
▽「日本成長戦略本部」設置 高市首相 17分野に担当閣僚【一覧】<NHK>2025年11月4日午前11時55分
力強い経済成長の実現に向けて政府は「日本成長戦略本部」を設置しました。高市総理大臣は初会合でAIや造船、それに防衛産業といった17の戦略分野ごとに担当閣僚を指定し、来年夏に新たな成長戦略を策定するため、検討を進めるよう指示しました。
目次
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高市政権の新たな政策の4日の動きを一連の記事でまとめています。

外国人政策めぐる初の関係閣僚会議
外国人政策をめぐる初めての関係閣僚会議が開かれ、高市総理大臣は、来年1月をめどに基本的な考え方を取りまとめるよう指示しました。
高市政権発足後 初の衆議院代表質問 議員定数削減など論戦
国会は衆議院本会議で高市総理大臣の所信表明演説に対する各党の初めての代表質問が行われました。
政府は4日の閣議で、力強い経済成長の実現に向けて新たに「日本成長戦略本部」の設置を決定し、総理大臣官邸で高市総理大臣とすべての閣僚が出席し、初会合を開きました。
この中で、高市総理大臣はAIや造船、それに防衛産業といった17の戦略分野と、労働市場改革や賃上げ環境整備など複数の分野にまたがる8つの課題ごとに担当閣僚を指定し、来年夏に新たな成長戦略を策定するため、検討を進めるよう指示しました。
また、本部とは別に有識者らでつくる会議も設置し、経団連の筒井会長や連合の芳野会長らをメンバーとして内定しました。
高市総理大臣は「日本の供給構造を抜本的に強化し強い経済を実現するための成長戦略を強力に推進していく。戦略分野の供給力強化策として複数年度にわたる予算措置のコミットメントなど投資の予見可能性向上につながる措置を検討してほしい」と述べました。
【一覧】17の戦略分野・8つの課題 その担当閣僚は

戦略分野ごとの担当閣僚です。
▽AI・半導体は人工知能戦略を担当する小野田大臣と赤澤経済産業大臣。
▽造船は金子国土交通大臣と小野田経済安全保障担当大臣。
▽量子は科学技術政策を担当する小野田大臣。
▽合成生物学・バイオは赤澤経済産業大臣。
▽航空・宇宙は小野田経済安全保障担当大臣。
▽デジタル・サイバーセキュリティは赤澤経済産業大臣と松本デジタル大臣。
▽コンテンツはクールジャパン戦略を担当する小野田大臣。
▽フードテックは鈴木農林水産大臣。
▽資源・エネルギー安全保障・GXは赤澤経済産業大臣。
▽防災・国土強じん化は国土強じん化を担当する牧野大臣。
▽創薬・先端医療は科学技術政策を担当する小野田大臣と松本デジタル大臣。
▽フュージョンエネルギーは科学技術政策を担当する小野田大臣。
▽マテリアル(重要鉱物・部素材)は赤澤経済産業大臣。
▽港湾ロジスティクスは金子国土交通大臣。
▽防衛産業は赤澤経済産業大臣と小泉防衛大臣。
▽情報通信は林総務大臣。
▽海洋は海洋政策を担当する赤間大臣です。
また複数の分野にまたがる課題ごとの担当閣僚です。
▽新技術立国・競争力強化は赤澤経済産業大臣。
▽人材育成は松本文部科学大臣。
▽スタートアップは担当の城内大臣。
▽金融を通じた潜在力の解放は片山金融担当大臣。
▽労働市場改革は上野厚生労働大臣。
▽介護、育児等の外部化など負担軽減は城内成長戦略担当大臣。
▽賃上げ環境整備は担当の城内大臣。
▽サイバーセキュリティはサイバー安全保障を担当する松本デジタル大臣です。
「日本成長戦略会議」の有識者12人は
「日本成長戦略本部」のもとに設置された「日本成長戦略会議」の有識者には12人が内定しました。
内定したのは
▽クレディ・アグリコル証券東京支店チーフエコノミストの会田卓司氏
▽日本電鍍工業代表取締役の伊藤麻美氏
▽早稲田大学研究院教授の遠藤典子氏
▽PwCコンサルティングの上席執行役員でチーフエコノミストの片岡剛士氏
▽日本商工会議所会頭の小林健氏
▽東京大学公共政策大学院教授の鈴木一人氏
▽国際環境経済研究所理事で主席研究員の竹内純子氏
▽経団連会長の筒井義信氏
▽日本製鉄代表取締役会長兼CEOの橋本英二氏
▽AI事業などを手がける「シナモン」代表取締役社長CEOの平野未来氏
▽東京大学大学院工学系研究科教授の松尾豊氏
▽連合会長の芳野友子氏です。
高市首相が訓示「知恵を振り絞り 日本を成長路線に」

高市総理大臣と城内成長戦略担当大臣は4日午前、内閣府に設けた本部の事務局に看板かけを行いました。
このあと、高市総理大臣は「日本成長戦略本部」の事務局の職員に対し、訓示を行いました。
この中で高市総理大臣は「日本成長戦略の肝となるのが危機管理投資でこれは世界の潮流だ。それぞれの持ち場で知恵を振り絞って、一刻も早く強い経済を取り戻して日本を成長路線に乗せていき、将来に向かって『日本にいたら何の不安もない』と思ってもらえるようみなさまの活躍を心よりお願いする」と述べました。
城内成長戦略相「重点事項を早急に取りまとめる」

城内成長戦略担当大臣は閣議のあとの記者会見で「官民が連携して戦略的投資を促進し、世界共通の課題解決に資するような製品、サービス、インフラを提供することによりさらなる経済成長を実現し、成長戦略をより具体的に策定し推進していく。経済対策に盛り込む重点事項を早急に取りまとめ、来年夏に成長戦略を策定するため、精力的に検討を行う」と述べました。
木原官房長官「岸田政権の“新しい資本主義実現会議”も包摂」

木原官房長官は閣議のあとの記者会見で「岸田政権で設けられた『新しい資本主義実現会議』も含めてこれまでの政権で行われた議論を包摂した形で危機管理投資を肝とするさらなるわが国経済の成長の実現を目指し、『日本成長戦略会議』で精力的な議論、検討を行っていく」と述べました。
岸田元首相「高市首相の思いを実現していきたい」

自民党が新たに設置した「日本成長戦略本部」の本部長を務める岸田元総理大臣は総理大臣官邸で高市総理大臣と会談しました。
このあと岸田氏は記者団に対し「成長や投資に対する強い思いはしっかり受け止めた。成長と分配の好循環や、新しい官民連携を進めていかなければならず、資産運用立国の取り組みも大事だ。経済全体を動かす中で結果を出したいという高市総理大臣の思いを実現していきたい」と述べました。
国民 玉木代表「われわれも国内投資を後押しする政策を訴える」

国民民主党の玉木代表は記者会見で「『責任ある積極財政』ということで大規模な計画的投資は官民問わず必要だ。17分野について政府を挙げて投資を拡大しようという方針はわれわれとしても賛成だ。積み上がっている企業の内部留保を国内投資にどう回していくかがポイントであり、国内の雇用と新産業をつくるため、われわれとしても国内投資を後押しする政策を訴えていきたい」と述べました。
