
[ワシントン 25日 ロイター] – 米民主党議員6人がトランプ政権による「違法な命令」に従わないよう軍関係者らに呼びかけた問題で、連邦捜査局(FBI)が6人に対し聴取を要請したことが分かった。司法省当局者が25日、ロイターに対し明らかにした。
当局者によると、聴取は「違法行為があったかどうかを確認する」ためという。
米軍や情報機関出身の民主党議員6人は先週、軍兵士や情報機関職員らに宛てた動画を公開し、合衆国憲法を順守し違法な命令を拒否するよう呼びかけた。
これら議員には、元米中央情報局(CIA)アナリストでイラク戦争退役軍人のエリッサ・スロットキン上院議員、元宇宙飛行士で海軍退役軍人のマーク・ケリー上院議員ほか、ジェイソン・クロウ下院議員、マギー・グッドランダー下院議員、クリス・デルジオ下院議員、クリッシー・フーラハン下院議員が含まれる。
トランプ大統領は6議員を「反逆者」と非難し、「死刑に処される反逆的行為!」と主張した。
国防総省も24日、ケリー議員について「重大な不正行為の疑い」で調査すると発表。同氏が扇動的な行為を行ったとして、軍法の下で起訴するため現役復帰を命じる可能性があると警告した。
25日に公開されたメモによると、ヘグセス国防長官は先週の動画でのケリー氏の「違法な発言の可能性」について、海軍長官に報告した。ヘグセスはメモで、12月10日までに調査結果について説明を受けたいと述べた。
民主党議員らは25日の声明で、FBIの動きは脅迫により沈黙させようとするトランプ政権の試みだと批判した。
6議員は動画で、具体的な「違法な命令」には言及していないものの、トランプ政権が米都市に州兵を派遣していることや、中南米海域で「麻薬船」とされる船舶を攻撃していることが念頭にあるとみられる。
米国法では民間人に対する扇動罪は規定されていないが、「扇動共謀」罪は最高20年の刑罰が科される。2021年1月6日のトランプ氏支持者による米議会議事堂襲撃事件の首謀者数人は、トランプ氏が恩赦を与える前にこの罪で有罪判決を受けていた。
軍隊に関しては、統一軍事法典に扇動行為に関する条項があり、死刑を含む刑罰が科される可能性がある。
