Nazmul Ahasan
- 生産指数は48.2、3カ月で2度目の縮小-雇用指数は9カ月連続で縮小圏
- 仕入れ価格指数は58、1月以来の低水準-4月から12ポイント近く低下
10月の米製造業活動は8カ月連続で縮小した。生産の縮小と弱い需要が影響した。供給管理協会(ISM)が製造業総合景況指数を発表した。
| キーポイント |
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| ・ISM製造業総合景況指数は48.7に低下 ・ブルームバーグ調査のエコノミスト予想中央値は49.5 ・前月は49.1 ・同指数は50が拡大と縮小の境目 |

生産指数は2.8ポイント低下して48.2。過去3カ月で2度目の縮小を記録した。生産の弱さが人員抑制につながっており、雇用指数は9カ月連続で縮小圏にとどまった。ただ縮小ペースはやや鈍化した。
ISM製造業調査委員会のスーザン・スペンス委員長は記者団との電話会見で、製造業者の間ではトランプ政権の通商政策を巡る全体的な不透明感への懸念が根強いと語った。「次にどの国が対象になるのか、どのコモディティーが規制の対象になるのか分からないというのが、全体としての雰囲気だ」と述べた。
一方、インフレ圧力は引き続き緩和傾向にある。仕入れ価格指数は3.9ポイント低下して58と、1月以来の低水準を記録した。大規模関税が発表された4月のピークからは12ポイント近く低下している。
キャピタル・エコノミクスの北米担当エコノミスト、トーマス・ライアン氏はリポートで、「今回の報告で最も心強い点は、仕入れ価格指数が3.9ポイント低下して58となり、関税導入表明後の最低水準に達したことだ」と指摘。「過去10年の平均に沿った水準に戻っており、関税による製造業の投入コストへの圧力は、最も厳しい時期を既に過ぎた可能性が高いことを示している」と述べた。
現在、米政府機関の一部が閉鎖されているため、公式統計が発表されておらず、エコノミストや政策担当者は経済や雇用市場の動向を判断する上で、ISMのような民間統計への依存を強めている。
10月に活動が縮小したのは、繊維や衣料、家具など12業種に上り、拡大したのは一次金属や輸送機器など6業種にとどまった。
今回のISM指数は、通商政策を巡る不透明感が依然として続く中で、全米の製造業者の間に広がる停滞感を浮き彫りにしている。企業は原材料の調達を巡ってサプライチェーンの再編を迫られている。入荷遅延指数は上昇して6月の水準に並び、リードタイム(発注から納品までの時間)の長期化を示している。
受注は2カ月連続で縮小圏となったが、前月からは上昇した。同じく需要の指標とされる受注残も縮小圏にとどまった。
在庫指数は1年ぶりの低水準。顧客在庫も引き続き低水準にとどまっており、今後の受注増と生産の下支えにつながる余地があることを示唆している。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US Manufacturing Shrinks for Eighth Month on Sluggish Demand (3)(抜粋)
