▽日米の協力が抑止力と対処力を確かなものにする=高市首相<ロイター日本語版>2025年10月28日午後 5:16 GMT+9

[東京 28日 ロイター] – 高市早苗首相は28日、来日中のトランプ米大統領とともに横須賀に停泊中の原子力空母ジョージ・ワシントンを視察し、「日米の協力が抑止力と対処力を確かなものにする」と強調、日本の防衛力を強化し、トランプ大統領と共に日米同盟をさらなる高みに引き上げると語った。
高市首相は、自衛隊員と在日米軍に「心からの敬意と感謝」を伝えた上で、「われわれはかつてないほど厳しい安全保障環境に直面している」とし、「平和は確固たる決意と行動で守られる」と述べた。
首相は2019年に故安倍晋三首相とトランプ大統領が、同じ横須賀で「この地域の平和と安全を確保していくという決意を示した」と振り返り、「再び日米の最高指揮官が並び立ったこの機会に私はその決意を引き継ぎ、インド・太平洋を自由で開かれたものとし、地域の平和と繁栄の礎とする決意を新たにした」と述べた。
首相と大統領は都内から大統領専用ヘリコプターで横須賀を訪問した。横須賀到着後トランプ大統領は記者団に対し「彼女は偉大な首相の一人になる」と述べた。
▽日米首脳が初会談、レアアース・関税合意の2文書に署名 「最も重要な同盟国」<ロイター日本語版>2025年10月28日午後 12:38 GMT+9
日米首脳が対面で会談、高市氏「同盟を新たな黄金時代に」(字幕・28日)
[東京 28日 ロイター] – 高市早苗首相とトランプ米大統領は28日午前、東京・元赤坂の迎賓館で初めて対面で会談した。両首脳は日米同盟の重要性を確認するとともに、日米関税合意の着実な履行と、希土類(レアアース)の供給確保に関する2つの文書に署名した。
高市氏は「日米をより強く豊かにするために同盟の新たな黄金時代を大統領と作り上げていきたい」と述べ、トランプ氏も日本が「最も重要な同盟国」との認識を示し、日本が米国とともに歩んでいくことを楽しみにしていると応じた。
スマートフォンや戦闘機など幅広い製品に使われるレアアースや重要鉱物についての文書は、供給網の確立に向け、非市場的政策や不公正な貿易慣行に対処すると明記。また、多様で流動性があり公正な市場の発展を加速させるため、両国が経済政策手段の活用と協調投資を通じて協力するとした。
トランプ氏は中国の習近平国家主席と30日に韓国で会談する。中国が今月、レアアース輸出規制を大幅に強化したことを受け、トランプ氏は中国製品に新たに100%の追加関税をかけると表明していたが、前週末の米中閣僚級協議後にベセント米財務長官は、100%追加関税は回避され、中国のレアアース輸出規制が延期されることになるとの見通しを示している もっと見る 。
高市首相は会談の冒頭、トランプ氏に対し、故・安倍晋三元首相との長きにわたる友情に感謝を表明した。安倍元首相とトランプ氏の結びつきを土台に、早期に信頼関係を築く姿勢を示した。
マーゴ・マーティン米大統領特別補佐官兼広報顧問のXへの投稿によると、高市首相はトランプ氏に松山英樹選手のサイン入りのゴルフバッグと安倍元首相のパターを贈った。
また、ホワイトハウスのレビット報道官は、高市首相がトランプ大統領をノーベル平和賞に推薦する考えだと明らかにした もっと見る 。
両首脳は「日米同盟の新たな黄金時代に向けた合意の実施」と題した別の文書で、7月の日米関税合意や、それに基づく5500億ドル(約83兆円)の対米投融資に関する9月の覚書などについて、実施に向けた「強い決意」を確認。合意が両国の経済安全保障の強化、経済成長の促進に資するとした。

両首脳は会談後、北朝鮮による拉致被害者の家族と面会した。
高市氏は会談で、世界の平和と安定に対するトランプ氏の関与を「高く評価する」とし、日本が外交の柱とする「自由で開かれたインド太平洋(FOIP)」の進展に向けて日米の協力関係を強化していきたい考えを示した。
高市氏は「日本の外交力・防衛力・経済力・技術力・情報力・人材力を強くするリーダーとして働いていく」と決意を表明した。
トランプ大統領も、安倍元首相の死去について「私の親しい友人で、本当に悲しい出来事、衝撃的な出来事だった」と振り返った。その上で、高市氏については安倍元首相からよく聞いており、「素晴らしい仕事をするのは間違いない」と評価した。
トランプ氏は日本が米国から防衛装備品を調達することに感謝の意を述べた。日米の関税合意について非常に公平な協定になっているとの認識も示した。
高市、トランプ両氏が対面で会談するのは今回が初めて。25日に電話で会談した際、トランプ氏は緊密な関係を築いた安倍元首相の思い出話に触れたという。トランプ氏は記者団に、高市氏が安倍氏と良好な関係にあったことに言及した上で、「彼女はきっとうまくやる」と語った。
一方、高市氏は記者団に「私のこともよく認識していただいていた」「安倍首相がとても気にかけていた政治家であることも知っていると話していた」と電話会談の内容を説明した。
高市首相は、来年の米国建国250周年を「日本も共に盛大に祝いたいと思っている」と述べ、首都ワシントンに桜の木250本を寄付する予定と明らかにした。また、7月4日の独立記念日の式典では、秋田県の花火が打ち上げられるという。
