- 米労働市場の不安定さ映す、レアアースの武器、インフレ警戒根強く
- ウォルマートはテクノロジー重視、ハイテク株空売りの時ではない
マーケットで話題になったニュースをお届けします。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本はこちら。
不安定さ映す
9月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数が予想を上回る伸びとなった。ただ8月分は減少へと下方修正された。失業率も前月に比べて上昇し、さまざまな要因が交錯する不安定な労働市場の姿が浮き彫りとなった。雇用者数は前月比11万9000人増、市場予想は5万1000人増だった。前月は4000人減(速報値2万2000人増)に修正。9月の失業率は4.4%と、およそ4年ぶりの高水準となった。先週の米新規失業保険申請件数は22万件に減少。市場予想は22万7000件だった。
レアアースの武器
台湾有事を巡る高市早苗首相の発言に対し、中国は観光客への渡航自粛呼びかけや水産物輸入停止など、おなじみの対応を踏襲している。だがレアアースという「武器」はまだ使っていない。トランプ米大統領は先月、中国の習近平国家主席と会談し、「世界のために」レアアース輸出規制を解決したと発言。中国が日本に対して強硬な対応すれば、高市氏に「何でも」望むものを提供すると約束したトランプ氏の厳しい監視を招きかねない。中国はこれまで国際的な協調対応を引き起こす領域には踏み込まず、日本に痛みをもたらすように計算しているようだ。
インフレ警戒
米クリーブランド連銀のハマック総裁は、労働市場の下支えのために利下げを行えば、目標を上回るインフレの期間が長引き、金融安定へのリスクが高まる恐れがあるとの見解を示した。米連邦準備制度理事会(FRB)のバー理事は、インフレ率が依然として当局目標を1ポイント上回る状況にあり、追加利下げを検討する際には慎重な対応が必要になるとの見解を表明。シカゴ連銀のグールズビー総裁も12月会合での「前倒し」利下げには慎重な姿勢を示した。一方、クック理事はプライベートクレジット市場で想定外の損失が発生した場合、それが米金融システム全体に波及する可能性があるとし、注視する必要があるとの考えを示した。
テクノロジー重視
米ウォルマートは、通期の売上高および利益見通しを引き上げた。コスト上昇を吸収しつつ、価格に敏感な消費者の支持を獲得していることが示唆された。通期の純売上高は前年比4.8-5.1%増になると見込んでおり、8月時点の予想を上回る水準となった。業績見通し引き上げはこれで今年度2度目。このほか、上場先をニューヨーク証券取引所(NYSE)からナスダックに変更すると発表。ナスダックへの移行は「テクノロジー重視の姿勢」を反映したものだとしている。
空売りの時ではない
米著名空売り投資家カーソン・ブロック氏によると、今は米国の主要テクノロジー株を空売りすべき時ではない。人工知能(AI)バブル懸念が高まっているが、「今の市場ではショートよりロングの方がはるかにいい」とし、「エヌビディアや他の大手テクノロジー銘柄を空売りしようとする投資家は、長くは生き残れないだろう」と語った。空売りの対象としてAIに関わりのある中小企業を注視しているという。一方、好調な決算を受けて買い優勢で始まったエヌビディア株価は下げに転じた。市場ではバリュエーションの割高感や巨額のAI投資への懸念がなおくすぶっている。
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