Nazmul Ahasan

  • 新規受注は1年ぶり高水準、雇用は5カ月ぶり高水準で安定化の兆し
  • 仕入れ価格は3年ぶりの高い水準でインフレ圧力の強まりを示唆

米供給管理協会(ISM)が発表した10月の米非製造業総合景況指数は8カ月ぶりの高水準となった。新規受注が大きく回復したことが背景にある。

キーポイント
・ISM非製造業総合景況指数は前月比2.4ポイント上昇の52.4
 ・ブルームバーグがまとめたエコノミスト予想の全てを上回る予想
  ・中央値は50.8
 ・前月は50.0
 ・50が活動の拡大と縮小の境目

  新規受注は5.8ポイント上昇の56.2と、1年ぶりの高水準。ISM製造業指数の生産に相当する事業活動は4.4ポイント上昇して54.3と、再び拡大圏に戻った。

  需要が回復する一方で、インフレ圧力も一段と強まった。仕入れ価格は3年ぶりの高水準となる70に上昇。米サービス業が関税引き上げの影響をより強く受けていることを示した。

  ISM非製造業景況調査委員会のスティーブ・ミラー委員長は発表文で「関税が支払い価格に与える影響について引き続き報告が寄せられた」と説明。「大規模な人員削減の広がりを示す兆候はなかったが、連邦政府の閉鎖が事業活動に影響を及ぼし、将来的な人員削減への懸念を生んでいるとの指摘が複数あった」と述べた。 

  ただ、今後数カ月に影響がやや軽減される可能性もありそうだ。3日に発表されたISM製造業景況指数では、価格圧力が引き続き後退していることが示されており、この傾向がいずれサービス業にも波及するかもしれない。

  業種別では11業種が拡大。宿泊・飲食サービス、小売業、卸売業がけん引した。一方、6業種は縮小した。

  今回の統計では、雇用が安定化しつつある兆候も見られた。雇用指数は5カ月ぶりの高水準となる48.2に上昇。依然として縮小圏にとどまっているものの、縮小ペースは鈍化した。

  これに先立ち発表された10月の米ADP民間雇用者数も、3カ月ぶりに増加に転じ、雇用市場にいくらか安定が戻った可能性を示唆した。

関連記事:米民間雇用者数が4万2000人増、前月までの連続減から安定化示唆 (2)

  統計の詳細は表をご覧ください。

原題:US Services Activity Expands at Fastest Pace in Eight Months (3)(抜粋)