▽ガザ和平協議、米特使ら交え8日も継続 ハマス「戦闘終結の保証」要求<ロイター日本語版>2025年10月8日午前 5:52 GMT+9

[シャルムエルシェイク(エジプト) 7日 ロイター] – パレスチナ自治区ガザの和平案を巡るイスラエルとイスラム組織ハマスによる間接協議は7日、2日目の交渉を終えた。8日にトランプ米政権のウィットコフ中東担当特使とカタールのムハンマド首相を交え、協議を継続する。ただ、イスラエルがガザ地区への攻撃をこの日も続ける中、ハマスはトランプ大統領の和平案に基づく合意を目指すとしながらも一連の要求を表明。仲介国エジプトで6日に始まった交渉は難航し、長期化する可能性がある。
10月7日はガザ地区での戦闘開始につながったハマスによるイスラエル襲撃から2年。イスラエル軍が陸海空からガザ地区の複数の地域を攻撃する中、ガザの武装勢力はイスラエルに向けてロケット弾を発射するなど戦闘が止む気配はない。
エジプト北東部のシャルムエルシェイクで行われているイスラエルとハマスの間接協議には米国も関与しており、トランプ政権はウィットコフ特使のほか、自身の娘婿ジャレッド・クシュナー氏を含む交渉団を派遣。トランプ大統領は大統領執務室で記者団に対し、米国の交渉団が協議に参加するため出発したと明らかにした上で、「ガザ地区にとどまらず、中東に和平がもたらされる可能性がある」とし、合意に向けた進展に楽観的な見方を示した。
関係筋によると、2日目の協議の雰囲気は1日目より良好だった。カタールのムハンマド首相は「ガザ停戦と人質解放を前進させる」ことを目的に8日の協議に参加するとしており、ムハンマド氏やウィットコフ氏らの仲介者が参加する8日の協議が事態の進展を占う上で重要になるとの見方が出ている。
ハマス幹部のハリール・アル・ハイヤ氏はエジプトの政府系メディア「アル・カヘラ・ニュース」に対し、ハマスは真剣かつ責任ある交渉に臨んでおり、合意に応じる用意があると表明。同時に、戦闘を再発させないための「保証」が必要になると改めて主張した。
これに先立ち、ハマス幹部のファウジ・バルフーム氏はイスラエルに対する奇襲攻撃から2年の節目にあたり、テレビ声明でハマスの立場を改めて表明。和平合意には恒久的かつ包括的な停戦とイスラエル軍によるガザ地区からの完全撤退が盛り込まれなければならないとしたほか、パレスチナの「国民的テクノクラート機関」の監督下での包括的な復興の即時開始を求めていると述べた。
イスラエルはハマスの武装放棄を要求しており、ハマスはこれを拒否。イスラエルのネタニヤフ首相はエジプトでの協議の進展状況について今のところコメントしていない。
トランプ大統領が示したガザ和平案には戦闘停止と人質解放のほか、ガザ地区への支援などが盛り込まれており、イスラエルとハマスは大枠を原則的に支持。アラブ諸国や西側諸国も支持を示している。ただ、ガザ地区の統治について、トランプ大統領とネタニヤフ首相はハマスにいかなる役割も認めない姿勢を表明。和平合意が成立してもガザ地区の統治と再建を巡る大きな課題は残る。
▽ハマス奇襲から2年、各地で親パレスチナデモ 「無神経」との声も<ロイター日本語版>2025年10月8日午前 5:41 GMT+9
By Sam Tabahriti, Catarina Demony

[ロンドン 7日 ロイター] – パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスによる襲撃から2年の節目となる7日、パレスチナ自治区ガザでのイスラエルの行動に対する抗議デモが複数の都市で開催された。オーストラリアのシドニーのほか、英ロンドン、仏パリ、スイスのジュネーブ、ギリシャのアテネなど、欧州の各都市に拡大している。
親パレスチナ集会の主催者らは、ガザでの人道危機に世界の目を向けさせ、パレスチナ人の権利を主張することがデモの目的だと述べている。
こうした中、複数の国の政治家らは、ホロコースト以来ユダヤ人にとって最も致命的な日となったこの日に抗議活動を行うことは、ハマスの暴力を是認するものとみなされる可能性があると非難。
豪ニューサウスウェールズ(NSW)州のミンズ首相は、シドニー近郊で計画されている抗議イベントについて、「最悪のタイミングで、驚くほど無神経だ」と述べた。
2023年10月7日に起きたハマスによる襲撃では、約1200人が殺害され、251人が人質として拘束された。ガザの保健当局によると、イスラエルによるハマスへの報復攻撃により、これまでに6万7000人を超えるパレスチナ人が死亡している。
▽イスラエル軍、ガザを陸海空から攻撃 ハマス襲撃から2年<ロイター日本語版>2025年10月7日午後 7:02 GMT+9
By Nidal Al-Mughrabi, Maayan Lubell

[シャルムエルシェイク(エジプト) 7日 ロイター] – パレスチナ自治区ガザのイスラム組織ハマスによる襲撃から2年となる7日、イスラエル軍は戦車・艦艇・戦闘機を用いてガザ地区各地を攻撃した。
目撃者によると、ガザ南部のハンユニスと北部のガザ市で未明に戦車と航空機による激しい攻撃が行われた。イスラエル軍は陸海空から複数の地区を攻撃したという。
一方、ガザの武装勢力は同日早朝、イスラエルに向けてロケット弾を発射し、境界付近のキブツ(集団農場)で空襲警報が鳴った。
攻撃から2年の節目に合わせ、ハマス、「イスラム聖戦」、その他の小規模武装組織を含むパレスチナ諸派の連合体は、「あらゆる手段による抵抗の選択こそがシオニストの敵に対抗する唯一の方法だ」とする声明を出した。
