▽自民税調会長起用の小野寺五典氏が厳しい船出 「インナー」以外から起用、公明離脱で多難<産経ニュース>2025/10/12 18:22

国の税制に影響力を及ぼしてきた自民党税制調査会長は、計約8年にわたり務めた宮沢洋一氏から小野寺五典前政調会長に交代となった。小野寺氏は「インナー」と呼ばれる税調幹部以外からの異例の起用だ。今後、所得税が生じる「年収の壁」引き上げやガソリン税の暫定税率廃止を巡る野党との交渉役を担うが、公明党の連立政権離脱という厳しい政治環境のなかで手腕発揮を求められることになった。
小野寺氏は10日、党本部で記者団に対し「税は国民生活に直結する問題だ。生活者の視点からさまざまな分野の専門家が入って議論することも重要だ」と述べ、税調役員人事は幅広い専門人材を登用する考えを示した。
宮沢氏は財政規律を重んじることで知られ、積極財政を掲げる高市早苗総裁の下での交代は必至だった。党内からは積極財政派を税調会長に推す声もあったが、高市氏を支える麻生太郎副総裁や鈴木俊一幹事長は財務相経験者で、財政規律を重んじる。こうした事情もあり、税調幹部が「どちらかといえば財政規律派だ」と評する小野寺氏に白羽の矢が立った。
政調会長として野党との調整に当たった経験も買われたとみられる。高市氏は9日のNHK番組で、ガソリン税の暫定税率廃止や年収の壁引き上げを念頭に「公党間の合意をしっかり守っていくのを基本に活躍してほしい」と語った。
ただ、公明の連立離脱により来年度税制改正に向けた協議の枠組みは大きく変わる公算が大きい。少数与党では野党との連携が必要となるが、連携先はまだ定まっておらず、前途多難な状況だ。(今仲信博)
▽立憲の野田氏、国民と維新に党首会談提案へ 玉木氏「政策一致必要」<朝日新聞デジタル>2025年10月12日 18時41分
立憲民主党の野田佳彦代表は12日、日本維新の会の藤田文武共同代表、国民民主党の玉木雄一郎代表との党首会談を14日にも開催できるよう調整していると明らかにした。関係者によると、藤田、玉木両氏は応じる意向だという。野田氏は臨時国会の首相指名選挙で野党候補の一本化を図りたい考えで、両党との溝を埋められるかが焦点だ。
野田氏は横浜市で記者団に「(立憲、維新、国民民主の)三つ(の議席を)足すと自民党を超える」と強調。党首会談の開催に向けて安住淳幹事長に調整を指示したと明かした。
3党が足並みをそろえるのは容易ではない。野田氏は12日のフジテレビの番組で、玉木氏が安全保障など基本政策の違いを理由に立憲との連携を否定していることを踏まえ、「いろんなところを含んでまとめる度量もなきゃいけない」と強調。「目の前に(政権交代の)チャンスがある時に、一致点を見いだす努力をしないのは責任ある態度ではない」とした。
「足して2で割って真ん中の話ではない」
これに対し玉木氏は石川県七尾市で記者団に「足して2で割って間を取る話ではない」と反論。立憲内でも現行の安保法制や日米の防衛協力体制への意見が割れているとし、立憲の考えを明確にするのが先だと訴えた。
維新は、立憲と国民民主の協議の行方をみて態度を決める構えだ。
- 河野有理(法政大学法学部教授=日本政治思想史)2025年10月12日20時45分 投稿
【視点】政権を取るチャンスがあるなら連合を模索して多数派工作を行うことは、野党としては当然の筋である。他方で、政権を取ること自体が目的では困る。政権を取った後の構想を示すことは当然であり、基本政策があまりにかけ離れた連合は「野合」との誹りを免れまい…続きを読む - 馬渕磨理子(日本金融経済研究所 代表理事)2025年10月12日21時38分 投稿
【視点】金融市場は「政策の整合性がとれない政治」を最も嫌います。異なる経済思想を無理に束ねれば、必ず市場は不安定になる。 日本経済はいま、構造的な賃上げと設備投資の拡大によって、政治のノイズに左右されない「実力値」を回復しつつある。だからこそ、政…続きを読む
▽「十数年に1度のチャンス」も数合わせの連立政権は短命の過去…課題は安全保障やエネルギー政策<読売新聞オンライン>2025/10/13 05:00
松下正和
[衝撃 連立解消]<中>
臨時国会での首相指名選挙をにらみ、多数派工作の動きが始まっている。
「野党の第1党、第2党、第3党、足し算すると自民党の196を上回る」
国民民主の玉木代表(左)と立憲民主党の野田代表
立憲民主党の野田代表は12日のテレビ番組でこう語った。立民、日本維新の会、国民民主党がまとまれば、野党から首相を出せるとの見方を示したものだ。
衆院では、立民の148議席に、維新と国民民主の議席を合わせれば計210議席となる。公明党が自民との連立解消を決めたことで、数字上は自民の196議席を上回る。
首相経験者の野田氏は政権交代にこだわりを持つ。
非自民政権への交代を成し遂げたのは、8党派による1993年の細川連立政権と、2009年の民主、社民、国民新の3党連立政権しかない。野田氏は自公の連立解消を「十数年に1度の政権を取るチャンス」とし、維新や国民民主に協議を呼びかける。
立民は野党の首相候補として、国民民主の玉木代表を想定する。野党党首の中で存在感を高める玉木氏なら、維新を含む野党が一本化できるとの判断からだ。
当の玉木氏は「立民が勝手に名前を書くのはやめてほしい」と周囲に戸惑いを語るが、最近は「内閣総理大臣を務める覚悟はいつでもある」と公言するようになった。ただ、立民との連立には拒否感が強く、「首相は単なる足し算で選ぶものではない」と話す。
野党連携の課題となるのは、安全保障やエネルギー政策だ。立民は安倍内閣が手がけた安全保障法制の「違憲部分の廃止」や、「原発ゼロ」を掲げており、玉木氏は「安全保障やエネルギー政策で一致できなければ、政権を共にするのは難しい」と指摘する。国民民主は安保協力の強化や原発再稼働を主張している。
数合わせで誕生した過去の連立政権は、短命に終わった。細川連立内閣は38年間の自民党政権に終止符を打ったものの、8か月で瓦解した。野田氏が首相を務めた民主党政権も3年3か月で幕を閉じた。
「民主党政権では混乱が生じ、日米関係に大きな亀裂を入れてしまった」
玉木氏は11日、沖縄県の米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡り、日米関係の悪化や社民の連立離脱を招いたことへの反省を口にした。
維新は野党連携に呼応する姿勢を見せる一方、自民への協力も探っている。
自民総裁選での小泉農相の勝利を念頭に、連立に前のめりの意見もあったが、高市総裁の就任後は様子見に転じた。藤田文武共同代表は「政権を担うには国家の基本政策で合意がなければ難しい」と野党間連携には消極的だ。党幹部は「自民と維新が手を結ぶ道もある」という。
四半世紀にわたる自公連携が幕を下ろし、国会では数合わせの思惑が交錯する。政権構想を置き去りにした「野合」となれば、迷走を続けた民主党政権の二の舞いになりかねない。(政治部 松下正和)
▽立憲・野田氏「高いところから言い過ぎ」 国民・玉木氏要求に苦言<毎日新聞>2025/10/12 19:23

