▽高市総裁、維新と「基本政策はほぼ一致」…玉木氏は連立政権入り打診に応じない姿勢<読売新聞オンライン>2025/10/15 21:27 

自民党の高市総裁との会談に臨む日本維新の会の吉村代表(右)と藤田共同代表(15日、国会で)=米山要撮影

 自民党の高市総裁は15日、日本維新の会の吉村代表(大阪府知事)と藤田文武共同代表と会談し、臨時国会での首相指名選挙での自身への投票と、連立政権樹立を含む連携を要請した。両党は連立を視野に入れた政策協議を16日から開始することで一致した。高市氏は15日、国民民主党の玉木代表にも連立政権入りを打診したが、玉木氏は応じない姿勢を示した。

自民党の高市総裁との会談に臨む日本維新の会の吉村代表(右)と藤田共同代表(15日、国会で)=米山要撮影

 首相指名選挙を巡り、立憲民主党が目指している維新、国民民主との野党候補の一本化はメドが立っておらず、自民は維新との協議入りにこぎ着けたことで、高市氏の首相指名実現に向けて前進した形だ。

 15日夕に国会内で行われた自民、維新の党首会談は約1時間に及んだ。高市氏は会談後、記者団に「(維新と)基本政策はほぼ一致している。何と言っても政策の一致が第一だ」と強調した。吉村氏も記者団に、外交・安全保障政策や憲法改正などを巡り、「(両党の)共通点は多くある」と語った。

 16日からの政策協議は高市、藤田両氏と両党の政調会長の4人で行う。高市氏は政策協議の議題については維新からの提案を受けて検討するとしたが、維新の看板政策である「副首都構想」や維新が主張する社会保障改革などがテーマとなる見通しだ。

 吉村氏は「連立というのは、閣内に入ることだと認識している」とも語った。維新は協議の進展次第で、首相指名選挙で高市氏に投票するかどうか判断する構えで、両党が連立合意に至るかどうかは見通せない状況だ。

 高市氏はこの日、立民の野田代表、玉木氏とも国会内で個別に会談した。

 玉木氏との会談では、国民民主が主張する「年収の壁」に関する協議体を設置する意向も示した。玉木氏は会談後、自身のユーチューブ番組で「維新が加わるのであれば、我々が連立に加わる必要はなくなった。政策本位で各党とやっていきたい」と語った。

 高市氏は、野田氏との会談ではガソリン税の暫定税率廃止の早期実現に向け、両党で協力することを確認した。野田氏は野党で候補者の一本化を目指す考えを高市氏に伝えた。

▽自民・維新党首会談、連立政権も視野に政策協議開始で一致<bloomberg日本語版>2025年10月15日 19:09 JST

照喜納明美、村上さくら

  • 維新代表、20日までに協議まとまれば首相指名選挙で高市氏に投票
  • 協議には高市自民総裁も参加、「政治とカネ」巡る対応に隔たり

日本維新の会の吉村洋文代表は15日、自民党の高市早苗総裁と党首会談を行い、新たな連立政権樹立も視野に政策協議を開始することで一致した。

  吉村氏は会談後の記者会見で、政策協議が20日までに合意すれば、首相指名選挙で同党は高市氏に投票する考えを明らかにした。第1回の協議は16日、自民から高市総裁と小林鷹之政調会長、維新から藤田文武共同代表、斎藤アレックス政調会長が参加して行う。

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日本維新の会の吉村洋文代表と自民党の高市早苗総裁Photographer: Kyodo News/Getty Images, Toru Hanai/Bloomberg

  公明党の連立離脱を受け、臨時国会での首相指名選挙に向けた各党の駆け引きが活発化していた。衆院会派で35議席の維新が高市氏に投票すれば自民と計231議席と過半数の233に迫り、高市氏が首相に選出される可能性が高まる。自民、維新の政策協議がまとまるかが今後の政局の焦点となる。

社会保障改革、副首都構想

  会談で高市氏は、連立政権樹立を含めた首相指名選挙での協力を吉村氏に要請。吉村氏が政策協議の開始を受け入れた。

  吉村氏は、高市氏からは維新が重視する社会保障制度改革に賛意を得たほか、副首都構想にも同じ考えだとの表明があったことから、「政策協議を開始する土台はあると判断した」と説明した。

  両党の間で隔たりのある「政治とカネ」を巡る問題についても政策協議の対象とする考えを明らかにした。維新は企業・団体献金の禁止を求めてきた。

  これに対し、高市氏は維新について「基本政策はほぼ一致している」と記者団に語った。外交やエネルギー政策は自民と「あまり変わらない」とし、他の政策での詰めに時間を割くことになるとの見通しも示した。 

野党党首会談

  首相指名選挙を巡っては、立憲民主党が野党統一候補の擁立に向け、維新や国民民主党に連携を呼び掛けている。自民、維新の会談に先立ち行われた3党党首会談では安全保障やエネルギー政策に関して一致に至らず、幹事長らが継続協議することになった。

  統一候補と想定される国民の玉木雄一郎代表は、会談で立民の野田佳彦代表からは政権構想は3党を軸とした少数与党になると発言があったとして、「仮に私が首相に選ばれたとしても政権運営が厳しい状況になる」と記者団に語った。

  首相指名選挙の日程を巡っても、与野党間での協議が続いている。衆院事務局によると15日の議院運営委員会の理事会では21日に国会を召集することを決定したが、選挙の実施日については合意に至らなかった。  

  共同通信によると、自民党が同日に実施する日程を提示したものの、野党側が政党間協議が続いているとして応じなかったという。

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