▽「私のこともよく認識」と高市首相、トランプ大統領と電話会談<ロイター日本語版>2025年10月26日午前 10:34 GMT+9

[26日 ロイター] – マレーシアを訪問中の高市早苗首相は25日、トランプ米大統領と初めて電話で会談した。高市首相は記者団に「私のこともよく認識していただいていた」と内容を説明し、「安倍(晋三)首相の思い出話もされながら、安倍首相がとても気にかけていた政治家であることも知っていると話していた」と語った。
高市氏は「日米同盟の強化が私の政権で外交安全保障の最重要事項だと伝え、日米同盟をさらなる高みに引き上げていくことで一致した」と話した。また、「日本は米国の対中戦略やインド太平洋戦略にとって非常に重要な国だと伝え、自由で開かれたインド太平洋を一緒に進めていきましょうと申し上げた」と語った。
高市氏によると、トランプ氏は大統領専用機でマレーシアへ向かう途中だったという。同国では26日から東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議が開かれる。
トランプ氏は27日から訪日し、28日に高市氏と首脳会談を開く。
▽トランプ氏の来日控え都内厳戒…最大1万8000人態勢で警備、首都高速や一般道で交通規制<読売新聞オンライン>2025/10/26 22:30
トランプ米大統領が27日から来日するのに伴い、東京都心は厳戒態勢が敷かれている。警視庁は、2019年の前回来日時と同規模の最大約1万8000人態勢で警備に臨み、テロの未然防止に努める。
米国大使館周辺で車両検問を行う警察官ら(26日、東京都港区で)
東京都港区の米国大使館周辺では26日、車両検問が行われ、警察官が鏡を使って車体下部に不審物がないか確認した。爆発物を検知する警備犬も投入し、植え込みなどを入念に調べた。
米国大使館周辺で車両進入を防ぐ柵を設置する警察官ら(26日、東京都港区で)
トランプ氏は29日までの滞在中、天皇陛下との会見や、高市首相との初の対面会談を行う。トランプ氏の移動時には、首都高速道路や一般道の一部で交通規制が行われる予定だ。
同庁は有事に備え、訪問先周辺で、テロリストを銃器で制圧する「緊急時対応部隊(ERT)」を待機させ、ドローンを操縦不能にする電波妨害(ジャミング)装置も配備する。
同庁の高橋大作・警備1課長は「何かおかしいと感じた時には、迷わず警察へ通報してほしい」と話している。
▽高市首相は「極右」か「信頼できるタフな味方」か リベラルと保守の評価、米国でも割れる<産経ニュース>2025/10/27 07:00

