▽イスラエルがガザ空爆、26人死亡 その後停戦再開と発表<ロイター日本語版>2025年10月20日午前 7:02 GMT+9

Alexander CornwellNidal Al-Mughrabi

イスラエルがガザ空爆、26人死亡 その後停戦再開と発表

[エルサレム/カイロ 19日 ロイター] – イスラエルは19日、同国軍兵士に対する攻撃があったとして、パレスチナ自治区ガザを空爆した。その後、ガザでの停戦は再開したと発表した。今月米国が仲介した停戦が最も深刻な試練に直面している。

地元住民や保健当局によると、イスラエル軍の攻撃により、ガザでは女性1人と子ども1人を含む少なくとも26人が死亡した。

イスラエルと米国の当局者によると、20日にはトランプ米政権のウィットコフ中東担当特使とトランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏がイスラエルを訪問する見通しとなっている。

イスラエル軍は、イスラム組織ハマスの対戦車ミサイルや銃による攻撃で兵士2人が死亡したことを受け、ガザ全域でハマスの標的を攻撃したと述べた。現場指揮官、戦闘員、トンネル、武器庫などが含まれるという。

住民によると、ヌセイラト地区の避難民が避難していた元学校に少なくとも1発が命中した。

イスラエルのネタニヤフ首相は、ハマスが停戦に違反したとして、軍に強力に対応するよう命じたと述べた。

一方、ハマスは停戦合意を引き続き順守していると述べた。

イスラエルの治安当局者は、ハマスの「あからさまな」停戦合意違反を受けて、ガザへの援助物資の輸送が停止されたと述べていたが、米国の圧力により、イスラエルの別の治安当局者は20日に援助が再開されると語った。

新たな停戦は10月10日に発効し、2年間続いた戦争が停止したが、イスラエル政府とハマス側は数日にわたり停戦違反を巡り互いを非難し合っている。

▽イスラエルがガザ空爆、支援物資の搬入停止-ハマスと非難の応酬<bloomberg日本語版>2025年10月20日 0:14 JST

Dan Williams、Fadwa Hodali

  • ラファの部隊への攻撃は「明白な停戦合意違反」とイスラエル
  • トランプ政権、停戦合意を維持するため副大統領や特使ら中東派遣へ

イスラエルは19日、パレスチナ自治区ガザへの空爆を実施した。ラファに展開していた部隊が攻撃を受けイスラエル軍兵士2人が死亡したとしてイスラム組織ハマスを非難し、ガザ地区への支援物資搬入を全面停止したと報じられている。

  イスラエル国防軍(IDF)は、「明白な停戦合意違反」への報復として、ハマスの武器庫や発射拠点、戦闘員の拠点、インフラなど数十カ所の目標を攻撃したと説明。約6キロにわたる地下トンネルを120発超の弾薬を投下して破壊したと明らかにした。AP通信はイスラエルが当面、ガザへの支援物資の搬入を停止したと、匿名の治安当局者の話を引用して報じた。

  今回の緊張の再燃は、トランプ米大統領の和平計画実現を目指す外交努力のさなかに起きた。ハマスは停戦の履行状況を協議するため、代表団がカイロに向かったとしている。

  イスラエル当局者によると、バンス米副大統領は今週、ウィトコフ中東担当特使とトランプ氏の顧問で娘婿のジャレッド・クシュナー氏とともに中東を訪問する見通しだ。これはトランプ大統領が取りまとめた停戦合意を維持することに、政権が注力していることを示している。

  在エルサレムの米大使館は現時点でコメントしていない。

  イスラエル軍によれば、19日にガザ南部ラファに展開していた部隊が対装甲ロケット弾や銃による待ち伏せ攻撃を受け、兵士2人が死亡、2人が負傷した。同地域では17日にも同様の攻撃があった。

  イスラエル首相府によると、ネタニヤフ首相はハマスが停戦合意を破ったと非難し、「ガザ地区内のテロリスト目標に対して強力な措置を取るよう」命じた。

  一方、ハマスもイスラエルが停戦合意に違反していると批判。過去1週間で少なくとも27人のパレスチナ人がイスラエル軍の攻撃で死亡したと主張している。

  これに対し、イスラエル側はイエローラインを越える侵入を防ぐために発砲したと説明している。停戦合意ではこのラインまでイスラエル軍が後退するよう定められており、この線は現在、警告を明確にするために色付きの標識で区分けされつつある。

  ハマスは停戦に引き続きコミットしているとしながらも、ラファで活動する戦闘員とは連絡が取れず、従ってその行動に責任を負えないとの見解を示した。

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イスラエルの攻撃を受けたガザ中心部(10月19日)Photographer: Eyad Baba/AFP/Getty Images

原題:Israel Attacks Hamas Positions, Suspends Aid as Ceasefire FraysIsrael Attacks Hamas Posts, Suspends Aid as Ceasefire Frays (3)(抜粋)

▽ハマス、武装解除コミットできず ガザ治安管理を当面維持へ=幹部<ロイター日本語版>2025年10月18日午前 3:16 GMT+9

ハマス、武装解除コミットできず ガザ治安管理を当面維持へ=幹部

[ドーハ 17日 ロイター] – イスラム組織ハマス幹部は、パレスチナ自治区ガザの和平に向けた移行期間中、ガザにとどまり、治安管理を維持する意向を示した。武装解除についてはコミットできないとも述べた。ロイターとのインタビューで明らかにした。

米国が提案したガザ和平計画は合意の「第1段階」が実施されているものの、戦争終結に向けた道のりには依然多くの困難が立ちはだかっている様子が浮き彫りとなった。

ハマスの政治部門問幹部のムハンマド・ナザル氏は、ガザ再建に向け最長5年間の停戦に応じる用意があるとした上で、その後の保証はパレスチナ国家樹立への「展望と希望」が与えられるかどうかにかかっていると述べた。

ハマスが武装解除するかどうとの質問に対しては「イエスともノーとも答えられない」と応じ、武装解除の「内容次第」で、武装解除が「何を意味するのか。誰に武器を引き渡すのか」と疑問を呈した。

さらに、武器など、次の「段階」の交渉で議論される問題は、ハマスだけでなく他のパレスチナ武装組織にも関係するため、パレスチナ人の間でより広範な合意が必要になるという見方を示した。

また、ハマスが、イスラエルに協力したとされる複数のガザ住民を公開処刑したという情報については、戦争中には常に「例外的な措置」があり、処刑されたのは殺人罪を犯した犯罪者だったと主張した。

▽ハマス、次段階の推進を仲介者に要請 検問所再開や支援搬入など<ロイター日本語版>2025年10月18日午前 12:38 GMT+9

ハマス、次段階の推進を仲介者に要請 検問所再開や支援搬入など

[17日 ロイター] – パレスチナのイスラム組織ハマスは17日、仲介者らに対し、パレスチナ自治区ガザの停戦に基づく次のステップとして、検問所の再開や援助の受け入れ、復興の開始、政権の樹立、イスラエルの撤退完了などを推進するよう要請した。

トランプ米大統領の計画の下、ガザ地区での戦闘はほぼ停止した。この計画は仲介役を務めるエジプト、カタール、トルコの支持を得ている。しかし、人質の遺体の引き渡しに時間がかかりすぎるというイスラエルの非難もあり、次段階への移行は停滞している。

イスラエルは26日、エジプトとの国境にあるラファ検問所の再開を準備していると発表したが、停戦違反を巡りハマスと非難の応酬を繰り広げているため、日程は明らかでない。