▽参院1回目投票で安野貴博氏が2票、社民と保守割れる 首相指名選 松原仁氏は自身に<産経ニュース>2025/10/22 12:41

衆院本会議場で行われた首相指名選挙=21日午後、衆院本会議場(成田隼撮影)
衆院本会議場で行われた首相指名選挙=21日午後、衆院本会議場(成田隼撮影)

高市早苗首相が選出された21日の衆参両院での首相指名選挙は特色ある投票行動も明らかになった。決選投票にもつれた参院の1回目投票で、チームみらいの安野貴博代表は2票を獲得した。安野氏自身に加え、参院会派「立憲民主・社民・無所属」の泉房穂氏(無所属)が投じた。社民の福島瑞穂党首は立民の野田佳彦代表に投じたが、ラサール石井参院議員は1回目を福島氏に。日本保守党の参院議員(2人)も投票行動が分かれた。

参院無所属の寺田氏は高市氏

保守党の百田尚樹代表は決選投票で高市氏に投じたが、1回目は自身に。もう1人の参院議員、北村晴男氏は1回目から高市氏に入れた。

国民民主党の小林さやか氏は決選投票で玉木雄一郎代表に投じる党の方針にも関わらず、高市氏に投じ、物議を醸した。

国民民主の伊藤孝恵氏は過去5回の首相指名選で1票を得ていたが、今回は途絶えた。過去5回伊藤氏に投じた無所属の寺田静香氏は今回、「女性首相の誕生」を期して、高市氏に1票を投じたとSNSで明かした。

有志の会・北神氏は高市氏

衆院は1回目の投票で高市氏が過半数を得た。

衆院会派「有志の会」(4人)は緒方林太郎氏、福島伸享氏が同派代表の吉良州司氏に投じた一方、北神圭朗氏は高市氏に。北神氏は記者団に、高市氏について「外国人の土地取得規制などで方向性が合う」と語った。

野党系無所属の中村勇太氏も高市氏に入れた。中村氏は22日、X(旧ツイッター)にコメント動画を投稿し、選挙制度改革などを進めるため「少し与党に近い立場で政治を見て情報を取らないと政治判断が難しくなる」と語った。自民党入りの考えは否定した。

保守党を離党した河村たかし氏は2票を獲得。内訳は自身と同じく同党を離党した竹上裕子氏だった。

無所属の松原仁氏は自身に投じ、1票を獲得した。

▽首相、玉木雄一郎氏「かわいい弟」、豊田真由子氏に「きれいになった」 各会派にあいさつ<産経ニュース>2025/10/22 12:35

首相指名選挙を終え、国民民主党の玉木雄一郎代表(右)を訪ねた自民党の高市早苗総裁=21日、国会内(成田隼撮影)
首相指名選挙を終え、国民民主党の玉木雄一郎代表(右)を訪ねた自民党の高市早苗総裁=21日、国会内(成田隼撮影)

自民党の高市早苗総裁は21日午後に首相に選出された後、鈴木俊一幹事長らとともに国会内で与野党各会派にあいさつ回りした。今後の論戦への緊張感をやわらげるかのように、旧知の議員と親しく言葉を交わした。

立憲民主党では、帰り際に野田佳彦代表が「焼き肉ごちそうできなくなりましたけど」と声を掛けると、首相が「え? 焼き肉?」。「焼き肉弁当ぐらいは届ける」と話す野田氏に、首相は「焼き肉連れてってくれるって言ったよね」と公約の履行を迫った。野田氏は松下政経塾で首相の4期先輩。

国民民主党では、記念撮影の際にフリー記者が「玉木さん、最後の晴れ姿だから」と声を掛けると、首相が「何言ってるのよ、かわいい弟に」と〝抗議〟。玉木氏は「安住さんに弟って言われるよりいいな」と応じた。立民の安住淳幹事長が15日のメールマガジンで「そうだ、今日から玉木くんを弟のように可愛がろうと思う」と書いたことを意識した発言だ。