トランプ米大統領が来日して行われる28日の日米首脳会談を前に、女性初の総理となった高市早苗首相への関心が米国でも高まっている。神田外語大で講師を務める米国人研究者ジェフリー・ホール博士(日本政治)の下には、米公共ラジオ(NPR)など海外メディア計7社から取材が相次いだ。首相を「極右」と警戒する記者がいる一方、トランプ政権や米保守層には「タフで信頼できる味方」になり得るとの期待があるという。ホール博士は産経新聞の書面インタビューに応じ、日本初の女性首相誕生が米社会でどう受け止めているかを語った。
女性リーダー「米国より先」に注目
── 高市首相の就任に関する米国の反応は
「ほとんどのメディア、日本が初の女性指導者を選出した歴史的意義に焦点を当てている。小泉進次郎氏や玉木雄一郎氏のような男性が首相になっていたら、恐らく日本への注目度はもっと低かった。トランプ大統領も高市首相を『高い知性と強さを兼ね備えた、非常に尊敬される人物』と評するなど好意的にみている。トランプ氏が高市政権に敵対的な姿勢を取らないという前向きな兆候だ」
── 日本で「ガラスの天井」が破られたことへの受け止めは
「日本にとって歴史的瞬間と見られている。国際的な男女平等ランキングで米国より下位の日本が、米国に先駆けて初の女性指導者を選んだ点も注目に値する。米国でも女性が大統領に選ばれる可能性はあったが、まだ到達できていない」
「米国の保守層は高市首相の誕生を日本の良い変化とみるだろう。しかし、米国のリベラルは男女平等に関して非常に保守的な考えを持つ女性の選出を進歩の兆候とはみないだろう」
「不法移民反対」を米保守層は好感
── 高市首相の保守的な政策や安全保障への姿勢は、米国でどのようにみられているか
「高市首相は米国で安倍晋三元首相の保守路線の後継者とみられており、しばしば安倍氏について好意的に話すトランプ氏とその政権から肯定的に評価される可能性は高い。米国の保守層はトランプ氏と安倍氏の友情をとても好意的にとらえているので、安倍氏と似ているといわれる高市首相のことも評価するだろう」
「高市首相は公然と不法移民に反対しているが、この問題は米国の保守層やトランプ政権にとっても重大な懸念だ。この類似は彼らの高市氏への好感度を非常に高めるだろう」
「また、高市首相が(対米関税交渉を担当した)赤沢亮正氏を(閣内に)留めた判断は、日米貿易関係の安定を求め、石破茂前政権の下で合意した取引を完全に実現しようとする取り組みだと受け止められるだろう」
「ヘビーメタル好き」への関心高く
── 高市首相のリーダーシップに対する米社会やメディアの受け止めは
「米主要メディアは、米国人が男性優位と捉える日本で高市首相が『ガラスの天井を破った』ことに注目している。しかし、彼女の保守的な考えを男女平等に反するものだとしている。高市首相を『強硬保守』や『極右』、『国家主義者』と位置付け、彼女の首相就任は日本政治の右傾化を示すとみている」
「米メディアはまた、高市首相がヘビーメタルファンだと伝え、彼女の楽しい一面にも注目している。多くのメディアがドラムを演奏する彼女の写真を使用していた。安倍氏がマリオの帽子をかぶったリオ五輪での写真を連想させる象徴的な絵柄となったかもしれない。私は7つの海外メディアから取材を受けたが、ほとんどが高市首相のヘビーメタル好きを尋ねてきた」
「米国では政府機関閉鎖による政治的混乱が続いており、国際ニュースに大きな関心を払う人は多くないかもしれない。安倍氏が国際的に認知されるまでに数年かかったように、高市首相の評価が固まるには時間がかかるだろう。トランプ氏の訪日で米国人の日本への関心も高まるはずだ」
「鉄の女」が高める信頼
── 高市首相の就任は、今後の日米関係にどのような影響を与えるか
「高市首相が前政権の姿勢を継承し、トランプ氏に対して非常に友好的でとても敬意を払う姿勢を続けるなら、日米関係は良好だ。防衛費を増額すれば、ワシントンは確実に喜ぶ。トランプ政権は日本に強い親米の指導者を求め、高市首相がそうであることを望んでいる。『日本の鉄の女』という評判は、米国の保守層に高市首相は『タフで信頼できる味方』になり得ると確信させるだろう」
(村田幸子)
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ジェフリー・J・ホール氏 神田外語大講師。米ジョージ・ワシントン大卒、早稲田大大学院で博士号。著書に『Japan’s Nationalist Right in the Internet Age』(Routledge)など。
▽高市首相、政府専用機で初外遊に出発へ 協力強化に向けマレーシアでASEAN会議<毎日新聞>2025/10/25 07:06

高市早苗首相は25日、マレーシアで開かれる東南アジア諸国連合(ASEAN)関連首脳会議に出席するため、政府専用機で羽田空港を出発する。就任後初の外国訪問。政府はシーレーン(海上交通路)の要衝に位置し、経済成長が続く東南アジア諸国との関係を重視し「自由で開かれたインド太平洋」実現に向け、経済や安全保障分野で協力を強化したい考えだ。
首相は26日に議長国マレーシアのアンワル首相と会談する予定。同志国軍を支援する枠組み「政府安全保障能力強化支援(OSA)」を通じ、機材提供を表明する見通し。フィリピンのマルコス大統領との会談も調整している。
26日午後には日ASEAN首脳会議に臨む。共同声明を発表し、法の支配に基づく自由で開かれたインド太平洋の実現に向けた協力を申し合わせる。
日本と東南アジアなどとの脱炭素の連携枠組み「アジア・ゼロエミッション共同体(AZEC)」首脳会議にも出席する。27日に帰国し、同日からのトランプ米大統領の来日に備える。


