▽ガザの戦争まだ終わらず、人質解放巡る実務協議を注視=米国務長官<ロイター日本語版>2025年10月6日午前 7:22 GMT+9

ガザの戦争まだ終わらず、人質解放巡る実務協議を注視=米国務長官

[ワシントン/カイロ/エルサレム 5日 ロイター] – ルビオ米国務長官は5日、トランプ大統領が提示したパレスチナ自治区ガザの和平計画についてイスラエルとイスラム組織ハマスの双方が部分的に同意を示したものの、まだ戦争は終わっていないとの認識を示した。

ルビオ氏はNBCテレビの「ミート・ザ・プレス」で、ハマスがガザで拘束している人質に言及。人質解放に向けた実務的な協議の進み具合によって、ハマスが和平に真剣かどうかが間もなく分かるだろうと述べた。

ハマスはトランプ氏の20項目の計画のうち、戦争終結やイスラエル軍の撤退、人質とパレスチナ人捕虜交換など重要部分を受け入れるとしている。ただ一部の問題は、仲介国エジプト東部シャルムエルシェイクで6日に開くイスラエルとの間接交渉での議論に委ねているほか、武装解除に関しては回答を保留した。

こうした中で関係者の1人は、間接交渉はガザでの停戦が実行される前に包括的な合意を目指すことに注力すると説明した。

ルビオ氏はABCテレビの「ディス・ウィーク」で、人質解放のための合意とりまとめ期限は決まっていないと断りつつも「(協議は)数週間、あるいは何日もかかることがあってはならない。われわれは極めて迅速に(解放を)目にしたい」とくぎを刺した。

トランプ大統領の計画に対するイスラエルの楽観的な見方の表れとして、通貨シェケルは対ドルで3年ぶりの高値をつけ、テルアビブの株価は史上最高値を更新した。

一方ガザでは5日も依然としてイスラエル軍の攻撃が続いた。パレスチナ保健当局によると、空爆や戦車の砲撃により少なくとも19人が死亡したという。

ガザ中部で家を失ったあるパレスチナ人男性は、トランプ氏の和平計画が伝えられた時点では希望を持っていたが、ガザは何も変わっていないと強調。「私たちはどんな行動を取れば良いか分からない。どうすればいいのか。このまま街頭にとどまるべきか、それとも立ち去るべきなのか」と問いかけた。

<ハマス代表団はエジプトに到着>

ハマスのハリル・ハイヤ氏率いる代表団は5日遅くにエジプトに到着。一方、イスラエルのデルメル戦略問題担当相率いる代表団は6日にエジプトに向かう。

▽イスラエルがガザ攻撃、数十人死亡と地元保健当局 停戦協議控え<ロイター日本語版>2025年10月5日午前 10:42 GMT+9

イスラエルがガザ攻撃、数十人死亡と地元保健当局 停戦協議控え

[カイロ/ガザ 4日 ロイター] – イスラム組織ハマスが人質を解放する用意があると宣言したことを受け、トランプ米大統領がイスラエルに爆撃を中止するよう要求したにもかかわらず、イスラエルは4日にパレスチナ自治区ガザを攻撃し、数十人が死亡した。地元の保健当局が発表した。

エジプトで停戦協議が開始される予定となる中、トランプ氏は4日、自身の交流サイト(SNS)で、イスラエルがガザ内の「当初撤収ライン」に同意し、「ハマスが確認すれば停戦は即座に発効する」と述べた。

医療関係者によると、トランプ氏が3日遅くにイスラエルに攻撃停止を迫って以来、ガザでの爆撃や空爆で少なくとも子どもを含む36人が死亡した。

ホワイトハウス関係者によると、トランプ氏はウィットコフ中東担当特使らをエジプトに派遣する。

エジプト外務省は、6日にイスラエルとハマスの代表団を受け入れると明らかにした。

イスラエルのネタニヤフ首相は、6日から13日まで続くユダヤ教の祝日「スコット」の間に人質の帰還を発表したいと述べた。

▽イスラエル、ガザ和平案第一段階の「即時実行」準備  ハマスの一部合意受け<ロイター日本語版>2025年10月4日午前 10:25 GMT+9

イスラエル、ガザ和平案第一段階の「即時実行」準備  ハマスの一部合意受け

[カイロ  4日 ロイター] – イスラエル首相府は4日、トランプ米大統領が提示したパレスチナ自治区ガザ和平案の第一段階として、人質全員の解放の「即時実行」に向けた準備を始めたと表明した。イスラム組織ハマスが和平案に回答したことを受けた対応。

ハマスは3日、和平案に対する回答を提示し、人質全員の解放やガザ統治権の移譲など、計画の一部に合意していた。

ハマス、ガザ和平案の回答を仲介者に提示=報道

▽ハマス、ガザ和平案に回答 人質解放に同意 詳細巡り交渉開始の用意とも<ロイター日本語版>2025年10月4日午前 6:24 GMT+9

[カイロ 3日 ロイター] – イスラム組織ハマスは3日、トランプ米大統領が提示した20項目のパレスチナ自治区ガザ和平案に対する回答を提示した。ロイターが確認した声明によると、ハマスは人質全員の解放やガザ統治権の移譲など、計画の一部に合意した。

一方、イスラエルと米国が要求してきた武装解除に応じるかどうかは明言しておらず、その他の多くの条件についても交渉を求めると表明した。

ハマスは声明で「ガザにおける戦争の終結、捕虜の交換、援助の即時搬入を求めるアラブ諸国、イスラム諸国、国際社会の取り組み、さらにトランプ米大統領の努力を評価する」とした。

さらに、トランプ大統領の提案に含まれる条件やその他の必要条件に基づき、「生存者と遺体を含む、全ての人質の解放を承認する」と表明。「アラブとイスラムの支援を受けたパレスチナの独立派(テクノクラート)組織にガザの統治を引き渡す」用意があるとした。

同時に「ハマスは仲介者を通じて詳細を協議するための交渉に直ちに参加する用意があることを確認する」とし、他の項目については協議をする考えを鮮明にした。

ハマスの声明を受け、トランプ大統領は「ハマスには和平に向けた準備ができていると確信している」と自身の交流サイト(SNS)「トゥルース・ソーシャル」に投稿した。さらに、人質解放に向け、イスラエルはガザへの空爆を直ちに停止する必要があると述べた。

トランプ氏は同日、ハマスに対し、米東部時間5日午後6時(日本時間6日午前7時)までに合意するよう圧力をかけたが、ハマスが求めているように、和平案の条件を交渉するかどうかについては言及していない。

ハマス幹部はアルジャジーラに対し、イスラエルの「占領」が終わるまで、武装解除はしないと語った。

ガザの将来に関する問題については、ハマスも参加する包括的なパレスチナ国家の枠組みの中で議論されるべきとし、ハマス及びハマスが保有する武器に関するあらゆる問題について交渉に入ると言明した。