
[ワシントン 12日 ロイター] – 米議会下院の監視・政府改革委員会の野党民主党議員団は12日、トランプ米大統領と、少女らへの性的虐待罪で起訴された後に自殺した富豪エプスタイン氏との関係について、新たな疑惑をもたらす資料を公開した。
公開されたのはエプスタイン氏が作家や同氏の協力者らに送った複数の電子メール。そのうち2019年のメールで、エプスタイン氏はトランプ氏が「被害少女のことを知っていた」と記していた。ただこの表現が何を意味するかは明確になっていない。
また2011年のメールには、エプスタイン氏がトランプ氏を「まだ吠えていない(動きを見せていない)犬」と表現し、トランプ氏が被害者の1人とエプスタイン氏の自宅で「何時間も過ごした」と記述していた部分もあった。この被害者の名前は伏せられている。
トランプ氏は12日、これらの資料を公開した民主党議員を非難し、連邦政府機関閉鎖問題から世間の注目をそらそうとする意図があると主張した。
自身のSNSには「民主党はエプスタインを巡る『でっち上げ』をまた持ち出そうとしている。なぜなら彼らは政府閉鎖を含めた多くの問題で自分たちが取ってきたひどい行動から目をそらすためには何でもやるからだ」と投稿した。
レビット大統領報道官も「一連のメールはトランプ氏が何も悪いことをしなかったという事実以外は何も証明していない」と述べた。
エプスタイン氏を巡る問題はトランプ政権を悩ませ続けている。トランプ氏の支持者らでさえ、政権はエプスタイン氏と富裕層や権力層とのつながりを隠していると信じており、司法省が関連資料、いわゆるエプスタイン文書を完全に公開しないことに批判的な見方をしている。
10月のロイター/イプソス調査では、トランプ氏の政権運営全般に対する肯定的な見方は90%に達した一方、エプスタイン文書への対応を評価するとの声は4割にとどまった。
