トランプ氏「無駄な会談望まず」、米ロ首脳会談巡り

[21日 ロイター] – トランプ米大統領は21日、ロシアのプーチン大統領とのハンガリーでの会談が近い将来に実施されない可能性があることについて、「無駄な会談にはしたくない」と述べた。

トランプ氏は大統領執務室で記者団に対し、ハンガリーで予定されているプーチン大統領との会談について、実施するかしないかはまだ最終的に判断していないと述べた。

米ホワイトハウス高官はこの日、トランプ大統領とプーチン大統領が「ごく近い将来」に会談する予定はないと明らかにしている。

▽米ロ首脳会談の実現に暗雲、ロの強硬姿勢が交渉の足かせに<ロイター日本語版>2025年10月22日午前 5:44 GMT+9

Tom BalmforthSteve Holland

米ロ首脳会談の実現に暗雲、ロの強硬姿勢が交渉の足かせに

[21日 ロイター] – 米ホワイトハウス高官は21日、ブダペストで開催が予定されていた米ロ首脳会談が「ごく近い将来」に実現する見通しはないとの考えを示した。同会談の実現を巡っては、すでに先行きが危ぶまれていた。

同会談に向けた米ロ外相による準備会合は延期され、首脳会談の準備は行き詰まりを見せている。また、ロシアのプーチン大統領はドンバス地方(ドネツク州、ルハンスク州)の領土割譲を求める強硬姿勢を依然として崩していない。

トランプ大統領は先週、ロシアのプーチン大統領と電話会談し、ウクライナのゼレンスキー大統領ともワシントンで会談。戦争終結に向けて、2週間以内にハンガリーの首都ブダペストでプーチン大統領との首脳会談を開くことを目指していると述べていた。

しかし、米ロ外相による準備会合が延期されたことで、開催の実現に不透明感が漂い始めた。ホワイトハウス高官は、ルビオ米国務長官とロシアのラブロフ外相が20日に行った電話会談は「生産的だった」としたものの、両氏による直接会談の計画もないと述べた。

こうした中、欧州の上級外交官2人は、米ロ外相の会合延期を受け、ロシアが要求を譲歩しない限り、米国が首脳会談の実施に消極的になる可能性を示唆していると指摘。外交官の1人は、「ロシア側があまりにも多くのことを要求したため、米国側にとってブダペストでの会談で合意に至る見込みがないことが明らかになった」と述べた。

別の外交官は、ロシア側の「立場は全く変わっておらず、『現状維持』には同意していない」と指摘。米外相の電話協議が不調に終わっていたことを示唆した。

英国、フランス、ドイツ、欧州連合(EU)など欧州首脳は21日、ウクライナと共同声明を発表し、「戦闘は直ちに停止すべきであり、現在の戦線を交渉の出発点とすべきだとするトランプ氏の立場を強く支持する」とした。

しかし、ウクライナの欧州同盟国は、トランプ氏がプーチン氏から本格的な譲歩を引き出すことなく2度目の会談を行うのではないかと懸念している。8月に米アラスカ州で行われた米ロ首脳会談では、トランプ氏はプーチン氏から停戦合意を得ることはできなかった。

「即時」会談の予定はなくなったものの、米ロいずれも公には実施を断念していない。ただ、ハンガリーのシーヤールトー外相は同首脳会談を巡り「これから厳しい日々が待ち受けている」とフェイスブックに投稿した。

▽ロ、ドンバス掌握など改めて要求 米への非公式文書で=当局筋<ロイター日本語版>2025年10月22日午前 5:43 GMT+9

Gram SlatteryJonathan Landay

ロ、ドンバス掌握など改めて要求 米への非公式文書で=当局筋

[ワシントン  21日 ロイター] – ロシアが先週末、米国に送付した「ノンペーパー」と呼ばれる非公式文書で、ウクライナとの和平合意に向けた従来の条件を改めて伝えていたことが分かった。米当局者2人が明らかにした。

ロシアは同文書でウクライナのドンバス地方全体の掌握を改めて求めており、当局者は現在の戦線での戦闘凍結を呼び掛けているトランプ米大統領の姿勢を事実上拒否するものだと述べた。また、ロシアはいかなる和平合意の一環としても北大西洋条約機構(NATO)軍をウクライナに派遣しないという従来の立場を繰り返し表明したという。