参政党では、元自民の豊田真由子政調会長補佐が「ご無沙汰しております」と話すと、首相は豊田氏の肩をたたきながら、「売れっ子じゃん最近、すごい売れっ子じゃん」。「ご指導よろしくお願いします」と頭を下げる豊田氏に「きれいになったなあって、旦那とテレビ見て(話していた)」と持ち上げた。

▽高市首相、日銀が政府と十分に連携密にすること大事-金融政策<bloomberg日本語版>2025年10月21日 22:45 JST

照喜納明美

  • 金融政策は経済政策の一環、手法は日銀に委ねられるべきだ
  • 最優先は物価高への対応、経済政策の策定指示を表明

高市早苗首相は21日夜、新内閣発足後の就任会見を行い、「マクロ経済政策の最終的な責任は政府が持つものだ」とし、日本銀行は政府と意思疎通を図っていくことが重要だとの認識を明らかにした。

  高市首相は日銀の金融政策について「経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、日銀が政府と十分に連携を密にして意思疎通を図っていく、これが何より大事だ」と指摘した。また、金融政策の手法については日銀に委ねられるべきものだとも述べた。

  昨年の総裁選で高市首相は日銀の利上げをけん制する発言をしていた。自民党総裁就任後は、金融政策の手法は委ねるとしつつ、政府の政策と整合性を取るよう促す発言を繰り返していた。来週開かれる日銀の金融政策決定会合を前に首相として改めて注文を付けた形だ。

Japan's Prime Minister Sanae Takaichi News Conference
就任会見に臨む高市早苗首相Photographer: Eugene Hoshiko/AP/Bloomberg

  その上で、日銀に対し、2%の物価安定目標の実現向けて、経済、物価、金融情勢を踏まえながら「コストプッシュだけではなく、賃金上昇も伴って緩やかに、持続的・安定的な実現に向けて適切な金融政策運営を行うこと期待している」と要請。政府と日銀の共同声明(アコード)については直ちに見直す考えはないとした。

物価高対策

  また、「最優先事項は物価高への対応」だと述べ、初閣議で経済対策の策定を指示する方針を明らかにした。

  具体的には与野党で合意しているガソリン税の臨時国会での廃止法案成立を目指すほか、軽油引取税の暫定税率についても「新年度までの廃止が望ましい」と指摘。大敗した参院選で自民党が掲げた一律給付は「国民の理解が得られなかった」として実施しない方針を表明した。

  経済政策を含めた野党からの提案に関しては、「私たちの基本政策と矛盾しない限り、原則として受け入れる方向で前向きに議論する」と語った。

その他の内容:

  • 診療・介護報酬を前倒しで改定
  • 国・地方・自治体から民間への請負契約単価の物価上昇を踏まえた見直し
  • 電気ガス料金の支援
  • 来年4月から高校無償化と教育費を無償化
  • 所得税の基礎控除などを物価上昇に応じて見直す制度設計を年内に取りまとめる
  • 給付付き税額控除の制度設計を進める

  高市首相は自らの内閣について「決断と前進の内閣」だとし、「国民の皆さまと共にあらゆる政策を一歩でも二歩でも前進させていく」と述べた。経済対策が最優先だとし、「解散どうのこうのと言っている暇はない」とも指摘し、早期の衆院解散を否定した。

日米首脳会談

  外交日程もめじろ押しだ。来週には東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議、アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議が開かれる。高市氏は「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)を外交の柱とする」と表明。「基本的価値を共有する同志国やグローバルサウス諸国との連携を深める機会にしたい」と意気込みを語った。

  来週に想定されるトランプ米大統領との首脳会談では、日本の防衛力をしっかりと充実させていくと伝えたいと発言。国家安全保障戦略など防衛3文書の見直しを指示する考えも示した。日本は「米国の対中、インド太平洋戦略に不可欠なパートナーだ」と述べ、FOIPの重要性も訴えたいと語った。

  また、歴史認識などの問題を巡って悪化が懸念されていた日韓関係については「重要性は今、一層増している」とし、未来志向で安定的に発展させたいと述べた。

 
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