立憲民主党の野田佳彦代表は12日、国民民主党の玉木雄一郎代表が首相指名選挙での協力の前提として、安全保障やエネルギー政策で国民民主の方向性に同調するよう機関決定を求めていることについて「『機関決定しろ、そうじゃないと会わない』っていうのは、あまりにも高いところから物を言い過ぎじゃないか」と苦言を呈した。また公明党の連立離脱を受けて、首相指名選挙での対応を協議するため、日本維新の会と国民民主に、3党党首会談を呼び掛けるよう安住淳幹事長に指示したと明らかにした。横浜市内での記者団の取材に答えた。
立憲は決選投票になった場合、野党候補の一本化を呼び掛けているが、維国は政策の違いなどを理由に難色を示している。野田氏は14日にも党首会談を実施したい意向を示し「(政策を)一字一句変えないという立場ではない。(会談が)できるなら、執行役員会と常任幹事会で一任を受けて対応したい」と柔軟に対応する可能性を示した。Advertisement
一方、安全保障関連法について立憲が掲げる「違憲部分の廃止」を玉木氏が問題視していることについては「(玉木氏と議論を)直接やりたい。そういう指摘があるならば、私なりの考え方を整理したい」と述べた。【田辺佑介】
▽国民・玉木氏、自民との連立議論「意味なくなった」 連携は模索<毎日新聞>2025/10/12 20:31

国民民主党の玉木雄一郎代表は12日、日本テレビ番組で、自民党政権との連立について「自公(連立)が前提で、うちを加えたら(衆院過半数の)233を超える前提での議論だった。自民とうちを足しても過半数にいかないので、これまでの連立の議論にほぼ意味はなくなった」と述べた。
一方で、7月の参院選後、政治的空白が続いていることから「連立だけではなく、さまざまな連携のあり方を考えながら政治を前に進めていく」と述べ、連立以外での自民を含めた政党間の連携のあり方を模索する考えを示した。
4日に自民の高市早苗総裁が選出された後、玉木氏と高市氏は東京都内で秘密裏に会談し、国民民主の榛葉賀津也幹事長も自民の麻生太郎副総裁と面会するなどしていた。【田辺佑介】
公明党の斉藤代表は12日のNHK番組で、自民党との連立政権から離脱する要因となった「政治とカネ」の問題を巡り、将来的に自民が公明の要求を受け入れた場合、再び自民と連立を組む可能性を排除しない考えを示した。
公明党の斉藤代表
自公党首会談で斉藤氏は、企業・団体献金の規制強化と自民派閥の政治資金規正法違反事件の全容解明を自民側に求めたものの、決裂した。番組では「(二つの)条件を丸々のんでもらえば、連立政権の協議を拒否するものではない」と述べた。
一方で、「すぐ元に戻るとは、なかなか言えない」とも語った。11日のインターネット番組では、再連立の時期について「(次々回の)首相指名の機会にまた連立政権協議はあり得る」との認識を示した。
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