▽米中首脳が協議、習氏は台湾問題に言及-トランプ氏4月訪中で合意

Josh Wingrove

  • 中国への台湾復帰は第2次世界大戦後の国際秩序の重要な部分-習氏
  • 大豆やウクライナ問題、フェンタニル巡り協議した-トランプ氏

トランプ米大統領と中国の習近平国家主席は24日、電話会談を行い、貿易や台湾問題、ロシアのウクライナ侵攻などを巡り協議した。両首脳が会談するのは先月の関税「休戦」合意以来。

  トランプ氏は「非常に良い会談だった」とし、大豆など農産品の購入や合成麻薬フェンタニルの出荷抑制などについて話し合ったと明らかにした。トランプ氏は4月に中国を訪問することで合意したほか、習主席を来年国賓として米国に招待したという。

  「米中関係は非常に強固だ!」とSNSに投稿。「合意内容を最新かつ正確に維持する点において、双方で大きな進展があった。今こそ大局を見据えるときだ」と強調した。

  一方、これに先立ち中国外務省が発表した声明によると、習主席は統一を目指す台湾について、中国への台湾復帰は第2次世界大戦後の国際秩序の重要な部分だと述べた。米中関係の改善基調を維持し、協力を拡大すべきだとも伝えた。

  また米中首脳はロシアのウクライナ侵攻についても意見を交わし、双方が拘束力のある和平合意に達することを望むとの見解を習主席は示したとしている。

  中国は台湾有事を巡る高市早苗首相の発言に強く反発しており、米国の重要な同盟国である日本と中国の対立が、トランプ、習両氏の間に新たな緊張をもたらし、米中関係を複雑化する恐れがある。

  中国は高市氏の発言を受けて、日本への渡航自粛勧告や日本産水産物の輸入停止などの措置を相次ぎ導入した。また両国は軍事演習を強化。中国は東シナ海での巡回活動を明らかにする一方、日本は台湾に近い与那国島へのミサイル配備計画を明らかにした。

  トランプ氏は2日に放送された米CBSのインタビューで、中国が台湾を攻撃した場合に米軍が台湾を防衛するかと問われ、「習氏はその答えを理解している」と述べた。先月の米中首脳会談でこの問題は取り上げられなかったとも語った。

貿易交渉

  米中は先月、米国が対中関税を引き下げる一方、中国はレアアース(希土類)の輸出規制を緩和する貿易休戦で合意した。米中間で緊張が再燃すれば、市場や企業経営者の間で不透明感が一段と高まる可能性がある。

  関係者によると、米中両国は依然としてレアアースの輸出規制緩和を巡る重要な詳細について協議を続けている。米国向けのレアアースやその他重要鉱物の輸出に関して、中国が提供を約束した「一般輸出許可」の条件を11月末までにまとめることを目指しているという。

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  レアアースを巡る協議が続く中でも、米国は合意の一環としてすでに関税を引き下げ、国家安全保障に絡む複数の措置を停止した。また先端人工知能(AI)半導体の中国向け輸出を容認するかについても検討している。

  ラトニック商務長官はエヌビディア製AI半導体「H200」の中国向け輸出を容認するかどうかは、トランプ氏が判断するとブルームバーグテレビジョンで述べた。輸出の可能性を巡り「多くの顧問」が大統領に意見を述べているという。

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原題:Trump Says He’ll Visit China; Xi Presses US Leader on Taiwan(抜粋)