支持率が高い高市政権。「責任ある積極財政」論が政権基盤を激しく揺さぶっている。財務省を中心に高市政権が発足しても、政権基盤を支えているのは財政健全化が命の面々。高市総理の周辺には「ザイム心理教」の教徒が跋扈している。補正予算の規模をめぐって高市官邸と財務省の教徒たちが水面下で激しく火花を散らしている。そんな状況を見透かしてか国民民主党の榛葉賀津也幹事長が昨日、参院予算委員会で絶妙な質問をした。高市総理と片山財務相の女性ツートップを「今、国会が大きく変わっている象徴」と指摘、「日本初の女性総理のみならず、大蔵省時代からの、日本初の女性財務大臣だ。女性だからすごいのではない。実際に政治を動かして、結果を出して党派を超えて政策を実現しようという推進力が、おふたりはすごいと思っている」と手腕をたたえた。
続けて曰く「今、このコンビはね、最強コンビと言われている。最強の強はね、最も強いというだけでなく、最も恐れられているという『最恐』。ネット上で、こう言われている」と述べ、「最恐評価」の受け止めをあえて高市総理に質問した。総理の答え。「残念です。恐ろしい方の字だったんですね」と笑いながら、「とある世論調査で『支持しない』理由の1位が『人柄が信頼できない』だった。私、そんなに性格悪いんかなあと、夫に言っていたところです」と嘆き節をひとくさり。そして「強い方の最強コンビで頑張っていきたい」と締め括っていた。片山氏は、「私は総理にひたすらついて参りますので、ご指導よろしくお願い申し上げます」と、こちらは控えめ。ガソリン暫定税率の年内廃止は片山氏が教徒たちを押し切って実現した。2人とも最強で最恐でもある。
その最強コンビが直面しているのが補正予算の規模だ。DSに取り込まれた石破前政権の昨年の補正規模は13.9兆円。中身よりも規模が最初に決まるのがこれまでの通例だ。財務省の見立てをそのまま受け入れていた。今回水面下の調整で財務省が官邸に提示した規模は13兆円と言われている。積極財政路線に激しく抵抗しているのだろう。この抵抗路線に逆抵抗しているのが最強コンビだ。いつもなら規模が先行するのに、その規模がいまだに決まらない。最強コンビがザイム心理教徒に眼光鋭くガンを飛ばしているせいだ。財務省が恐れ慄いている「最恐コンビ」なのだ。この勝負、結果がどうなるかまだわからない。でも見分けるのは簡単だ。出来上がった補正予算の規模が15兆円規模になれば官邸の勝ち。14兆円規模にとどまれば抵抗勢力の勝利。積極財政論が輝き続けるか、輝きを失うか。補正予算の規模が教えてくれる。
