Helene Durand

  • 米国で175億ドル、欧州では65億ユーロ-背景には積極的なAI投資
  • テクノロジー大手の大型起債相次ぐ、メタは先週300億ドル発行

米グーグルの親会社アルファベットは、米国で175億ドル(約2兆7000億円)、欧州でも65億ユーロ(約1兆1500億円)相当の社債を発行する。人工知能(AI)分野への積極的な投資が進む中、テクノロジー企業による借り入れが活発になっている。

  非公開情報を話しているとして、匿名を条件にした事情に詳しい関係者によると、米国での社債発行は償還期限3年から50年まで8本立てとなる。最長期間の50年債の利回りは米国債利回りを1.07ポイント上回る水準で設定される見通し。当初の参考水準は1.35ポイントの上乗せだった。ドル建て債の応募額は900億ドルに上ったという。

  ユーロ建て債の発行規模は想定を2億5000万ユーロ上回る。ユーロ圏の金融機関以外の企業による起債としては今年2番目の規模になる。ドル建て債とユーロ建て債の発行は同社にとって4月以来となる。

  AI投資を加速させるテクノロジー業界では、大型の資金調達が相次ぐ。先週はメタ・プラットフォームズが300億ドルの社債を発行した。 これは今年最大の米ハイグレード債発行。

  モルガン・スタンレーによると、いわゆるハイパースケーラーと呼ばれる大手企業は、今後2028年までにデータセンターなどのインフラに約3兆ドルを投じ、その約半分をキャッシュフローで賄うが、残りは社債などの借り入れが重要な資金源になる見通しだ。

  アルファベットは今回の調達資金を借り換えなどに充てる可能性がある。関係者によると、ユーロ建て3年債はスプレッドは指標金利であるミッドスワップに対して25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上乗せ、39年債は158bp上乗せとなった。

  今回の主幹事には、ゴールドマン・サックス・グループやHSBCホールディングス、JPモルガン・チェースなどが名を連ねている。ゴールドマンとJPモルガンの担当者はコメントを控えた。HSBCの担当者はコメント要請に対して返答しなかった。

原題:Alphabet Is Selling $25 Billion of Bonds in US, Europe (4)(抜粋)