高市総理は昨日、責任ある積極財政に向けた政策を検討するために「日本成長戦略本部」を設置した。本部長は総理が務める。同本部の初会合が昨日、全閣僚が出席した開かれた。NHKによる高市総理はこの席でAIや造船、防衛産業など17の戦略分野ごとに担当閣僚を指名。「来年夏に新たな成長戦略を策定するため、検討を進めるよう」指示した。合わせて同会議の下に「日本成長戦略会議」が設置され、12人の有識者メンバーが内定した。これから各メンバーの同意を得て正式に指名される。内定したメンバーには経団連会長や連合会長に加えて、クレディ・アグリコル証券東京支店チーフエコノミストの会田卓司氏、PwCコンサルティングの上席執行役員でチーフエコノミストの片岡剛士氏、日本電鍍工業代表取締役の伊藤麻美氏などが含まれる。
初会合のあと高市総理は事務局を訪れ、「成長戦略の肝となるのが危機管理投資でこれは世界の潮流だ。それぞれの持ち場で知恵を振り絞って、一刻も早く強い経済を取り戻して日本を成長路線に乗せていきたい」と訓示した。この日は外国人政策をめぐる閣僚会議も開かれ、ここでも「来年1月をめどに基本的な考え方を取りまとめるよう」指示した。また国会では衆議院本会議が開かれ、総理の所信表明演説に対する各党の代表質問が行われた。就任後初めての国会論戦も行われている。総理就任直後の外交日程をこなしたあと、3連休の間にも拉致被害者の救出を求める国民大集会に出席。北朝鮮に対して首脳会談を打診した事実を明らかにしている。自民党総裁就任挨拶で総理は「働いて働いて働いて働く。責任ある積極財政で日本を再生するためにライフ・ワーク・バランスを捨てる」と宣言している。初めての女性総理には、男性総理を上回る熱量がある。
この発言にリベラル陣営は労働市場改革を無視するものと反発していた。そんな批判を完全に無視した働きぶりと言っていいだろう。国民の手取りは増えず、物価高騰で生活は苦しくなっている。そんな時に国会議員には昼夜を問わず働いてもらいたい。庶民の多くはそう願っている。とはいえ、閣僚や国会議員が会議をすれば国民の生活が豊かになるわけではない。必要なのは結果だ。新内閣には結果責任が問われている。ガソリンの暫定税率廃止では片山財務大臣が官僚、とりわけインナーと呼ばれる党税調の反対を押し切って年内廃止を決めている。この経緯を伝え聞くところによれば、既得権益勢力が牛耳ってきた自民党内の力関係がガタガタと音を出してく崩れ始めている。平坦な道のりではないが一つ一つ結果を出していけば、日本を覆っている旧態依然とした考え方が変化する可能性もある。
