来週の21日に臨時国会が召集され、首班指名選挙が行われる。公明党の連立離脱で日本の首相を決める選挙の行方はまったくわからなくなっている。残り1週間公式、非公式含め与野党の駆け引きは激しく続く。果たして誰が、どの党が勝つのか、どこにも確度の高い情報はない。主要メディアはいつもの通り公式会議の発言や、政治家個人あるいは街の声などを収集して雰囲気作りに勤しんでいる。はっきりしているのはどのメディアも衆議院の現有議席をもとにした数合わせで、首班の行方を占っていることだ。現実的には数の論理で決まる議会政治である以上、それ以外の方法はない。とはいえ、数合わせにも政策や基本理念の一致は必要だろう。国民民主党の玉木代表が主張していることでもある。もう一つ重要な要素がある。直近の国政選挙の結果だ。要するに民意をどう考えるか、これも重要だ。

直近の国政選挙は2024年の衆院選挙、先ごろの参院選挙の2つがある。衆参両院で国民の意思が明らかになっている。比例の投票数を見ると昨年の衆院選挙で自民党は、2022年の参院選に比べて370万票減している。同じように比較すると公明党は22万票、日本維新の会が270万票減だ。これに対して票を増やしたのは立憲民主党480万票、国民民主党300万票、れいわ新選組149万票、保守党115万票など。さらに今年の参院選。昨年の衆院選挙に比べると立憲民主党が420万票減、自民党が178万票減、公明党が75万票減、日本維新の会73万票減だ。票を伸ばしたのは参政党の555万票を筆頭に保守党184万票、国民民主145万票の順。さらに2022年の参院選と今年の参院選を比較すると、票を減らしたのは自民党545万票、公明97万票、日本維新の会374万票など。これに対して参政党が570万票、国民民主党が450万票、保守党が300万票伸ばしている。

民意は明らかだ。票を伸ばしているのは国民民主、参政党、保守党、れいわ新選組の4党。立憲民主は複雑だ。大幅に増やした後今年の参院選で大幅に減らしている。3年前の参院選に比べると行ってこい。これをどう読むか。3年前には国民の大きな期待を集めたが、この3年間でその期待は完全に消え去っている。その立憲が公明党の離脱で蘇ったかのよううに政局の主導権を握ろうとしている。維新も似たような展開をたどっているが、立憲が主張する野党連合に国民民主と維新はどのような結論を出すのか。この間急激に得票数を伸ばした参政党は今回は蚊帳の外。いずれにしても今回の政局の結論が、次回の国政選挙に反映されるだろう。首班指名は得票数だけでは決められない。公明党はスパイ防止法を提唱している高市自民党総裁との会談の前に、中国の駐日大使と国会内で面談している政党の独立性も問題になるだろう。果たして結果はいかに・・・。