▽ハマス、新たに人質2遺体を返還 ガザで空爆続く中<ロイター日本語版>2025年10月31日午前 2:20 GMT+9

イスラエル軍、ガザで新たな攻撃 ハマスは人質2遺体を返還へ

[カイロ/ガザ/エルサレム 30日 ロイター] – イスラム組織ハマスは30日、イスラエル人人質の遺体2体を引き渡したと発表した。イスラエルのネタニヤフ首相官邸は、2体の遺体はパレスチナ自治区ガザの赤十字を通じてイスラエル軍に引き渡され、身元確認のためイスラエルに移送される予定だと述べた。

ハマスはこれまでに15体の遺体を返還。ハマスは死亡したとされる28人の人質全員を引き渡す予定だが、遺体の回収には時間がかかる可能性があるとしている。

ガザ地区での人質の遺体の回収と引き渡しは、トランプ米大統領のガザ地区計画における障害の一つとなっている。イスラエルは、ハマスが引き渡しを遅らせていると主張しているが、ハマスはこれを否定している。

これに先立ちガザで30日、イスラエル軍が航空機と戦車による攻撃を実施。同軍は、「部隊に脅威を与えるテロインフラ」を標的にした「正確な」攻撃を実施したと述べた。

目撃者によると、ガザ南部のハンユニス東部で航空機による10回の空爆のほか、ガザ市東部では戦車による砲撃があった。死傷者は報告されていない。

イスラエルとハマスは今月8日、トランプ米大統領のガザ和平計画の第1段階となる停戦と人質解放で合意した。しかし、イスラエルは28日夜、パレスチナ武装勢力による攻撃で兵士1人が死亡したことを受けて、空爆を開始したと表明。29日には、ガザでの停戦協定の履行を再開したと発表していた。

▽シリア暫定大統領、サウジでのイベントで投資呼びかけ<ロイター日本語版>2025年10月30日午後 12:56 GMT+9

Timour AzhariYousef Saba

シリア暫定大統領、サウジでのイベントで投資呼びかけ

[リヤド 29日 ロイター] – シリアのシャラア暫定大統領は29日、サウジアラビアの首都リヤドで開催された金融イベントに集まった金融・エネルギー業界首脳らに対して投資を呼びかけた。シリアは今年に入ってから既に総額280億ドルの投資を確保したが、さらに多くの投資を受け入れる準備が整っていると力説した。

イベント「未来投資イニシアチブ」で、シャラア氏は「わが国は投資による復興の道を選んだ。援助や支援によってシリアを再建する道は選ばなかった」とし、「シリアが誰かの負担になることを望んではいない。私たち自身の手でシリアを再建したい」と説明。また、シリアの法律改正により、資本と利益の大部分を本国に送金できるようになったことも紹介した。

シリアにはカタールやサウジなどの富裕国が既に投資を約束しているが、これを上回る規模の投資を求めている。シャラー氏はクウェートやバーレーン、ヨルダン、トルコなどからの追加投資獲得に向けて協議を進めていると明らかにした。

世界銀行の報告書は、シリアの復興には2160億ドルを要すると予測している。シャラア氏はこの金額が「控えめな最も低い推定値」だとの見解を示し、「シリアは物資輸送の重要な貿易回廊となる。世界は現在、東西間のサプライチェーン(供給網)や、欧州向けのガス供給網の不安定化に直面している」と訴えた。

イベントのテーマである「繁栄の鍵」に沿い、シャラア氏はシリアへの投資の「鍵」を握っているのがサウジだと強調。これに対して聴衆から拍手が起こり、最前列に座っていたサウジのムハンマド皇太子は満面の笑みを浮かべた。

サウジは今年7月、シリアに対して60億ドル超の投資を約束した。うち不動産・インフラ分野が29億3000万ドル、通信・情報技術分野が約10億7000万ドルとなっている。

シャラア氏はリヤドで国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティノ会長といった要人と会談し、28、29両日には来場者と自撮り写真を撮影した。