ホワイトハウスとワシントンのロシア大使館はコメント要請に直ちには応じていない。

トランプ大統領は16日、プーチン氏と「2週間以内にも」会談する考えを表明していたものの、ホワイトハウス高官は21日、トランプ大統領とロシアのプーチン大統領が「ごく近い将来」に会談する予定はないことを明らかにした。

▽欧州、現戦線維持のウクライナ和平案策定 トランプ氏主導的役割=外交筋 <ロイター日本語版> 2025年10月22日午前 6:30 GMT+9

欧州、ウクライナ和平案策定へ トランプ氏主導の評議会が監督=報道

[パリ/ブリュッセル 21日 ロイター] – 欧州諸国がウクライナと連携し、現在の戦線を基準としたロシアとの停戦案を取りまとめていることが21日、複数の欧州の外交筋の話で分かった。米国をウクライナ支援の枠組みにとどめることを狙いに、トランプ米大統領が議長を務める「和平評議会」が提案事項の実施を監督する案が盛り込まれているという。

外交筋によると、ウクライナ和平評議会の構想は、トランプ大統領がパレスチナ自治区ガザについて提案した20項目から成る和平案をひな形に策定される。

領土問題については、ロシアとウクライナの双方が停戦に合意した後に交渉を開始する。ただ、ロシアが占領する地域をロシア領として認めることはないという。

この件について、ブルームバーグが外交筋の話に先駆けて報道。提案にはウクライナに対する「安全の保証」のほか、欧州連合(EU)への迅速な加盟に向けた道筋などが盛り込まれるとしていた。さらに、ロシアがウクライナに続き停戦に同意し、双方が領土拡大の停止にコミットすれば、ロシアに連行された全ての子どもたちをウクライナに帰還させ、囚人の交換を実施することが想定されていると報じていた。

ブルームバーグによると、ロシアに対する制裁は段階的に解除されるが、凍結されている約3000億ドルの資金は、ロシアがウクライナ復興への貢献に同意した場合にのみ返還される。ただ、ロシアが再びウクライナ攻撃に転じれば、制裁は再発動される見通しという。

ロイターは独自にこの報道を確認できていない。

英独仏を含む欧州首脳はこの日、ウクライナと共同声明を発表し、ロシアのウクライナ侵攻を巡り、現在の戦線で停戦を求めるトランプ大統領の呼びかけを支持すると表明。ウクライナを支援する約35カ国は24日にロンドンで「有志連合」のを開催。フランスのマクロン大統領によると、ウクライナのゼレンスキー大統領も出席する。

▽ロの外交への意欲後退、トマホーク供与巡る決定欠如で=ゼレンスキー氏<ロイター日本語版>2025年10月22日午前 4:06 GMT+9

ロの外交への意欲後退、トマホーク供与巡る決定欠如で=ゼレンスキー氏

[キーウ 21日 ロイター] – ウクライナのゼレンスキー大統領は21日、ウクライナへの長距離巡航ミサイル「トマホーク」供与に関する米国の決定延期によって、ロシアは「ほぼ自動的に外交への関心を失った」という認識を示した。

さらに、ロシアが再び、ウクライナ紛争終結に向けた「外交手段を拒否するためにあらゆる手段を講じている」と非難した。

ゼレンスキー大統領は、「ウクライナの長距離攻撃能力が高まれば高まるほど、ロシアの戦争終結への意欲も高まる。ここ数週間で、それが改めて確認された」と指摘。トマホークは「外交への強力な投資」となっており、ウクライナは欧州や米国の同盟国と長距離兵器に関するさらなる協議を行う意向を示した。

また、 自身とトランプ米大統領は現在の戦線を交渉の出発点とすることで合意したと述べた。

米ロ首脳会談に向けたルビオ米国務長官とロシアのラブロフ外相による準備会合が延期と, opens new tabなるなど、 首脳会談の実現には暗雲が立ち込めている。

▽米ロ首脳、「即時」会談の予定なし=ホワイトハウス高官<ロイター日本語版>2025年10月22日午前 1:03 GMT+9

米ロ首脳、「即時」会談の予定なし=ホワイトハウス高官

[ワシントン 21日 ロイター] – 米ホワイトハウス高官は21日、トランプ大統領とロシアのプーチン大統領が「ごく近い将来」に会談する予定はないと明らかにした。

トランプ大統領は16日、プーチン氏と「2週間以内にも」会談する考えを表明していた。

高官はまた、ルビオ米国務長官とロシアのラブロフ外相が20日に行った電話会談は「生産的だった」としたものの、両氏による直接会談の計画もないと述べた。