ベセント米財務長官(右端)と会談する片山財務相(左端)=27日夜、財務省
ベセント米財務長官(右端)と会談する片山財務相(左端)=27日夜、財務省

米財務省は28日、東京都内で27日に開かれた日米財務相会談で、ベセント米財務長官が「アベノミクス導入から12年が経過し、状況が大きく変化している」と指摘し、過度な為替レートの変動を防ぐために健全な金融政策の策定を求めたことを明らかにした。円安を牽制(けんせい)する狙いとみられる。片山さつき財務相は会談後、日銀の金融政策は「直接的な話題にはならなかった」と記者団に説明していた。28日午後の東京外国為替市場では、これを受けて円相場が上昇した。

米財務省が公表した全文は以下の通り。

ベセント財務長官は昨日(27日)、日本の片山さつき財務相と会談した。ベセント長官は日米同盟と、今後数カ月にわたる両長官間の建設的な協力の機会について、強い確信を片山財務相に伝えた。

ベセント長官は、検討中の日本の財政措置に関する片山財務相の見解を聞き、その潜在的な影響をよりよく理解するため、包括的な政策パッケージが策定されるにつれて、さらに詳しく知りたいと熱意を表明した。

会談の中で、ベセント長官は、アベノミクス導入から12年が経過し、状況が大きく変化していることから、インフレ期待を安定させ、過度な為替レートの変動を防ぐ上で、健全な金融政策の策定とコミュニケーションが重要な役割を担うことを強調した。

ベセント長官は、前内閣での規制緩和に関する片山財務相の卓越した功績を称賛し、日本経済の生産性向上を引き続き推進できると確信していると述べた。