▽米上院、つなぎ予算案5回目の否決 政府閉鎖7日目突入の公算<ロイター日本語版>2025年10月7日午前 9:28 GMT+9

[ワシントン 6日 ロイター] – 米上院は6日、政府機関の閉鎖終了に向けた与野党のつなぎ予算案を否決した。否決は5回目。11月21日までの資金を手当てする共和党案と、医療費削減の撤回を盛り込んだ民主党案のいずれも十分な支持が得られなかった。政府閉鎖は7日目に突入する見通しだ。
トランプ大統領はホワイトハウスで記者団に対し、医療費を巡り民主党との協力に前向きだと述べた。
ただ、トランプ氏が民主党と交渉中だとした一方、同党上院トップのシューマー院内総務は交渉は行われていないと述べるなど、双方の主張には食い違いが見られる。
下院は休会中で、共和党のジョンソン下院議長は政府資金が手当てされるまで再開する予定はないと述べた。
▽トランプ大統領、医療保険巡り民主党と交渉へ-政府閉鎖打開に向け<bloomberg日本語版>2025年10月6日 22:42 JST
Catherine Lucey、Erik Wasson
- 医療保険に関して非常に良いことが起こる可能性がある-トランプ氏
- ハセットNEC委員長、法案否決ならトランプ政権は「厳しい措置」
トランプ米大統領は、医療保険制度改革法(オバマケア)に基づく補助金を巡って民主党と交渉する意向を示した。2週目に突入した政府閉鎖を打開するきっかけとなる可能性がある。
トランプ氏は6日、ホワイトハウスで記者団に対し、具体的な議員名は挙げなかったものの、「民主党と話をしている。医療保険に関して非常に良いことが起こる可能性がある」と指摘。「私は共和党員だが、民主党よりもはるかに医療保険を重視している」と語った。
ホワイトハウスおよび共和党指導部は、医療保険料に対する税額控除を巡る交渉に入る前に、民主党は政府機関の再開に賛成票を投じる必要があると主張してきたが、今回の大統領の発言は共和党側の姿勢転換を示すものとみられる。
民主党のシューマー上院院内総務は声明で「トランプ氏の主張は事実ではない。しかし、ようやく民主党と協力する用意があるなら、われわれは交渉の席に着く」と述べた上で、「トランプ大統領と共和党が米国の家庭のために医療制度で何かを成し遂げる用意があるなら、民主党はそれを実現するために協力する」とした。
民主党は2025年末に失効するオバマケアの補助金延長や、先に成立した大型減税・歳出法に盛り込まれたメディケイド(低所得者向け医療保険制度)削減撤回を求めて、共和党のつなぎ予算への支持を拒んでいる。
トランプ政権は6日、連邦職員の大量解雇に踏み切る前に、民主党につなぎ予算を支持する機会をもう一度与える方針を示した。
上院は6日遅く、11月21日まで政府機関の運営を継続するためのつなぎ予算案について、5回目の採決を行う予定だ。トランプ氏の上級経済顧問であるハセット国家経済会議(NEC)委員長は、民主党が「理性的」な対応を取るべき時だと主張した。
トランプ氏はこれまで、政府機関の閉鎖を利用して数千人の連邦職員を解雇する意向を示している。通常なら、連邦職員は政府閉鎖時に一時帰休扱いとなる。
ハセット氏は米経済専門局CNBCのインタビューで、大統領と顧問らは上院の採決を注視していると述べた。ハセット氏は法案が否決された場合、トランプ政権が「厳しい措置」を取るだろうとけん制した。
連邦職員の解雇に関して問われると、「民主党が政府機関の運営再開を拒むなら、われわれがこれまで進めてきた政府効率化への取り組みはむしろ加速するかもしれない」とハセット氏は述べた。
下院の共和党指導部はすでに可決済みのつなぎ予算案を上院が通すまでできることはないとして、政府閉鎖が終わるまでワシントンを離れる方針を示している。
上院共和党トップのスーン院内総務は5日、FOXニュースの番組で「必要なのは、あと5人の民主党議員に賛成票を投じてもらうことだけだ」と述べていた。
共和党はアメとムチの戦略で、民主党議員5人の懐柔を図っている。具体的には、オバマケアの補助金延長に関する協議をほのめかす一方、民主党が拒否すれば連邦職員の大量解雇やプロジェクト中止を断行する構えをみせている。
一方、共和党の穏健派は仲介役となり、政府機関再開に向けて民主党穏健派の説得にあたっている。オバマケアの補助金を何らかの形で延長したいと考えている共和党のラウンズ上院議員(サウスダコタ州)やコリンズ上院議員(メーン州)らが主導した先週の協議は2日夜に決裂したが、6日に再開される見通しだ。

原題:Trump Eyes Health Care Talks With Democrats to End Shutdown (2)(抜粋)
▽米政府閉鎖終了目指す民主法案、上院で可決に必要な票数未達 採決継続<ロイター日本語版>2025年10月7日午前 7:27 GMT+9

[ワシントン 6日 ロイター] – 米上院は6日、政府機関の閉鎖終了を目指す民主党の法案の採決を行ったが、可決に必要な票数に達していない。採決は続いている。
▽政府閉鎖関連のレイオフはまだ行われていない=ホワイトハウス<ロイター日本語版>
2025年10月7日午前 6:10 GMT+91時間前更新

[ワシントン 6日 ロイター] – ホワイトハウスは6日、政府閉鎖の影響で「現在」政府職員がレイオフされているとのトランプ大統領の発言を撤回した。その一方で、議会が予算案で合意しなければ、雇用が失われる可能性があるとも警告した。政府閉鎖6日目を迎え、トランプ政権は大量解雇の可能性を示唆し続けたが、具体的な事態は見通せていない。
過去の政府閉鎖では、数十万人が勤務停止を命じられることはあっても、職員を解雇するまでには至らなかった。トランプ大統領は5日夜、レイオフは「現在」行われていると述べたが、ホワイトハウスのレビット報道官は6日、この発言は10月1日に予算が失効して以来、一時帰休となっている職員のことを指していたと説明した。
ホワイトハウス予算局は「閉鎖が続いた場合、残念ながら誰をレイオフせざるを得なくなるかについて、関係省庁と協議を続けている」と記者会見で述べた。
連邦政府職員を代表する労働組合は、そのようなレイオフは刑事罰を含む法律に違反するとして、阻止するため訴訟を起こした。連邦議会では、共和党と民主党に歩み寄りの兆しは見えていない。
共和党が主導する上院は、予算法案について再び採決を行う予定だったが、可決に必要な60票を獲得できる見込みは低い。
1981年以降で15回目となる部分的な政府閉鎖は、6日に米国史上4番目に長い閉鎖となり、1995年の6日間の閉鎖と並んだ。最も長い政府閉鎖はトランプ大統領の一期目で、2018年から2019年にかけての35日間続いた。
