Rachel Metz

  • サイトを開くとAsk ChatGPT(ChatGPTに聞く)が表示される
  • 映画レビューの要約やレシピに必要な食材の注文も依頼できる
The OpenAI virtual assistant logo on a laptop computer in Riga, Latvia.
The OpenAI virtual assistant logo on a laptop computer in Riga, Latvia. Photographer: Andrey Rudakov/Bloomberg

OpenAIは、対話型生成AI(人工知能)ChatGPTを搭載した同社初のウェブブラウザー(閲覧ソフト)を発表した。アルファベット傘下のグーグルと検索分野で競争が激化すると予想される。

  新ブラウザー「ChatGPT Atlas(アトラス)」は、個々のユーザーにより最適化したウェブ体験を提供し、航空券予約や文書編集の作業もこなす。ユーザーがサイトを開くと画面に「Ask ChatGPT(ChatGPTに聞く)」が表示され、サイドバーで閲覧ページについてやり取りする仕組みだ。

  例えば映画レビューを開いた際に要約を求めたり、レシピを見つけた後に必要な食材をオンライン注文する手伝いを依頼したりできる。

  ブラウザーをAIで刷新しようとする企業が増え、OpenAIも本格的に参入した。AI検索エンジンの米新興企業パープレキシティは、ユーザーの作業を自動化するアシスタント機能を持つAIブラウザー、Comet(コメット)をリリースし、Opera(オペラ)やザ・ブラウザー・カンパニーも自社ブラウザーへのAI機能の統合を進めている。

  OpenAIのサム・アルトマン最高経営責任者(CEO)は21日のライブ配信イベントで、「これはChatGPTを中心に開発されたAI搭載のウェブブラウザーだ」と述べ、AIはブラウザーという概念を見直す「10年に一度のチャンス」との認識を示した。

  AtlasはまずアップルのmacOS向けに全世界でリリースされ、マイクロソフトの基本ソフト(OS)ウィンドウズ、アップルのスマホ向け基本ソフトiOS、グーグルのアンドロイドにも順次対応する。高度なAIエージェント機能は当面、有料版ChatGPT(プラスおよびプロ)ユーザーのみに提供される。

  グーグルは今年9月、生成AI「Gemini(ジェミニ)」をクロームブラウザーに統合すると発表。閲覧中のウェブページの解説や複数タブを横断する情報要約、閉じたサイトの復元などを可能にした。

  21日の米株市場で、アルファベットの株価は一時4.8%急落し、前日比2.4%安で取引を終えた。

原題:OpenAI Takes On Google With AI-Powered ChatGPT Web Browser (2)(抜粋)