▽トランプ氏、ハンガリー首相と会談 対ロ原油制裁「適用除外」を検討<ロイター日本語版>2025年11月8日午前 5:46 GMT+9

Nandita BoseJeff MasonSteve HollandAnita KomuvesGergely Szakacs

トランプ氏、ハンガリー首相と会談 対ロ原油制裁「適用除外」を検討

[ワシントン 7日 ロイター] – トランプ米大統領は7日、訪米したハンガリーのオルバン首相とホワイトハウスで会談した。両氏は盟友関係を築いており、冒頭会談で移民問題やウクライナを巡る欧州連合(EU)内の対立といった見解の相違がある案件についてはほとんど触れなかったが、トランプ氏は記者団に対し、ロシア産原油に対する制裁でハンガリーに適用除外を認める可能性を検討していると明らかにした。

ハンガリーはロシア産原油への依存度が高く、米国がロシアの石油大手を制裁対象に加えたことを受け難しい立場に置かれている。オルバン氏は会談で、トランプ氏が欧州に対しロシア産原油の使用停止を迫る中でも、ハンガリーがロシア産原油を使用する必要がある理由を説明。この問題はハンガリーにとって極めて重要だと強調した。

トランプ氏は海に面していない内陸国であるハンガリーに一定の理解を示した上で、「ハンガリーが他の地域から調達するのは全く状況が異なる」と指摘。記者団に対し「オルバン氏にとって他の地域から石油や天然ガスを調達するのは極めて難しいため、われわれは(除外を)検討している」と述べ、ロシア産原油に対する制裁でハンガリーに適用除外を認める可能性を検討していることを明らかにした。

トランプ氏は、ハンガリーの首都ブダペストでロシアのプーチン大統領と会談する計画だったが、ロシアが停戦を拒否したことを受け会談は当面は棚上げされた。トランプ氏は、ロシアに戦争終結に向けた意思がないことが根本的な問題になっているとしながらも、最終的にはロシアは戦争を終わらせると考えているとした上で、オルバン氏にウクライナは戦争に勝てるかと質問。オルバン氏はこれに対し「奇跡が起こることもある」と応じた。

▽米、EUの凍結ロシア資産活用計画を全面支持=関係筋<ロイター日本語版>2025年11月8日午前 4:41 GMT+9

ブリュッセルの欧州委員会本部前に掲げられた欧州国旗

[7日 ロイター] – 欧州連合(EU)域内で保管されているロシアの凍結資産をウクライナ支援と戦争終結のため活用する案について、米政府が全面的に支持していることが7日、関係筋の話で分かった。

西側諸国がウクライナに侵攻するロシアに対する圧力を強める中、EUの執行機関に当たる欧州委員会は、欧州で凍結されているロシア資産約2100億ユーロのうち、最大1850億ユーロをEU加盟国が活用できるようにする計画を提案している。

▽ロシア、アフリカから1400人超の戦闘員投入 ウクライナ外相「死刑に等しい」<ロイター日本語版>2025年11月8日午前 3:26 GMT+9

Dan Peleschuk

ロシア、アフリカから1400人超の戦闘員投入 ウクライナ外相「死刑に等しい」

[キーウ 7日 ロイター] – ウクライナのシビハ外相は7日、 ウクライナに侵攻するロシアがアフリカ諸国36カ国から少なくとも1436人の戦闘員を投入していることが確認されたと明らかにした。

シビハ氏は「ロシア軍に起用された外国人戦闘員の運命は悲惨だ。多くは即座に『肉弾戦』に投入され、短期間で命を落とす」とXに投稿。ロシア軍と共に戦う契約は「死刑判決に等しい」とし、アフリカ各国政府に対し自国民に警告するよう呼びかけた。

その上で、アフリカからの戦闘員は現時点で特定された数を上回る可能性があると指摘。ロシアがどの国や地域から戦闘員を集めているのか、より具体的な情報を公表していくとした。

この件に関連して南アフリカは6日、ロシアとウクライナ間の戦争に傭兵として参加した17人の自国市民がどのような経緯で雇われたのかについて調査すると発表。ケニアは先月、自国民が意図せず紛争に巻き込まれ、ロシアの軍施設で拘束されていると明らかにした。

▽ロシア大統領府、ラブロフ外相とプーチン氏との不和説を否定<ロイター日本語版>2025年11月8日午前 3:14 GMT+9

ロシア大統領府、ラブロフ外相とプーチン氏との不和説を否定

[モスクワ 7日 ロイター] – ロシア大統領府(クレムリン)のペスコフ報道官は7日、米ロ首脳会談の開催が10月に凍結されたことを受けてラブロフ外相とプーチン大統領の確執が生じているとの憶測に関して「事実ではない」と否定した。ラブロフ氏が外相を続けるかどうかについては「もちろんだ。ラブロフ氏は外相として職務を遂行している」と言及した。

ラブロフ氏は10月20日、ルビオ米国務長官と電話会談し、ハンガリーの首都ブダペストで予定されていた米ロ首脳会談を巡って協議。協議が不調に終わったことを示唆する公式発表はなかったものの、トランプ米大統領は翌21日、「時間の無駄」となるような会談はしたくないとし、その後、「適切ではないと感じた」として会談を見送ったと明らかにした。

ラブロフ氏は今週、ロシアの安全保障会議の重要会合に欠席。プーチン氏は、今月下旬に開かれる20カ国・地域(G20)首脳会談(サミット)に、ラブロフ氏ではなくクレムリンの副首席補佐官がロシア代表団を率いることを決定した。一連の動きを受け、ラブロフ氏がプーチン氏の不興を買っているのではないかとの憶測が広がっている。ロシア国内のテレグラムの匿名チャンネルやクレムリンに批判的なロシア語メディアのほか、ウクライナメディアも取り上げている。

プーチン氏は、米ロがいずれも核大国であることを踏まえ、両国の関係改善がロシアの国益となるほか、世界の安全保障にとっても重要だとの認識を示している。