氏の研究室は「高市早苗総裁なら回復、小泉進次郎総裁や林芳正総裁なら衰退加速」と分析しており、新総裁が保守的な姿勢を打ち出せるかどうかも支持回復を左右しそうだ。
「なし崩し的に事実上の移民受け入れを拡大してきた」。外国人問題に詳しい政策シンクタンク代表の原英史氏は、「移民受け入れ」を否定しながら、熟練度の高い労働者に〝永住〟を認める制度を維持してきた政権与党の姿勢を問題視する。
総裁選に立候補した5人は外国人受け入れ政策の厳格化を訴えたが、「政策論は乏しかった」。支持回復には「野党を上回る実効的な政策パッケージを打ち出し、外国人受け入れの上限数や選び方などの議論の充実が必要だ」と強調した。
経済分野でも疑問符が付く。経済ジャーナリストの荻原博子氏は「結論から言うと、取り戻せないだろう」とみる。「食品や電気代、各種保険などの値上がりで国民生活は苦しいのに経済政策の具体論が全く聞こえず、党内の駆け引きに終始している」と批判する。
総裁選は多数の国民に投票権がないため、空転する議論にむしろ「国民生活が置き去りにされていると感じる人も多いかもしれない」と語った。(市野澤光、外崎晃彦)
▽総裁選きょう投開票、上位争う3陣営の決選にらんだ戦略に注目…旧派閥や「3位以下」取り込み焦点<読売新聞オンライン>2025/10/04 06:44
阿部雄太
自民党総裁選(4日投開票)は決選投票の公算が大きくなり、上位を争う小泉進次郎農相(44)と高市早苗・前経済安全保障相(64)、林芳正官房長官(64)の3陣営の戦略に注目が集まっている。決選投票は国会議員票の比重が高まるため、派閥・旧派閥への働きかけや決選に残れない可能性が高い陣営の動向が焦点となる。(阿部雄太)
「やれることは全てやる思いで走り切った。結果は受け止める」
小泉氏は3日、首相官邸で石破首相に面会後、記者団にこう述べた。議員会館事務所も広く回っており、議員票対策に手を尽くしたとの思いをにじませた。
これに先立ち、小泉氏は衆院議員会館で麻生太郎最高顧問と約30分間面会し、支持を要請した。43人の麻生派を束ねる麻生氏は支持する候補を明言していない。同派の河野太郎・元デジタル相や鈴木法相、浅尾環境相らは小泉氏陣営に加わっているが、派内には麻生氏に従うとする議員も一定数いる。決選では派閥でまとまった行動を望む声もある。
決選投票では、第1回投票で国会議員票と同数の295票ある党員・党友票が47票に減り、国会議員票の動向が勝敗を左右する。
読売新聞社の調査では、議員票は小泉氏が70票超を固め、首位に立つ。小泉氏周辺は「一票でも多く集めるため、麻生氏にも支持を求めるのは当然だ」と語る。麻生氏は、茂木敏充・前幹事長(69)とも気脈を通じている。小泉氏が麻生氏と良好な関係を保っていれば、茂木氏が決選に進めない場合に茂木氏陣営を取り込みやすくなるとの思惑もある。
小泉氏は3日、岸田文雄・前首相と菅副総裁とも面会し、激励を受けた。旧岸田派議員は主に小泉氏と林氏の陣営に入っている。林氏が決選に残れなければ旧岸田派の大半は小泉氏に乗るとの見方があり、小泉氏の陣営幹部は「地滑り的な勝利を目指す」と力を込める。
麻生氏に期待するのは高市氏も同様だ。昨年9月の総裁選で麻生氏の支援を受けた高市氏は9月30日、麻生氏から「最後まで走り切れ」と激励された。
高市氏は、読売新聞社の調査では議員票が40票ほどにとどまる。陣営内には「決選勝負になると厳しい」との危機感が広がる。1回目投票の党員票で圧倒し、議員の投票行動に影響を与える展開に期待をかける。陣営ベテランは「党員の意向を議員がひっくり返せば、党員が離れる」とけん制する。だが、議員も多数の有権者の負託を受けており、他陣営から「乱暴な理屈だ」との反発も招いている。
林氏陣営は議員票の最後の積み上げで2位以内に滑り込みたい考えだ。調査での国会議員票は50票超と高市氏を上回っている。林氏陣営の閣僚経験者は「決選になれば安定感を求める層の受け皿になれる」と意気込む。

4日投開票の自民党総裁選は候補者5人のうち、4氏は米国の大学院に留学した経験があるなど「超高学歴」だ。
そんな中で、YouTubeチャンネルで生配信された討論番組で、英語での回答を求められた小泉進次郎農相がすべて日本語で答えたために、交流サイト(SNS)ではこんな指摘が相次いだ。
<学歴ロンダリング>
<インチキだ>
小泉氏を巡っては、学歴をやゆする声がたびたびつきまとう。なぜだろうか。
神戸学院大の鈴木洋仁准教授(歴史社会学)は、日本独特の学歴意識が背景にあると指摘する。【聞き手・稲垣衆史】
根強い批判のわけ
総裁選で候補者の小林鷹之氏、茂木敏充氏、林芳正氏はいずれも東大出身で、その後、米ハーバード大の行政大学院で学びました。
一方の小泉氏も関東学院大を卒業後、世界の大学ランキングでも上位の名門コロンビア大大学院の修士課程を修了しています。
確かに関東学院大はいわゆる大学入試偏差値で見れば、決して高い方ではありません。ただ、小泉氏は小学校からの内部進学のため、それだけで学力を評価するのは難しい面はあります。
しかし、インターネット上では出身大学よりも難度のかなり高い大学院に進学することで、高学歴を得ようとする「学歴ロンダリング(洗浄)」ではないか、という批判がことあるごとに起きてきました。
理由の一つは、小泉氏が「世襲」の4代目政治家である点が大きいでしょう。
かなり高い「げた」を…

