• ハセット氏がFRB議長の最有力候補に、グーグルがエヌビディア猛追
  • 米経済の弱さ浮き彫り、和平合意交渉は継続、マクロトレーダー好調

マーケットで話題になったニュースをお届けします。一日を始めるにあたって押さえておきたい5本はこちら。

最有力に急浮上

米連邦準備制度理事会(FRB)の次期議長人事は選考が大詰めを迎えている。トランプ大統領の周辺では、ハセット国家経済会議(NEC)委員長が最有力候補に浮上していると、複数の関係者が明らかにした。ハセット氏がFRB議長に就任すれば、トランプ氏が信頼を寄せる腹心を独立機関であるFRBに送り込むことになり、利下げ志向の政策スタンスをもたらす人物とみられているという。ベッセント財務長官は、トランプ氏がクリスマス前に指名を発表する可能性があるとの見通しを改めて示した。

グーグルが猛追

人工知能(AI)チップの開発競争でアルファベット傘下のグーグルがエヌビディアに匹敵する存在となり得るとの見方が広がった。グーグルは独自の半導体「テンソル・プロセッシング・ユニット(TPU)」で大型契約を相次いで獲得。テクノロジーニュースサイト、ジ・インフォメーションの報道によれば、メタ・プラットフォームズはTPUを数十億ドル規模で導入する方向で協議している。アンソロピックは最大100万個のTPUを通じて、グーグルの大規模なコンピューティング能力を利用する。アルファベットを巡っては、最新のAIモデル「Gemini(ジェミニ)」を高く評価する声も相次ぐ。

米経済に失速感

9月の小売売上高は予想を下回る0.2%増にとどまり、個人消費の失速が鮮明になった。国内総生産(GDP)の算出に使用されるコア売上高(コントロールグループ)は、5カ月ぶりのマイナスに転じた。11月の消費者信頼感指数は、7カ月ぶりの大幅低下。労働市場と経済に対する懸念の強まりが背景にある。9月の生産者物価指数(PPI)はエネルギーと食品の価格上昇を反映し、前月比で上昇に転じた。10月の中古住宅販売成約指数は予想を大きく上回る伸びとなり、約1年ぶりの高水準。住宅ローン金利の低下で購入意欲が高まった。

和平交渉は継続

ウクライナのゼレンスキー大統領はロシアとの和平合意交渉を巡り、「米国側との協議は続いている」とX(旧ツイッター)で述べた。これに先立ち、ABCニュースは米当局者の話として、ウクライナが和平案の条件に合意したと報じていた。関係者によると、領土問題など最も難しく重要な点については、米・ウクライナ間でまだ解決されていない。ホワイトハウスは合意成立に楽観的ながらも、残された懸案事項を解決するための追加交渉が必要との見解を示した。

16年ぶり好成績か

ウォール街のマクロトレーダーのパフォーマンスは今年、2009年以来の好成績となる見通しだ。世界の中央銀行による金利政策の転換を見越して、顧客が取引を急いだ。クリシル・コーリション・グリニッチのデータによると、ゴールドマン・サックス・グループやJPモルガン・チェース、シティグループといった企業が債券・クレジット・商品トレーディングから得る収入は今年1650億ドル(約25兆7400億円)に拡大する見通し。2024年比で10%増となる。

その他の注目ニュース

日銀の利上げ、円安進行で12月会合の可能性「結構高い」-門間元理事

米中首脳会談、来年4回開催の見通し-ベッセント氏「安定もたらす」

アップル、世界首位のスマホメーカーに返り咲きへ-サムスン抜く