Philip Aldrick、Susanne Barton

  • デイビー会長、今回の騒動が辞任決断の一因であると説明
  • BBCは「左派のプロパガンダ機関」だと非難-ホワイトハウス報道官

英公共放送BBCは、ティム・デイビー会長が辞任すると発表した。2024年10月に放送されたドキュメンタリー番組「パノラマ」で、トランプ米大統領の演説内容を編集によって誤解を招く形で伝えたとする疑惑が浮上していた。

  問題となった番組は、2021年1月6日に首都ワシントンで行われたトランプ氏の演説を編集し、支持者に「議事堂まで歩いて行く」「死に物狂いで戦う」と呼びかけたように見せていた。実際には、トランプ氏は「勇敢な上院議員や下院議員、女性たちを応援する」と述べており、「死に物狂いで戦う」という発言は別の文脈で使われたものだった。

  先週、米ホワイトハウスのレビット報道官はBBCについて「100%フェイクニュース」で「左派のプロパガンダ機関」だと非難し、「意図的で不誠実だ」と述べた。

  ジョンソン元英首相も英紙デイリー・テレグラフへの寄稿で、デイビー氏に「真実を明らかにするか、辞任すべきだ」と迫っていた。

  デイビー氏は9日午後にBBCのスタッフに宛てたメモで、今回の騒動が辞任決断の一因であると説明。「唯一の理由ではないが、BBCニュースを巡る現在の議論が私の決断に影響を与えたのは間違いない」と述べた。

  BBCの発表資料によると、BBCニュース部門トップのデボラ・ターネス氏も辞任した。

原題:BBC Leaders Announce Exit as Trump Editing Controversy Rages (1)(抜粋)