▽ロシア、ウクライナ東部ハルキウ州の要衝制圧 軍参謀総長がプーチン氏に報告<ロイター日本語版>2025年11月21日午前 6:17 GMT+9

Ksenia OrlovaDmitry AntonovYuliia DysaMaxim RodionovMax Hunder

ロシア、ウクライナ東部ハルキウ州の要衝制圧 軍参謀総長がプーチン氏に報告

[モスクワ/キーウ 20日 ロイター] – ロシア軍のゲラシモフ参謀総長は20日、プーチン大統領に対しウクライナ東部ハルキウ州の要衝クピャンスクを制圧したと報告した。

ロシア大統領府によると、プーチン氏はロシア軍の「ザーパド(西方面)」部隊の司令部を訪れ、ゲラシモフ参謀総長ら軍高官からウクライナ東部ドネツク州のコンスタンチノフカとクラマトルスクのほか、ハルキウ州のクピャンスク周辺の情勢について報告を受けた。

ゲラシモフ氏は「ザーパド部隊がクピャンスクを『解放』し、オスコル川の左岸でウクライナ軍部隊を包囲した」と報告。また、ドネツク州の要衝ポクロウシクの70%、ハルキウ州のボウチャンスクの80%以上をロシア軍が制圧したとも報告した。

ロシアはポクロウシクを制圧すれば、ドネツク州でウクライナがなお支配しているクラマトルスクやスラビャンスクなどの都市への足掛かりが得られるとして攻勢を強めている。

ロシア国防省はこの日、ポクロウシク市南部をロシア軍兵士が自由に歩き回り、焼け焦げた集合住宅が立ち並ぶ通りを巡回する様子を映した映像を公開。ロイターはこの映像がポクロフスクで撮影されたと確認した。

ウクライナ軍はこの日、ポクロウシクで「ロシア軍の掃討を継続している」とし、攻防がなお続いていると表明。ポクロウシクと近隣のミルノフラードに向け追加的な後方支援ルートを整備していると明らかにした。

▽米、ウクライナと和平案協議 双方が受け入れ可能な案模索=報道官<ロイター日本語版>2025年11月21日午前 6:12 GMT+9

Nandita BoseTrevor Hunnicutt

米、ウクライナと和平案協議 双方が受け入れ可能な案模索=報道官

[ワシントン 20日 ロイター] – 米ホワイトハウスのレビット報道官は20日、ウクライナ和平案についてトランプ政権の高官が先週にウクライナ当局者と会合を開き、ウクライナとロシアの双方に受け入れ可能な案について協議したと述べた。

レビット報道官は記者会見で、協議にはルビオ国務長官とウィトコフ中東担当特使が参加したと明らかにし、トランプ政権は戦争終結に向けウクライナとロシアの双方と良好な対話を続けていると語った。

▽ゼレンスキー氏、米陸軍長官と和平案を協議 「共に取り組む」<ロイター日本語版>2025年11月21日午前 4:01 GMT+9

Yuliia DysaMax HunderRonald Popeski

ウクライナ、米国の和平案を受領 トランプ氏と近く協議=大統領府

[キーウ 20日 ロイター] – ウクライナのゼレンスキー大統領は20日、ウクライナを訪問している米陸軍のダニエル・ドリスコル長官とロシアとの和平実現に向けた方策を協議したと明らかにし、戦争終結に向けた計画の要点について共に作業を進めていくと表明した。

ゼレンスキー氏はドリスコル長官が率いる代表団との協議後「ウクライナと米国は戦争終結に向けた計画の要点に取り組む」と対話アプリ「テレグラム」に投稿。「建設的で、誠実かつ迅速な作業を行う用意がある」とした。

ウクライナ大統領府はこれに先立ち、ゼレンスキー氏が米国から和平案を受け取り、トランプ米大統領と数日以内に「和平実現に向けた重要事項」について協議すると明らかにしていた。

▽資産差し押さえならベルギーとユーロクリアに法的措置、ロシア下院決議<ロイター日本語版>2025年11月20日午後 9:54 GMT+99

資産差し押さえならベルギーとユーロクリアに法的措置、ロシア下院決議

[モスクワ 20日 ロイター] – ロシア下院議会は20日、ウクライナ侵攻を受けて欧州連合(EU)が凍結しているロシア国有資産について、EUが差し押さえに動けば、資産が保管されているベルギーと同国にある証券決済機関ユーロクリアに対し法的措置を取るとの決議を採択した。ロシアが被った損失を補填するために、「非友好国」の非居住者の資産を利用することも盛り込んだ。

EU欧州委員会は、域内で凍結されている2100億ユーロ相当のロシア政府資産について、そのうちの最大1850億ユーロ(2170億ドル)を没収はせず、ウクライナ向け融資に活用する計画を提案している。

決議は、EU加盟国によるロシア資産活用案は「事実上の違法な財産差し押さえで、実施されれば完全な窃盗とみなすことができる」と指摘。「ロシアの資産に対するいかなる攻撃も、違法に凍結されたソブリン資金の大部分が保管されているユーロクリアとベルギーに対し、いかなる法域においても、担保措置としての資産差し押さえ要求を含む損害賠償請求から始まる適切な法的対応を取らなければならない」とした。

「非友好的な国の非居住者の資産も、賠償原資として利用することができる」としている。

▽和平計画、ウクライナと欧州が関与すべきとEU外相<ロイター日本語版>2025年11月20日午後 7:46 GMT+9

和平計画、ウクライナと欧州が関与すべきとEU外相

[ブリュッセル 20日 ロイター] – ロシアの侵攻が続くウクライナの和平について、欧州の外相は20日、和平計画にはウクライナと欧州が関与する必要があると指摘した。

関係筋によると、米国はウクライナの一部領土割譲や軍の縮小などを盛り込んだ枠組みをウクライナのゼレンスキー大統領に提示したとされる。

EUのカラス外交安全保障上級代表(外相に相当)は、EU外相理事会を前に記者団に「われわれ欧州が常に支持してきたのは、長期にわたる公正な和平であり、そのための努力は歓迎する。もちろん、どのような計画もウクライナと欧州の関与が必要だ」と述べた。

フランスのバロ外相は、いかなる和平案もプーチン・ロシア大統領に「屈服」するものであってはならないと指摘した。「ウクライナの人々は、全ての人の主権を尊重する公正な平和、将来の侵略によって疑問視されることのない永続的な平和を望んでいる」とし、「平和は屈服であってはならない」と語った。

他の欧州外相も同様な見解を示した。ポーランドのシコルスキ外相は、ウクライナ和平は欧州の安全保障にかかわる問題であり、和平案の検討に欧州の参画を想定するとした。また、ウクライナが自国防衛能力を制限されるべきではないと述べた。