高市政権のロケット・スタート。東南アジア各国との首脳会談。トランプ大統領だけではない。中国の習近平首脳との対面会談も実現した。政治的バブルに近いものがある。何かが変わったわけではない。すべてはこれからだ。にもかかわらずマーケットは、アベノミクスの再来を凌ぐ円安に株高、巨額投資の夢物語。何もかも異常だ。実績は何もない。それでも先取りするかのように投資資金が世界中を飛び回っている。無能・無策だった岸田・石破政権の反動だろう。自民党主流派のもとで抑圧されてきた鬱憤が、高市政権発足とともに爆発した。タイミングよくASEANとAPEC首脳会議が重なった。高市総理は幸運の女神に恵まれた。運に恵まれるのも政治家の資質の一つだ。でも勘違いすべきではない。すべてはこれからなのだ。前途は決して生易しくはない。批判勢力も反対派も多い。正常化には時間もかかる。
それにしても異常なのは日本だけではない。数日前にNVIDIAの時価総額が5兆ドルに達した。日本円に換算すれば760兆円を優に超えている。Googleによると世界の株価の時価総額は145兆ドル(9月末現在)だそうだ。このうち米国が70.2兆ドル、日本が7.5兆ドル。NVIDIAの5兆ドルがいかに大きいか、想像を絶するものがある。今朝のニュースによるとメタは300億ドル規模の債券発行を決めた。AI投資に備えるためだ。巨大な“うねり”が日米両国を覆っている。原動力はA Iだ。その中心にいるのがNVIDIA。9月にはPhysical AI(AGI=汎用半導体)の浸透で、ロボット市場が急拡大するとの見通しを示した。これが巨大な“うねり”を生み出した。モルガン・スタンレーによると2028年までに、大手テック企業はデータセンターをはじめとしたインフラ投資に3兆ドルを注ぎ込むと予測する。
“うねり”はテックだけではない。現在進行中のMLB・W S、NHKの実況中継を見ていたらドジャー・スタジアムの入場料は、一番高い3階席が1人15万円、バックネット裏の最前列はなんと450万円と、アナウンサーが説明していた。聞き間違いか、グッグってみた。そこに提示されていた金額はこれ以上に高かった。異常というより異世界だ。それでもスタジアムは満席。なんということだ。ひょっとするとこれは未来社会か、インフレで1円、2円に気を遣う庶民の方が異常なのかもしれない。異常とは何か、頭の中で脳細胞が空回りする。そういえばトランプ大統領との首脳会談で、高市総理は80兆円投資の枠組みについて正式に署名した。だが、中身は何も決まっていない。現時点では相変わらずの夢物語だ。従属外交の極みと言ってもいい。にもかかわらず、日米株式市場の急騰は止まらない。“うねり”は単なるバブルか・・・、未来は本当に明るいのか・・・。
