▽公明 自公の連立離脱表明 首相指名選挙へ各党の駆け引き活発に<NHK>2025年10月11日午前5時15分
公明党は政治とカネの問題をめぐる自民党の対応が不十分だとして、連立政権を離脱することになりました。26年に及んだ両党の協力関係は解消され、臨時国会での総理大臣指名選挙に向けて各党の駆け引きが活発になる見通しです。
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連立政権のあり方をめぐり、自民党の高市総裁と公明党の斉藤代表は10日、2回目の党首会談を行い、およそ1時間半にわたって協議しました。
斉藤氏は、企業・団体献金の受け皿の規制強化など政治とカネの問題をめぐる自民党の対応が不十分だとして、連立政権を離脱する方針を伝えました。
斉藤氏は「政治とカネの取り組みは公明党の一丁目一番地だ。自公連立政権はいったん白紙とし、これまでの関係に区切りを付ける」と述べました。
また、国政選挙での選挙協力も取りやめ、人物本位で地域ごとに対応していくことになるという見通しを示しました。
1999年に公明党が政権に加わって以降、野党時代も含め、26年に及んだ両党の協力関係は解消されることになりました。
一方、高市氏は「協議の継続をお願いしたが、一方的に連立政権からの離脱を伝えられた。26年間にわたって協力し合ってきた関係なので大変残念だ」と述べました。
自民党内からは「さらに勢力が少なくなり国会運営が厳しくなることは避けられない」、「選挙協力の解消で影響を受ける議員は少なくない」といった声が出ています。
自民党は、来週14日に両院議員懇談会を開催し、高市氏らが経緯を説明し、今後の対応についても意見を交わすことにしています。
こうした中、政府・自民党は新しい総理大臣の指名選挙を行う臨時国会を再来週の早い時期に召集する方向で調整を進めています。

立憲民主党の安住幹事長は、「総理大臣指名選挙の決選投票の組み合わせによっては十分、政権交代の可能性は出てきたのではないか」と述べました。
立憲民主党は野党側の一本化に向けて、公明党も含め各党への働きかけを続けることにしています。

一方、日本維新の会や国民民主党は憲法や安全保障などの基本政策で立憲民主党とは隔たりがあるとして、今のところ、一致した行動をとることに慎重な姿勢を崩していません。
公明党の斉藤氏は決選投票での対応について「ほかの野党党首の名前を書くことは支持者の理解は得られない」と述べるなど、総理大臣指名選挙に向けて各党の駆け引きが活発になる見通しです。
【解説】自民党内の受け止め 臨時国会に向け今後の焦点は
Q。連立を組んでいた自民党の受け止めは?。
A。はい。党内に衝撃が走っていると言っていいと思います。幹部の1人は、「離脱を知ったときは絶句した」と話していました。仮に政権を担ったとしても、少数かつ単独のままでは、これまで以上に厳しい運営になるのは避けられないと思います。そして議員個人で見ますとやはり選挙です。
公明党の協力がなければ厳しい戦いを強いられる議員も少なくありませんので、党全体に影響しかねません。高市さんとしては、連休明け、党内に経緯を説明して、まずは結束を確認したい考えです。
Q。今後の焦点は。
A。やはり、総理大臣指名選挙が焦点になります。過半数を持つ党がない中で自民党が比較第1党ですので、高市さんが総理大臣に近い位置にいると言えます。一方で、決選投票での連携のしかたによっては、野党側が高市さんを上回る可能性が出てきたとしまして、立憲民主党の安住さんは「政権交代がみえてきた」と話しているんです。
また、国民民主党の玉木さんは、選挙で指名される可能性を問われて、「総理大臣を務める覚悟はある」と発言していまして、各党の駆け引きが活発になる見通しです。
Q。高市総裁の就任から1週間。政治は前に進むんでしょうか。
A。7月の参議院選挙が終わっておよそ3か月がたちますが、物価高対策など政策の議論はほとんど進んでいません。総理大臣が誰になるのかさえ見通せない、混とんとした政治状況にはなっていますが、臨時国会では審議の充実はもちろん、スピード感のある政治の決定を与野党双方に期待したいと思います。
