Lynn Doan
- 数十万社が利用するクラウドフレアで障害、数時間接続不能に
- サイバー攻撃や悪意ある行為が確認された形跡はないという
対話型人工知能(AI)「ChatGPT」やソーシャルメディアの「X(旧ツイッター)」で18日、ユーザーがアクセスできなくなる障害が発生した。ウェブセキュリティー企業クラウドフレアでの世界的なネットワーク障害が影響した。
今回のシステム障害は、米国のエネルギー規制当局やニュージャージー州交通局のウェブサイトにも影響を及ぼした。ムーディーズのウェブサイトも影響を受け、ページ上部に「サーバーエラー」が表示された。
米東部時間午前10時までに多くのサービスは復旧。クラウドフレアによると、同6時20分ごろにサービスの一部で「異常なトラフィックの急増」があり、同社ネットワークを通じた一部のアクセスでエラーが生じた。サイバー攻撃やその他の悪意ある行為が確認された形跡はないという。
ただ、今回の障害は、世界のオンライン環境が少数の企業に大きく依存している実態を浮き彫りにした。クラウドフレアのソフトウエアは世界中で数十万社が利用。企業のウェブサイトと利用者の間で緩衝役となり、過剰なトラフィックによる攻撃からサイトを防御する仕組みを提供している。
クラウドフレアのデーン・クネヒト最高技術責任者(CTO)はXへの投稿で、今回の障害について謝罪。「再発を防ぐための対応はすでに始めているが、多くの利用者に不便をかけたことは重く受け止めている」とした。
同社のシステム障害はこれまでにも複数回発生している。2019年7月にはソフトウエアのバグが原因となった障害で、世界中の多くのウェブサイトが最大30分間にわたりアクセス不能となった。
英サリー大学のサイバーセキュリティー専門家、アラン・ウッドワード教授は「クラウドフレアは一般にはあまり知られていないが大きな影響力を持つ企業だ」と指摘。今回の障害はインターネットが「ごく少数のプレーヤー」に依存していることを如実に示すものだとし、「人々は限られた少数の大手企業に依存せざるを得ない状況にある」と語った。
原題:Cloudflare Resolves Global Outage That Disrupted ChatGPT, X (1)、
Widespread Cloudflare Outage Blocks NJ Transit, ChatGPT Websites、
Cloudflare Says Fix Implemented, Believe Incident Now Resolved(抜粋)
